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ソドム・パラノイア  作者: Y
Crow Fly Free
173/301

160:BAD/coffee→Party?

 車に囲まれた中に置かれたテーブルにはリディアさん、ナターシャさん、私、そしてリューリー。……なんだこれ。


「リディアさん、こいつでいいか? 大した味ではないんだが」

「心配するな、この客にはそれでじゅうぶん。泥水よりはマシだろう?」

「ハッハッハ! 望まれざる客ってことですか! せっかくなんで自白剤でもおごってやりますか?」

「いや、口を割らせるなら拷問のほうが安上がりだ。我々は自営業だぞ? 経費削減の心を大切にしろ」

「はっ! 失礼しました!」


 銃を担いだままリディアさんの部下が……つまり私の仲間でもあるおじさんが、楽しそうに話しながら四人分珈琲を淹れてくれた。


「笑えない軍人ギャグはやめるのだ! それにリューリーちゃんはお茶がいいのだ! お茶しようって言ったのに珈琲はおかしいのだ!」

「なんだ貴様は客のくせに。文句があるなら飲まなくていい」

「なんなのだおまえは! リューリーちゃんは客だぞ!」


 ジロリ。リディアさんが睨むとリューリーは下を向く。


「せ、せめてミルクと砂糖がほしいのだ……」

「見た目だけじゃなくて味覚も餓鬼になったか? なぁ、アンディ」

「リューリーちゃんはこだわり派だからな! 見た目だけロリなわけじゃ……おい、おまえ何故その名前を知っている?」


 えっと……衝撃的な急展開でしょうかこれ。


「ゴモラ127出身アンディ・テイトーサ。重罪が発覚する前にSリーグにあがりゴモラシティを出る。その後姿を変えて……ああ、そういえば罪状は――――」

「あああああ! まったまった! まったなのだ! リューリーちゃんはリューリーちゃんになったのだ! だからそのへんで――」

「のだのだうるせぇぞ。おいナターシャ」

「はい」


 ナターシャさんが薄型のコンピュータで出した画像は……え、これリューリーの前の姿なの? うわ……めっちゃ悪そうなおじさんだよ……。


「ゴモラ127がかけた懸賞金はまだ有効です。受け取り身分にも制限なし」

「りゅ……リューリーちゃんをどうするつもりなのだ……」


 リディアさん、ナターシャさん、私。そしてさらにその周りには、武装した仲間たち。車の中には武器がどっさり。どうして気がつかなかったのかな、お茶なんてしたら不利な状況に追い込まれるって。


「私達は今は傭兵。仕事は自分で探さなきゃいかん。で、ナターシャ。この重罪人の懸賞金はいくらなんだ?」

「ま、待つのだ!」

「まぁ、珈琲でも飲め。最期の飲み物になるかもしれんぞ?」


 ピチョン、ピチョンと聞こえるのはなに? あ……リューリー漏らしちゃったんだ……。うん、絶体絶命だもんね。


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