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ふくふく幸福ひとっ風呂!  作者: 桟 ちあこ
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第一章 わたしの居場所はここですか?

 ぬるま湯に浸かったみたいな毎日から抜け出したかった。

 すべてが中途半端で、昨日と今日を入れ替えられてもきっと気づかない。ぐるぐると同じところを歩いているだけで、どこにもたどり着かない――そんな毎日はいやだ。

 だから、わたしは一歩を踏み出した。


 つもり、だったのに。



** ** **



 脱衣所から有線放送にのって、のんびりした民謡が聞こえてくる。音は広い浴室に反響し、天窓から降り注ぐ午後の日差しの中で気だるくふやけていった。

「ふあ~……やる気でない~……」

 日比野(ひびの)茉莉(まつり)は大きくあくびをすると、デッキブラシの柄にだらしなくもたれかかる。

 茶色味を帯びた猫毛は、セットするのは大変なのに崩れるのはあっという間だ。茉莉は頬にはりついた髪を面倒くさそうに耳にかけた。

 ここは下町の小さな商店街に隣接する銭湯――ふくの湯。茉莉はこの春から社会人になり、ふくの湯で働いている。

 もっとも、茉莉自身は銭湯に就職したつもりなどさらさらなかった。

 エステや美容室、岩盤浴やリフレクソロジーのサロンなどを全国に展開しているセラピアハウス。茉莉は希望通り、憧れていた美容業界大手の会社から内定をもらったはずだった。

「まさか、セラピアハウスの傘下にこんな銭湯があったなんてね……」

 壁一面に描かれたペンキ絵の富士山にむかって、ぐちぐちとこぼす。

 茉莉が美容業界に目を向けるようになったのは、大学時代に暇を持て余し、美容室の受付のバイトをしたのがきっかけだった。そこで、やって来た女性たちが綺麗になって、なによりキラキラした表情で帰っていくのに惹かれたのだ。

 美容業界に就職できれば、やりがいに満ちた毎日が待っていると思っていたのに。ぬるま湯から脱するどころか、これでは泥沼にズブズブはまっていくようだ。

「日比野さん」

「はいっ」

 ふいに涼やかな声が聞こえて、茉莉はシャキッと背筋を伸ばす。

 振り向いた視線の先にいたのは、声の印象そのままの涼し気な顔立ちの女性――有馬(ありま)透子(とうこ)。意志の強そうな眉の下、キリッと潔い二重の瞳がまっすぐ茉莉を見ている。

「男湯と脱衣所の掃除終わったから、裏で薪割りしてくる。何かあったら声かけて」

「えっもう終わったの!? う、うん、わかった!」

「よろしくね」

 さすが、有馬さん。茉莉はその背中を見送りながら、内心で舌を巻く。透子は茉莉の同期だが、仕事の手際の良さはすでにベテランの域だ。

 そしてなにより、彼女は茉莉にとっての理想そのものだった。

 すっきり整った顔立ちはもちろん、サラサラの黒髪や長身でバランスの取れた体躯、スッと美しい指先まで、どこを取っても目を奪われる。

 彼女のような女性に丁寧にメイクを施し、髪を結い上げて似合いの服を選び、ネイルやアクセサリーで飾ってあげられたら、きっととびきりキラキラする。それを想像するだけで、茉莉の胸は高鳴った。

