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ソドム・パラノイア  作者: Y
I HAtE Love
148/301

139:強者

 そこからの戦いも、やっぱり私は押され気味だった。でもさっきまでより全然ちゃんと戦えてる。何発か当たってるし。あ、そっか視界が白黒になってるから……。


「あら? 髪と瞳が黒く……ようやくサードステージに入りましたわね」

「そうみたいだね」

「でも、そろそろ終わりですわ」


 さっきより動きが見える! これなら確実に受け止めて打ち返せ――――え?


「戦いに夢中になってしまうのはあなたの悪い癖ですわ。それにその腕を信頼しすぎてしまうところも」


 一瞬意味がわからなかった。思いっきり転んだ理由が、右腕が外れてバランスを崩したからだなんて。ああ――――ドクターから無理したら接続部品がもたないかもって聞いてたのに!


「あなたはわたくしと対等に戦えていたんじゃない。()()()()()()()()()ことをわたくしが意識していたおかげでできた隙を――――」

「うひひ、そんなに丁寧に説明してくれるなんて、やっぱり上品すぎるよ。丁寧にするなら戦い方のほうだよね」

「それはなにかしら?」

 

 眼帯を取り外して、中に突っ込んであった義眼を取り出す。まぁ、ただのはったりなんだけど……。


「これはね、特性の爆弾だよ!」


 投げつけてビビってくれたらその隙にって思ったんだけどね、ダメだったみたい。簡単にキャッチされちゃった。


「はったりですって顔に書いてありますわよ?」

「う…………」

「ソドム、確かにあなたは強くなった。品のない戦い方も覚えて、バリエーションも増えた。でもね、わたくしはS()()()()()()と呼ばれた女、あなたよりよっぽど――――」

「え」


 義眼を投げつけられて、狂姫(きょうき)さんが殴りかかってきた。その拳を私は左手で受け止めようとして、でも、手になんにも感触がなくて……。


「み……見えない?」


 最後に見えたあれは、コヨーテがくれた砂漠狼の……。


「そりゃそうですわ。あなたにはもう目がないんだから。それにしても()()()()()()()()ぶらさげていましたわね。突き刺すのにぴったり」

「え、あ、暗い。なんで……見えない……どこ――ぎゃあ!」

「Sリーグ選手なんかにならなければ、簡単に殺してあげれたのに……。ま、仕方ないですわね」


 暗い。嘘、なに、なに……どこ? 怖い。

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