表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ソドム・パラノイア  作者: Y
HELL CAN WAIT
103/301

98:デザインからして最高のカメラ

 ドクターは私の背負っていた腕をおろすついでに……私の荷物を勝手に見る。


「これはいいカメラだな。実に素晴らしい。デザインからして最高じゃないか。ああ、実に独創的だ」

「そう……。気に入ったなら、あげるよ」


 なんで持ってきちゃったんだろ、博士にもらったカメラ。あれ……このカメラなんであの部屋にあったんだろ……私、このカメラもらってから……。(()()()()()。)ああ、もう、なんか思い出せないけど、このカメラは博士にもらったってことだけわかってれば……いいや。


「やめておけ、これは()()()()()()()()()()のものなのだろう。手元においておきたくない理由があるなら、預かっといてはやるが……」

「……うん」


 そういえばあのカメラの中には、私が撮った博士の写真が……。


「あ、()()()()()! あれ、あれ? えっと……どこ押したら……」

「写真データが見たいのかね? 貸してみたまえ」


 カメラのモニターに映る写真は――――なにこれ? 焼けた……街? でもこれゴモラ67とは違う気がする。


「……私の撮った写真じゃない」

()()()を共有でもしていたのか? ん? ああ、次の写真を見る時はここを押せ。操作したことないのかね? 自分のカメラなのに」

「うん……一枚写真撮っただけなの」

「すまない、今の一言は余計だったかもしれないな」


 言われたとおりに押すと、次の写真が出る。


「違う……」

「ふむ、やはりそのカードには別の誰かが撮影したデータも入っているのだな」


 大きな銃、同じような服装をした人たちが倒れて苦しそうにしている写真、見たことないような大きな車……なにこの写真……本当に知らない。


「私の……撮った写真は……」


 何度もボタンを押さなくても、押しっぱなしにすれば()()()()()()いくことを教わる。そしてそれが止まった(つまり最後の)時、ようやくあの日私が撮影した博士の写真になった。


「ふむ、このラヴクラインは私とは別の個体か……」

「…………」

「まぁ深くは聞かぬよ。さぁ腕を取りつけようじゃないか。いつあいつがこの街に来るかわからないのでね」


 ()()()()()()()。この時から、私を置いていくつもりだったのだろうか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