 けれど、当の本人は茉莉の想いなど知るはずもない。Tシャツを肩までまくり上げ、髪は無造作にまとめただけの状態で、毎日すっぴんの額に汗して働いている。

 きっと今から始める薪割りだって、暗くて狭い裏庭の片隅で一心不乱にやるんだろう。

 薪割りと言っても、実際には廃材を電動ノコギリで使いやすい大きさに切る作業のことだ。

 ネイルの代わりに軍手をはめて、アクセサリーではなくタオルを首から下げている透子が容易に想像できて、茉莉は深くため息をついた。

「ほんっと、やる気出ないなあ~」

 そういえば、有馬さんはどうしてこんなところで働いてるんだろう。あんなに綺麗な子こそ、もっとキラキラした職場が似合うのに。

「あーもう、やめやめ!」

 茉莉はデッキブラシをヤケクソのように動かす。最後はそれすら面倒になり、四角いところを丸っとやっつけて、よし、と頷いた。

 ふくの湯にやってくるのは圧倒的に男性客が多い。あまり使われない女湯の方は、多少手を抜いても許されるはずだ。たぶん。

「あとはー……玄関でも掃くか」

 茉莉はデッキブラシを片づけて箒を出すと、足で掃除用具入れの扉を閉めた。

 表にまわって引き戸をカラリと開ける。爽やかな風が力強く吹き抜けていき、夏がもうすぐそこまで来ているのを感じる。

 目の前の通りは商店街から続く町のメインストリートだ。しかし、人の姿はまばらだった。

 近くの市営団地で耐震工事をやっている音がここまで届く。すでに築四十年を超えているらしいそこも、今は七割ほどしか住人がいないらしい。

 大勢の人が行きかう都心部とは反対に、この場所から緩やかな衰退の香りをかぎ取って、茉莉はフイと目をそらした。

 その時、キキイッと軋んだ音を立てて、玄関先に自転車が停まる。

「透子は?」

 日焼けした肌を伸びやかに晒し、まるで少年のような少女が茉莉に声をかけてきた。真木(まき)(はやて)――ふくの湯に出入りしている牛乳屋の一人娘だ。

 挨拶もなしで、いきなりそれかよ。茉莉はフンと鼻を鳴らして腕を組む。

「いないよ」

 颯はチッと舌打ちしてから自転車を降り、荷台のコンテナを乱暴に下ろした。牛乳瓶が、ガチャガチャと音を立てる。

「毎度」

 それだけ言って立ち去ろうとする颯に、茉莉は慌てて声を上げた。

「ちょっと! いつもは中まで運んでくれるでしょ!」

 すると颯はもう一度舌打ちをしてから、渋々引き返してくる。

 まったく、愛想の欠片もありゃしない。

「颯、来てくれたの。ご苦労さま」

 そこに、薪割りを終えたらしい透子がひょっこり顔を出した。茉莉が想像した通り、首にかけたタオルで額を拭いている。

「透子!」

 途端に、颯の表情に花が咲く。見えない尻尾をブンブン振って、飼い主を見つけた犬のように嬉しそうだ。

「牛乳とコーヒー牛乳、あとフルーツ牛乳も! 中の冷蔵庫に入れておくね!」

「いつもありがとう」

 透子に笑顔を向けられて、鼻歌まじりにコンテナを中に運ぼうとする颯。その後頭部を、茉莉は思いきり叩いた。

「痛ッなにすんだ!」

「ゲンキンなやつ!」

 両手がふさがっている颯に反撃はできない。茉莉は大人げなく舌を出してさらに颯を煽ってから、くるりと背を向けて掃き掃除を開始した。

 掃除が終わったら、切った廃材を使って釜でお湯を沸かす。その後、浴室にお湯をまいて室内を温めれば、開店準備は完了だ。

 茉莉が番台で釣り銭の確認をしていると、ガラッと引き戸が開けられる音が聞こえた。

「トコちゃん、いるかい?」

 割れ鐘のような声をさせて、ふくの湯の数少ない常連の一人、重岡(しげおか)が入ってくる。白髪まじりの背は小柄だが、体つきはガッシリとしているのは畳屋という職業柄だろう。

