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ソドム・パラノイア  作者: Y
I HAtE Love
119/301

110:スーサイド・プラン

 作戦は大幅に変更になった。灰被り(シンデレラ)のメンバーの中から精鋭を集めゴモラ645に潜入、できるだけ戦力を残したまま、狂姫(きょうき)さん……いや、狂姫(きょうき)のところに私を届ける。そしてそれから他の人達が645でいろいろ行動して……。


「ソドムさん、冷静ですね……」

「うん、なんかそんな気分」

「偉いぞ」

「ありがとう」


 大量の銃とか、ナイフとか。それをずらりと並ぶ街の人たちに渡すのは、ナターシャさんとラドルゴさん。


「これで戦うの?」

「いえ、これは自衛用です。私達がこの街を離れたところを襲われるかもしれないので」

「あ! ソドムだ!」


 この前の……子どもたち。そっか、この子たちも銃使えるんだ。


「ナターシャさん、私でも使える武器あるかな……」

「はい。じゃあ、今日の夜私のところへ来てください」

「とっておきのを用意しておくぞ。なぁ、ナターシャ」

「はい、お父さん」


 武器がないと……勝てないかもしれない。相手はあの狂姫(きょうき)さんだ。(それに、今の狂姫(きょうき)さんは私が飲まされた、あの強くなれる虫みたいな機械を――。)


 家に戻ると、ドクターは()()()()()()()()()()を見せる。あの綺麗な金色とは違う、灰色に塗られた金属の腕。真ん中くらいに()()()()()()があるのは……私に合わせてサイズを縮めてくれたのかな?


「元の腕には劣るが、それなりに頑丈な腕だ。これなら取りつけられるがどうする?」

「ありがとう」


 一瞬ドクターの顔が、いや、露骨に落ち込んだ顔をする。な、なんだろ……。


「先日つけさせてもらった()()()()()だが。あれは金属が特殊すぎてね、並の部品でつないでもすぐ外れてしまうのだよ。普通の素材じゃすぐ摩耗してしまうからな。まぁ、一応良い部品を使ってつけたのだが……その……」

「完璧ではないってこと?」

「ああ。いつも後出しですまないな……。本当は完璧につけてやりたいが、私にはそれだけの材料を揃える力が……」

「気にしないで、ドクターがいなかったら私は腕なしのままだったから」


 ドクターはちょっと悲しそうな顔で微笑むと、手際よく、私に左腕をつけはじめる。ありがとう、ドクター。これで私の戦いに選択肢が増えたよ。


「今夜ナターシャさんとラドルゴさんが私に武器くれるって」

「そうか。あの二人なら使い方もよく教えてくれるだろう」


 上手に……使わないとね。腕も。武器も。




 それから夕飯を食べて、私はナターシャさんのところへ行く。(ラドルゴさんは会合に出るとかでいなかった。)


「ソドムさん、これがあなたの武器です」

「一つじゃないんだね……」

「はい。ソドムさんは武器初心者ですよね。ならば選択肢を増やし、一つの武器に頼らない戦闘をするべきです。武器は補助だと割り切って」

「そ、そういうものなのかな」


 銃が二つ、ナイフが三本、爆弾にあと……なんだろこれ? こんなにたくさんあって混乱しないだろうか? ああ、でも両腕あるっていいな! 両手で持てるもん! ドクター、ほんとにほんとにありがとう!


「武器は使いこなしてこそ……と言いますがそんな時間はありません。ならば邪魔にならない程度に()()()()()()()持っていきましょう」

「とっておきなのに……いいの?」

「はい。あなたに託すべき武器たちです」


 ちょっとプレッシャーだな。でも、それだけ信じてもらってるんだ。ありがたく、うん、感謝して受け取らなきゃ!

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