diary「私へ」
私へ。あなたはきっと絶望しました。やっと覚えた友達も、大好きな人も、頼っていいんだよってことを教えてくれた人たちもみんなみんな、いなくなってしまったから。
正確には……います。一部の人はまだ生きてますから。でももうその人達は、もう……私を見てくれません。
じゃあ私はなにを見たら良いのでしょうか?
私はどうやって生きていけば良いのでしょうか。
私は生きていかないといけないのでしょうか?
生きていたくないと思うなら、死ぬしかないのでしょうか?
そんな風にあの子は今思っているかもしれないと私は考えているが、それはただの想像だ。想像に過ぎない。そして、この想像に基づき彼女に接すれば「それはただの同情だ」と拒絶される危険性がある。笑顔で「余計なおせっかいだ」と思われる可能性がある。「わかっているけど今は一人にしてほしい」と、涙を浮かべた説得まがいの視線を向けられる恐れもある。それだけでなく彼女が私のことを「自己満足で人の気持ちも考えず正論を言いいたいだけの人」だと(脚色し)触れ回る確率もゼロだとは言えないだろう。一人にしてほしいと言ったのにもかかわらずだ!
つまり彼女を救おうとした場合、善意を善意だと思われず、逆さに捉えられ、私が周囲から嘲笑されるリスクがあるということだ。それでも差し伸べる手を、私は持っているのだろうか?
君はそんな惨めな自問自答を、存在しない不幸な少女相手に繰り返したことはあるか? そんな己の小さな凶暴に気がつき、自己否定から抜け出せなくなったことはあるか?
そしてその感情を特別だと思っていた自分の恥ずかしさに、過去を消したくなったことはあるか?