「なんだよ、おめえかい」

 透子をトコちゃんと読んだ重岡は、番台にいるのが茉莉と知るや、遠慮なくがっかりして見せた。浴衣の袂から入浴回数券を出すと、カウンターの上に置く。

 ふくの湯の開店は十四時だ。茉莉は壁にかけられた時計を見やる。

「まだ開店前なんですけど」

「あと四、五分のこったろ? 細けえこたあ気にすんなって」

 ガハハ、と笑っておしまい。この人はいつもこうだ。茉莉は重岡が背を向けたタイミングで鼻にシワを寄せ、それから回数券を回収する。

 二人の声が聞こえたのか、事務所兼休憩室にしている部屋から透子が出てきた。

「ああ、重岡さん。すみません、いま開けますね」

「おお、トコちゃん! いいんだよ、まだ開店前だろ?」

 こんのくそ親父! コロッと態度を変えた重岡に茉莉は内心で毒づく。

 どいつもこいつも、ふくの湯にやって来る人はみんな有馬さんのことが好きすぎる。茉莉はなんだか面白くなかった。

 しぼみっぱなしのやる気をどうにか膨らまそうと、接客する透子の横顔を眺める。何気ない立ち姿も綺麗で、茉莉は荒れていた心が急速に凪いでいくのを感じた。

「あ、わたしもか」

 これでは颯や重岡のことを言えない。

 茉莉はペロリと舌を出してから、営業中の看板を出しに表へ出た。

 しばらくすると、重岡と同じ商店街の昔馴染みや、近所の風呂なしアパートで暮らしているらしい学生などがパラパラとやってくる。

「いらっしゃいま……あ」

 夕方近く、茉莉は唯一女性の常連客の顔を見つけて、反射的に頭を下げた。

 彼女は例の団地改装の工事現場で働いているらしく、たまにこうして仕事終わりに汗を流しにやってくる。

 挨拶をしてもチラリと会釈を返されるだけで、いつも睨んでいるような顔をしているから、正直茉莉は苦手にしていた。入浴料をもらって番台の前を通り過ぎるまで、妙に緊張する。

 女性の姿がロッカーの陰に見えなくなると、茉莉はホッと息をついた。

 こうしていつもの顔ぶれが揃えば、あとは閉店する二十一時まで、ただただ暇な時間が流れる。

 茉莉はげんなりと番台に突っ伏した。

 あー……もう帰りたい。

「やだっもう帰る!」

 その時、ぴったりのタイミングで自分の気持ちを代弁されて、茉莉は思わず振り返った。

 小学校三、四年生くらいの女の子と、母親らしき女性。見かけたことのない、初めてのお客さんだ。

 母親の方と目が合うと、申し訳なさそうに会釈をされた。

「家のお風呂の調子が悪くなってしまって……明日、業者の方に来てもらうんですけど」

 言い訳するように説明しながら、大人一人、子ども一人分の入浴料を払う。

 その横で、女の子がなおも食い下がった。

「銭湯なんてやだ。今日はお風呂入らない!」

「そういう訳にはいかないでしょう? お風呂、気持ちいいわよ」

 なんとか納得してもらおうと、母親が女の子の目線にあわせてしゃがみ込む。そこに風呂を終えた男性客が一人通りかかった。

 女の子がびくっと反応する。それを茉莉は見逃さなかった。

「大勢で入るお風呂なんてやだ」

 男性客が行ってしまった後、女の子が俯きながら言うのを聞いて、茉莉は確信する。

「もしかして、大きいお風呂、はじめて?」

 銭湯や温泉など、不特定多数での入浴は、家風呂しか経験のない子にはハードルが高すぎることがある。修学旅行で大浴場を使えない子もいるらしい。

 茉莉が尋ねると、女の子は頷いた。

「そうか。ちょっと恥ずかしい?」

「うん……」

「大丈夫。うち、全然流行ってなくて今もほとんどお客さんいないから」

 お客さんに言うことではないかとも思ったが、嘘ではない。事実を伝えて安心してもらえるなら、話そう。茉莉はそう思った。

「今も、女湯は一人いるだけだよ」

「ほんと?」

 安心したのか、女の子の表情が少し柔らかくなる。

「本当、本当。あ、そうだ」

 茉莉は出入り口にもなっている番台のカウンターを押し上げた。女の子の隣に立つ。

「髪、いじってもいい?」

 そう断ってから、子ども特有のスルスルした髪を手櫛でまとめ、手早くアップにした。髪をねじりながら巻いただけの簡単アレンジだが、ゴムもピンもいらないし、なにより可愛い。

