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ソドム・パラノイア  作者: Y
Crow Fly Free
158/301

145:ひとりぼっち

 私のナノマシンは()()()()()()()()()()けど、助けることはできなかった。まぁ、あんなにグチャグチャだったら無理だよね。


「私の肉をもっとあげたら助かったの?」


 死体に聞いても、返事は――。


「……ぐ、ぐあ……が」

「!」

「がああああ!」

「うあっ!」


 ぞ……ゾンビになった――。(そして私はそれを壊した。)


「はぁ、なにしてるんだろ私」

 

 星がとても綺麗だった。そして私は、コヨーテと一緒に見た星空の思い出にひたる。


「う、ううう……」


 いいよね。ここなら、大声で泣いてもさ。


「うぁあああん! うぇああああ! ああああああああああ!」


 ずっとね、ずっとね、苦しかった。コヨーテと一緒にいる毎日が楽しくて幸せで暖かかったから、私はずっと違和感を感じていた。だってさ、聞こえるんだよ「おまえはこんなところにいたらいけない」って、ずっとずっと聞こえるんだよ? 誰も喋ってないはずの夜に。


「…………みんな、みんな勝手なんだよ」


 コヨーテのことを好きになりかけてた。ううん、好きだった……のかな? うひひ、やっぱりわかんないや。()()()()()()がずっと続いてたし。ああ、ナターシャさんが私を戦えるところに連れてってくれればよかったのに。なんで私みたいな戦いしかしらない子をあんな平和な村に! 力が強すぎる、強すぎるんだよ私は! コヨーテと遊ぶ時にいつも加減して、いつもいつも気を使ってたんだから!


「私はさ……」

『ソドムさん』


 ナターシャさん、今頃私の名前を呼んでも遅いんだからね。私が邪魔だったんでしょ?


『ソドムさん』


 だからコヨーテに押しつけたんでしょ? ドクターのところにはドクターのソドムがいるし、私がいたら邪魔だよね! ああ、もうなんでいないのに聞こえるの! そばにいない人の声なんてもう聞きたくないよ!


『ソドムさん』

「うるさいよ! 助ける気もないくせに!」

『良かった、聞こえてましたか』

「え? あ、あれ? ()()?」


 私、コヨーテからとりあげた通信機持ってきちゃってたんだ……。


「ナターシャ……さん?」

『アイソレイの村から連絡がありました』

「ナターシャ……さん?」

『すいません、今から迎えに行きますから』


 ナターシャ……さん?


「迎えに来ましたよ」

「え……早すぎない?」

「急いできました。わがままで自分のことしか考えられないあなたを――黙らせるために」


 なに、その銃……なんで私に向けてるの?

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