表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ソドム・パラノイア  作者: Y
HELL CAN WAIT
100/301

95:あなたが生きる意味はなんですか?

 ()()()()()()()()()()()()を探すのに結構時間かかったけど……私がゴモラ69を抜け出すのは簡単だった。私は()()()()のおかげで、コード404に守られている。だから、ゴモラシティを囲う、人間判定を通っていない者だけを爆破する対生命体地雷は私には作動しない。(最初に見えている地雷を金属の足で踏んでみた。そしたら爆発しなかった。次に近くを足で掘って探してまた金属の足で踏んでみた。そしたら大丈夫だった。つまり私は、博士のくれた足のおかげで――――。)


「……外ってなにもないのかな」


 遠くまで続く柔らかい砂地。足をとられて転ばないようにしないと。(背負っているのは、()()()()()()()()()()()()()()私の腕、水筒、あと適当な食べ物を入れた袋。とか。それを全て私は……口で、縄をつけて持ち運べるようにした。それが汚れないように、外したカーテンを()()()()()()()()体に巻きつけた。)


「やっぱり博士だよね」


 何度も思った。あれは博士のふりをした偽物だと。でも、残念だけど、本物だ。だってラヴちゃんが買い戻してくれたカメラは、一台だけ残して全部なくなっていたから。私のカメラだけ残して、全部なくなっていたから。(そして私がそれを持ってきたから、あの部屋にはなにもない。)


「お腹……すいたな」


 背中にぶら下げた食料と、水。でも今は手をつけない。いや、手はないんだから手をつけないってのはおかしいかな。(口をつけないって言えばいいのかな?)


「うひひ」


 そんなことで笑えるのは、私が壊れているからか。(それとも一人ぼっちだからか。)


「暑いな」


 誰もいない旅路。私がここでなにをしても誰も見ていない。馬鹿みたいに歌おうが、泣こうが、下着を必死に地面にこすりつけて脱いで排泄した後穿けず、諦めてそのまま歩き出そうが。(私はなぜ歩いている。博士がどこにいるかもわからないのに。こんなボロボロになって歩いている。博士が私を待ってるなんて思えもしないのに。)

 博士は私を捨てた。いや、最初からこうするつもりだった。(あれ、じゃあなぜ博士は私にあの機械を飲ませたの? なぜ殺さなかったの?)


「つまり、私にはまだ……価値があるってこと?」


 利用価値。そんな言葉が頭によぎる。(よぎる。)


「……」


 遠くから砂煙を上げて近づいてくる車。誰だろ……まぁいいや、今の私なら()()()でも殺せるはず。


「………………」


 私の目の前で止まる大きな車。降りてくる武器を持った人たち。


「………………………………」


 無言の時間、やるしかないか。


「おい、お嬢ちゃん」

「…………」


 鋭い目つき、汚い服。なんか()()()()()。やる気満々って感じだね。でもそんな強そうには見えないから、余裕かな?


「おい、お嬢ちゃん口がきけねぇのか?」

「……」

「おいって言ってんだろ」


 頭はそんなによくなさそう。うひひ、私もあんまり賢くないけどさ。


「喋れねぇのか……。まぁいい、こっちの話している意味はわかるな? こんなところで一人で大丈夫か? とにかく乗れ、わけありだろ?」


 あれ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