「わあ」

 女の子が明るい声を上げるのを聞いて、茉莉は嬉しくなる。

「髪を洗うときは、ここを外せば簡単に解けますから」

 母親に説明すると、女の子は唇を尖らせた。

「やだっほどきたくない!」

「あはは。よかったら、帰りにまた結ってあげるよ。さっぱりしておいで」

「やったあ! おねえちゃん、ありがとうっ」

 来た時とは打って変わって、母親の手を引くようにして脱衣所に進んでいく女の子に、茉莉もヒラヒラと手を振る。

「いってらっしゃい」

 どうやら入る気になってくれたようでなによりだ。

「すごいね、日比野さん」

「わ、有馬さん!?」

 いつの間にか背後に立っていた透子に、茉莉は飛び上がった。

「私だったら、お客さまにあんな風にしてあげられなかったと思う」

「え?」

「本当にすごい」

 そう言った透子が柔らかく微笑み、事務所の方に戻っていくのを、茉莉はただ呆然と見送る。

 やがて、じわじわとこみ上げてきた感情を逃すまいと、拳を握った。

 待って。

 待って待って、わたし、いま……有馬さんに褒められたの……?

「……どうしよう、俄然、やる気がみなぎるんですけど……っ」

 むちゃくちゃ嬉しい! 茉莉は密かにガッツポーズを作る。

 わたし、張りきっちゃうよ!


**


 通勤ラッシュが過ぎた午前十時過ぎ。その日の仕事の段取りを考えながら、透子は慣れ親しんだ駅に降り立った。

 心の故郷とでもいうのだろうか。あの小さな商店街のある町に来ると、自然と肩の力が抜ける。子どものころ足繫く通った場所で、今は勤務地なのだから、当然といえば当然なのかもしれない。

 この街には、透子の祖母が暮らしていた。

 共働きの両親に代わって、透子の面倒を見てくれた祖母。

 四畳半二間に小さな台所がへばりついただけの祖母の家に風呂はなく、泊まる時はいつもふくの湯に行った。

 両親が忙しいのは幼心にわかっていたし、もともと透子はワガママを言うような子どもでは決してなかった。けれど、胸の内に澱のような思いが積もっていくのを止めることはできなくて、それが不満なんだと気づくのが怖かった。

 だから祖母に手を引かれ、ふくの湯の大きな湯船で手足を伸ばした時――ささくれた気持ちがふやかされ、縮こまっていた心がほぐされるのがわかって、心底安心したのだ。

 ここに来れば、私はいつでも自分を取り戻せる。それを知ってから、透子の気持ちは格段に安定した。

「やあ、透子ちゃん」

 改札を出たところで、そう声をかけられた。スーツを着込んだ中年の男性が近づいてくる。

賀谷(かや)さん。お疲れ様です」

 透子はただでさえ愛想の良い方ではない自分の表情が硬くなるのを感じた。

 ふくの湯先代店主の三男である賀谷は、セラピアハウスに勤めている。先代が亡くなったのを機にふくの湯の経営権をセラピアハウスに売り、このあたりの系列店を管理する課のリーダーとなった男だ。

「今日も本社へご出勤ですか」

 自宅はふくの湯のすぐそばにあるのに、賀谷はほとんど顔を出さない。毎日一時間以上かけて本社の方へ行ってしまう。別にこちらに来てほしいわけではないが、軽く見られている気がして透子は面白くなかった。

