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ソドム・パラノイア  作者: Y
heaven can wait
20/301

19:zombie・bad・day―注意散漫つまづいて―

 私が半強制的にダッシュさせられた先は、ゾンビが数体()()()()()()()()。改めて見ると高い壁……ゴモラシティって囲まれすぎだよね。ああ、あんなところに穴が開いてるからゾンビが入ってきちゃうのか。


「はぁ」


 相手はゾンビ、そうゾンビ。歩く死体であるゾンビを相手に、私が苦戦することなんてない。どうしてこんな楽なことがトレーニングなのか。ゾンビは臭いしグチャッってなるから、精神力を鍛えるにちょうどいいとか?


「うおおおっ!」


 声を出して気合を入れてみたのは、ゾンビに申し訳ない気がしたから。一応噛みついてこようとか、掴みかかってこようとすることもあるけど、私からすれば無抵抗も同じ。だからあんまりポンポン倒しちゃうのも、悪いかなって。

 とか考えてるうちに近くで動いてるのは、残り一体。うん、なんだこの無駄なトレーニング……。


「!」


 光? え――――音? 何……痛っっっっっっ!


「痛ったあぁあああああ!」


 煙と衝撃、爆発物! 痛い、力が入らない。足首が……。


「うぐっ、いぎっ……つあああっ!」


 足の痛いところに何か――うわ、ゾンビだ、爆発で倒れたゾンビが足にぃいい。うう、いろんな意味でつらい。


「はぁっ、はぁっ」


 痛いよ、博士……そうだ、博士は来れない。こんな危険なところに来れない、来ちゃいけない! だから自力で帰って博士に足を治してもら…………。


「!」


 ゾンビに足を掴まれて、倒された。そして、手をついたところがピカッ!


「うあああっ!」


 また爆発。これ、()()()()()()だ……。そっかゾンビはやっぱり生きてないのか、だから踏んでも何の反応も――――。

 えっと今掴んできたゾンビは……よし、動いてない。はぁ、まさかゾンビなんかに転ばされるなんて。ああ、もうゾンビゾンビ、近づいてきたよニューゾンビ。もう今日最悪……ゾンビ・バッド・デイだよ。


「はぁ……」


 さすが博士の作ってくれた腕、()()()()()()()問題なし。地雷は小型、四肢の破壊を目的としたタイプ。よし、この程度のなら傷もそんなに深くないはず……痛い痛い痛いっ! いきなり痛いっ! 足首痛ぁ! 痛い! 痛いってば! ああ、もうころんだ時にやっちゃったかな。でもとにかく今はここから離れないと。


「もと来た道は……」


 あの瓦礫から飛び出している鉄柱なら、動く方の足だけでジャンプすれば届く。それからあそこにいるゾンビの肩に飛び乗って頭を()()()()()()()()、次はあれを足場にして……うん、うん、うまくやれば地面を踏まずに戻れそう。よし、とりあえず立ち上がって、ってあれ? 私の足…………。


「つあああっ!」


 足は、()()()()()()()()()()。そう、普通に立ち上がれたし、痛みも消えていた。あんなに痛かったのになんで? と、驚いた私は注意散漫つまづいて、また対生命体地雷を踏んでしまったとさ。(だから声が出ちゃったってわけ。)

 うん、なんか冷静になってるけどね、めちゃくちゃ痛いです。威力的に足がちぎれたとかはないだろうけど、感触的に結構エグいはず。見たくない、見たくないけど傷の状態を確認しないと……。


「痛っ! あ、え……なにこれ」


 私の目はハッキリ見た。バックリ開いた傷口の中がもぞもぞ動いているのを。え? は? え? は? えええ? は? きもちわるっ!


「ぇ?」


 うぞうぞ動いて伸びた。そしてそれが、私の傷をくっつけて塞いでいく。うん、なんだこれ。意味分かんないんだけど。あと、超痛い。


「……な、なにこれ」


 痛い、すごく、とても、超、めちゃくちゃ痛い。()()()()()は、この()()()()()()()()()()()()()()()ってことをちゃんと理解している。でも、苦痛の声をあげられないほど私の足がおかしい。だって、元通りだよ? 靴とか靴下はふっとんじゃったけど、傷が治っちゃったんだよ? ね? ほらもう痛くない。御覧ください! あれだけひどかった傷も、何事もなかったように元通りです~ってなんだこれ! なんだこれぇえええええ!

 

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