161:珈琲は酸味があったほうがお好き?
リューリーのおもらしに、リディアさんもすぐ気がつく。
「おいおい、漏らすことはないだろう?」
「リューリーちゃんは身体をロリに改造しているから、一定以上の恐怖を感じると漏らしちゃうのだ!」
「怖いと漏らすのは大人もだ。で、次はなにを漏らしたい? 糞か? それとも内臓か?」
うう、リディアさん今日超意地悪だよね! リューリー(になる前の人)と過去になんかあったのかな。
「わ、私も漏らしたことあるよ! たまにおねしょするし!」
うわ! 流れで変な告白しちゃった!
「リューリーちゃんはおねしょなんてしないのだ。餓鬼と一緒にしないでほしいのだ」
「え?」
え! なにそれ! 超ムカつく!
「随分余裕だなリューリー。その小便は毒ガスのもとかなんかか?」
「なんのことなのだ? おまえらが怖がらせるからリューリーちゃんの体が反応して――」
「そのポケットの中に隠した液体を小便に混ぜようとしてみろ、三ヶ月かけて殺してやるからな」
な、なにそれ! なんなの!
「はぁ、お手上げなのだ。リディア……だったっけ? 目的を言うのだ。内容によっては聞いてやらんこともない」
「ほう、いい心がけだ。そうだな、私達の仲間になる気はあるか?」
「え、り、リディアさん?」
なにを言い出すんだこの人は! いやもうなんか、え? なんで私ここに同席してるの? ナターシャさんはニコニコしているだけだし!
「リューリーちゃんはバベル所属のS――」
「それがなにか問題でも? Sリーグ選手は行動の自由を約束されているはずだが? それともまさか、バベルがディスクリミネータのバックについてるから協力できませんとでも言うつもりか?」
「はぁ? それはありえないのだ! 今日も各地でSリーグ選手が、バイトでディスクリミネータの虫達と戦っているのだ!」
虫……ああ、あの寄生してる機械のことかな? それとも寄生されている人たちのこと?(リューリー口悪いからなぁ。)
「そうかそうか。前回は確かバベルが背景にいたと思ったが、今回は違うオーナーがいるわけだな? で、バベルのお偉いさんはなんと言っていた?」
「き……聞いてないのだ……痛ぁ! なんで撃つのだ!」
テーブルの下で撃った!
「圧縮率の低い弾だ。そう痛くはないだろう? Sリーグ選手なら」
うわぁ、リディアさん怖っ。
「はぁ、まぁいいのだ。別に止められてないし教えてやるのだ。前回もバベルは関係ないのだ! ディスクリミネータは大戦兵器の中でもすっっっっごく古いのだ! だからラヴクラインは関係ないのだ!」
「なるほど。それで?」
「前回はめんどくさいから無視してただけなのだ。ただ今回は明らかに誰かがディスクリミネータに餌を与えてる。それをつきとめるために動いている選手もいるのだ! だからバベルは関係ないのだ!」
「なるほど。ディスクリミネータの出現と、コード404の調整が同じタイミングだったことは偶然だと?」
あれ、これもしかして……リディアさんリューリーから情報を引き出そうとしてる?