「ああ、そうだよ。ふくの湯ならそんなに客も来ないし、従業員が二人もいれば充分だろう? 特に、君は優秀だしね」

 賀谷は腕時計に視線を落とし、ついでのように口を開いた。

「自分が育った場所を悪く言いたくはないけど、ふくの湯ももう限界だな。そろそろ見切りをつけるべきだと思うよ」

「見切りって……!」

 透子は思わず声を荒げる。

 けれど気に留める風もなく、賀谷はそれじゃ、と改札に吸い込まれていってしまった。

 残された透子は賀谷を見送るのも癪で、踵を返した。そのまま大股で駅舎を抜け、商店街の方へ歩いていく。

 確かに、透子が小さい時に比べて町の活気がなくなってきたのは事実だ。人がいなければ銭湯にもお客は来ない。

 セラピアハウスにとって、ふくの湯が出世コースを外れた社員や、定年間近で行き場のない社員の流刑地だったことも知っている。

 先代がいなくなってから、雇われ店主とおぼしき人が辞めるのを何度も見てきたし、透子と茉莉が入社するのと入れ替えに去っていったのも、定年を迎えた社員だった。

 ――見切りをつける。

 賀谷から言われた言葉が、棘のように刺さって疼く。大きかった歩幅も、いつの間にかしぼみ、とぼとぼと元気がなくなっていた。

 ふくの湯にたどり着き、透子は歩みを止めた。唐破風の屋根を見上げて、その下に施されている懸魚の鶴を見つめる。

 優し気な目元が、大好きだったおばあちゃんにそっくりだ。古い建物だからだいぶ風化しているが、透子にはハッキリと見える。

 ふくの湯は、私が守って見せるから。透子はグッと顎を上げ、しばらく鶴と視線を交わした。

 やがて小さく息をついてから、そっと入口の扉を開ける。

「おはようございます」

 無人の玄関先で声を上げて、ふと眉をひそめる。

「……?」

 なんだろう、なにかが、いつもと違う。

 透子が違和感の正体を探ろうとした時、中からパタパタと足音が聞こえてきた。

「おはよう、有馬さん!」

 勢いよく茉莉が顔を出し、透子はギョッとする。

「おは、よう。ずいぶん早いのね」

 夜が遅い分、ふくの湯の始業時間は昼の十二時だ。透子はいつも一時間以上前には来ているようにしているが、今日の茉莉はそれよりさらに早いことになる。一体、何時から来ていたのだろうか。

 従業員用の靴箱にスニーカーをしまい、茉莉の後について事務所に向かう。荷物を下ろして身支度を整える透子に、茉莉がいたずらっぽく歯を見せた。

「男湯も女湯も掃除終わってるよ」

「え? あ、ありがとう……」

 少し不安はあるが、やってくれたというものをやり直すのも失礼だろう。透子は頭の中のスケジュールから、浴室の掃除を消去する。

「じゃあ、私は――」

「わたし、薪割りしてくるね!」

 透子が言い出すよりも早く茉莉が宣言し、これまたやる気をみなぎらせた足音を立てて事務所から出ていく。

「あ、うん。お願い……します」

 透子はすでに姿の見えない茉莉に向かってそう言うと、呆気にとられたままストンと椅子に腰をおろした。違和感の正体はこれだったのだろうか?

 なんにせよ、入社以来そこまで熱意を感じられなかった同僚がやる気を出してくれたのならいいことだ。

 これなら、溜まっている事務処理を片づけられるかもしれない。透子は普段あまり向き合えないパソコンの電源を入れる。

 結局、その後も開店準備は茉莉が積極的にこなし、気づけば営業開始時間になっていた。

 パソコンでの作業に没頭していた透子の集中を破ったのは、事務所のドアをノックする音と重岡の声だった。

「トコちゃん! こいつぁ一体なんの騒ぎだい!」

 透子は驚いて立ち上がり、急いで事務所のドアを開けた。

「重岡さん? どうしたんですか」

「どうもこうもねえよ。のんびり湯に浸かりてえのに耳から(へえ)ってくる音楽があれじゃあ、頭の中がこんぐらがって、具合が悪くなっちまわあ!」

「え、音楽、ですか?」

 言われるがまま脱衣所に足を踏み入れた途端、透子は重岡の訴えを理解する。いつもの民謡や演歌はどこへやら、アップテンポの洋楽が騒がしく流れていたのだ。

「なに、これ……」

 呆然とする透子のもとに、別の男性客が歩み寄る。眉間にシワを寄せ、怪訝そうな顔だ。

「おお、透子ちゃん、ちょうどよかった。タオルを借りたんだけどさ、なんだか妙な匂いがするんだよ」

「匂い、ですか?」

 差し出されたタオルに鼻を少し近づけたところで、透子は思わずくしゃみをしてしまう。まるでキツい香水を振りかけたようだ。

「おーい! これ、どっちがシャンプーでどっちがリンスだい?」

 浴室からも声がして、重岡が向かってくれる。戻ってきた時に手にしていたのは、見覚えのない陶器のボトルだった。シャンプーもリンスも、同じものに詰め替えられている。

「どうして、こんな……」

 動揺する透子の脳裏に、茉莉のいたずらっ子のような笑顔が浮かんだ。

「……日比野さん……っ」

 茉莉なら、番台にいるはずだ。

 透子は勢いよく脱衣所を飛び出す。瞬間、鈍く頭が痛くなるような独特の匂いが鼻についた。

「あ、有馬さん! 事務のお仕事は終わったの?」

 茉莉の呑気な質問には答えず、透子は番台に詰め寄る。

「……これ、なんの匂いなの」

「え? 匂い? ああ、マニキュアかな? 入浴後のお客さんに、ヘアアレンジかネイルのサービスをしようかと思って持ってきたの」

「今すぐ片して換気をして」

 震えそうになるのを堪えて、透子は低い声を出す。

「へっ?」

「タオルやボトルも、日比野さんがやったこと?」

「うん、そう! アロマタオル、いい匂いだったでしょ? ボトルもお洒落で可愛い――」

「あんなに強い香り、かえって迷惑! ボトルも、陶器は割れたら危ないし、シャンプーとリンスの見分けがつかないじゃない。それに、いつもの容器には、宣伝料をいただいて広告もつけてるのよ」

「え、えーと」

 いまだかつてない強い口調の透子に、茉莉は面食らう。

「わ、わたしは、古くさい銭湯が少しでも良くなればと思って――」

 言いかけた言葉に透子の表情がますます険しくなり、茉莉は言葉を呑み込んだ。

「とにかく、いますぐ全部もとに戻して」

 けれど、手を打つのが少し遅かったようだ。透子が茉莉を咎めている間に、次々とお客さんが出ていってしまう。

「悪いけど、また来るよ」

「これじゃあ落ち着きやしねえ」

「トコちゃん、今日は()えらしてもらうぜ」

 あっという間に人の姿が消えて、ふくの湯はガランとなった。

 言葉のない透子に、茉莉がおそるおそる口を開く。

「あ、あの、有馬さん……?」

 その時、玄関の引き戸が開く音がして、透子はパッと顔を上げた。新しいお客さんだろうか。だったら今度こそ、ちゃんと銭湯を楽しんでいってもらいたい。

 しかし、やって来たのはまさかの賀谷だった。

「おや、これはこれは」

 人っ子一人いないふくの湯の状況を見て、賀谷は大げさに片方の眉を上げる。

「清々しいくらい客がいないな」

「ち、違うんです!」

 ところが、釈明のために一歩前に出ようとした茉莉を、透子が有無を言わさず押しとどめた。

「お願いだから、」

 その目が静かに怒っているのを感じて、茉莉はハッと青くなった。

「お願いだから、これ以上余計なことをしないで」


**


 左肩の重みで我に返り、茉莉は帰宅途中の電車内にいることを思い出した。ゆるゆる視線を向けると、隣に座った女性が茉莉の肩を枕に眠り込んでいる。

 この人もお疲れなんだなあ、きっと。茉莉は女性の眠りを邪魔しないように身じろぎを控えつつ、小さく溜息をつく。

 ――余計なことをしないで。

 透子に言われてしまった。この間のように役に立って、また褒めてもらいたかったのに、うまくいかなかった。

 膝の上に載せた荷物がズシリと感じるのは、回収してきたマニキュアやシャンプーボトルのせいだけではない。

 わたしはただ、古くさい銭湯の雰囲気を、少しでもキラキラしたものに変えられたらと思っただけなのに……。茉莉は窓の外を眺めたり、携帯をいじって気晴らしをしようとしたけれど、気づくとすぐに透子に言われた言葉を再生し、繰り返しなぞってしまっていた。

 やがて都心に近づくにつれて、車内が混みはじめる。降りだした雨のせいで湿度も増した。

 ちょうど茉莉の前に立った女性が、迷惑そうな視線を隣に向けているのに気がついた。見れば、初老の男性が持つ濡れた傘が当たっている。しかし男性は気づいているのかいないのか、知らん顔だ。

 茉莉は電車の揺れにかこつけて、それとなく傘と女性の間に足先を挟んだ。男性がムッとしたように茉莉を見たのがわかったが、今度は茉莉が知らん顔を決め込む。

 女性がホッとした顔をするのを見て、少しだけ気持ちが明るくなった。

 昔から、どうしてか女性には優しくしたくなる。そして女性が笑顔になると、茉莉自身も温かくなれた。

 物心ついて覚えている最初の女性の笑顔は母のものだ。仕事と家事と子育てで疲れ果て、テレビの前で眠ってしまった母。そんな母を起こさないようにこっそり食器洗いを済ませると、目覚めた時にそれは嬉しそうに笑ってくれた。

 幼心に感じた「役に立っている」という喜びの記憶が、今でも影響しているのだろう。

 それなのに、有馬さんにはあんな顔させちゃった……。再び記憶がよみがえり、茉莉はずっしりと重たい気分に浸かる。

 その時、終点を知らせるアナウンスが電車内に流れ、左肩がフッと軽くなった。隣でゆっくりと身を起こした女性がパチパチと瞬き、それから状況に気づいたのか小さく声を上げた。

「あっごめんなさい……っ」

 申し訳なさそうにする女性に、茉莉は顔の前で手を振る。

「あ、いえいえ、全然。お気になさらず」

「あの、ありがとうございました」

 恥ずかしそうにしながらも、女性は丁寧に頭を下げてくれた。立ち去る時に見せたはにかんだ笑顔に、茉莉はへこんでぺしゃんこになっていた気持ちが膨らんでくるのを感じる。

 重たい荷物を力強く肩に背負うと、電車を降りた。まっすぐ前を向いて改札に向かう。

 今日のことは、確かに大失敗だった。

 だけど、いつまでも落ち込んでいるのは、わたしらしくない。

 茉莉はポンと勢いよく傘を開いて駅舎を出る。

 やっぱり、ふくの湯はわたしの居場所じゃないんだ。だから、あそこにいてもわたしは役に立てない。

 だったら、抜け出そう!

 とりあえずは地道に言われた通りの仕事をして、しっかり成績を出す! あんなところで働かせておくのはもったいないと思わせる!

 それで、キラキラの世界に引き抜いてもらおう!

「よーし! ふくの湯、今に見てろよーっ」

 土砂降りを押しのけるように、茉莉は傘を高く掲げてみせた。


**


「なんかさ、この頃ずいぶんやる気じゃん」

 配達に来ていた颯にそう言われて、膝立ちで靴箱をひとつひとつ掃除していた茉莉は手を止めた。

「なにが?」

「いっつもボケッとしてるか文句を言うかだったのに、黙々と真面目に働いてるからさ。手抜きとかもしてなさそうだし」

 ああ、と呟いて、茉莉は掃除を再開する。

「環境を変えたいなら、まずは自分からってやつ?」

「なに? ふくの湯に不満があるわけ? それともまさか、透子に?」

 透子という名前を聞いて、茉莉は表情を曇らせる。あの日以来、二人の関係はどこかギクシャクしたものになっていた。

「ないよ。というか、それは考えないようにしてる。わたしはただ、キラキラしたところに行きたいだけ」

「キラキラぁ? なにそれ」

「ここじゃない場所ってこと!」

 最後の棚を綺麗にして、茉莉は勢いをつけて立ち上がった。いろいろな思いを振り落とすように、ぐうっと伸びをする。

 頭を使わず身体だけを動かしていれば、同僚とうまくいっていないことも、ここがやりがいのない職場だということも忘れていられる。

 颯は空になったコンテナを抱え、ふーんとつまらなさそうに呟いた。

「で、そこに行ったらなにがあるの?」

「え? なにって、そりゃあ」

 すぐに答えようとして、茉莉は言葉を探す。

「ここにはない、ものだよ」

「へえ。で、あんたはそこでなにがしたいわけ? ここではできないこと?」

 その言い方に皮肉めいたものを感じて、茉莉は颯を軽く睨んだ。

「なによ、さっきから質問攻めじゃない。そんなに気になる? わたしのこと」

「べっつに! ただ、あんたになにができるのかって、思っただけ!」

 じゃあね、と玄関を開けた颯は、一瞬の間を挟んで後ずさり、もう一度ピシャリと扉を閉めた。

「……なに? 帰らないの?」

 不思議に思って尋ねた茉莉に、扉の向こうを指さしながら颯が振り向く。

「そと」

「そと? 外がどうかした?」

「めっちゃ、人がいるけど」

「え? そんなわけ――」

 言いながら、茉莉は引き戸に手をかけた。そして、開いた先の光景に絶句する。

 そこには颯の言う通り、何十人もの人が列をなしていたのだ。

 入社してこのかた、こんな状況になったことがない。茉莉も急いで扉を閉めると、思わず颯にすがった。

「な、なにこれ!? どういうこと!?」

「し、知らないよっ」

 するとうろたえる二人の耳に、透子の落ち着き払った声が聞こえた。

「大丈夫? なにかあったの?」

「あっ、有馬さん……」

 このところの気まずさが邪魔をして、うまく言葉が出てこない。代わりに、颯がなんとか説明してくれた。

 話を聞いた透子の動きは早かった。

 すぐに表へ出ると、店の前に並んでいた人たちに声をかける。

「みなさん、ふくの湯をご利用ですか? 開店まではまだ少しあるんですが、どうかなさいましたか?」

 それに対し、返ってきたのは意外な答えだった。耐震工事をしている団地で作業に不手際があり、断水が起きてしまったらしい。

 戻るなり、透子は迷わず指示を出した。

「とりあえず、お湯は沸いているから、すぐに浴室をあたためましょう」

「それって、開店時間を早めるってこと?」

 茉莉の質問に透子が頷く。

「これ以上待っている人が増えたら、開店しても一度に入ってもらえなくなるから」

「わ、わかった」

 夕方に向かって家族連れや、夜になれば勤め先から帰ってきた人なども大勢やってくるだろう。透子は表情を引き締める。

「今日は忙しくなりそうね」

 ――そしてその予想は、すぐに現実のものとなった。

 普段なら暇を持て余す時間帯、茉莉は番台にいながらびっしょりと冷や汗をかいている。

「子ども二人と大人一人、お願いね」

「バスタオル、貸してもらえる?」

「すみませーん! この靴箱、鍵が壊れてるみたいなんですけどー!」

 あらゆる方向から声がかかり、軽くパニック状態だ。

「ねえちょっと、お釣りまだ?」

「えっあっすみません……って、あ!」

 茉莉の手が空っぽの釣り銭入れをむなしくつかんだ時、ぐっと肩をつかまれた。

「日比野さん、これ、お釣りの補充」

 手の平にズンと載せられた小銭の重さが頼もしい。

「あ、ありがとう、有馬さん……っ」

「ここは私が代わる。日比野さんは裏から新しい足ふきマットを持ってきて、交換してもらえる? あ、その時、脱衣所の床が濡れてたら掃除もお願い」

「う、うん」

 茉莉に指示を出しつつ、透子はもうお客さんへの対応を始めている。

 自分では捌ききれなかった人垣があっという間に解消していくのを目の当たりにして、茉莉は自己嫌悪に陥った。

 わたし、全然戦力になってない。普段仕事をこなせている気になっていたのは、お客さんが少ないからだったんだ。

「日比野さん、なにしてるの? 早く行って」

「あっ、ご、ごめん」

 茉莉は弾かれたように番台から下がり、裏の備品庫へと急ぐ。

 そこは表の騒がしさが嘘のように静かで、茉莉はホッと息をついた。

「やい! でくの坊!」

 突然の大声に驚くと、颯が腕組みをして立っていた。脇に配達用の自転車がとまっている。表の入口は混雑しているから、いつものように入ってこられなかったのだろう。

「追加の牛乳、持ってきた。あれだけ客が来たら、すぐに足りなくなるだろ?」

「ああ、うん」

「冷蔵庫に入れておいてやっから、お前は自分の作業をしろよ」

「……ありがとう」

「ん」

 慣れた手つきでコンテナを運び始めた颯は、もそもそと足ふきマットを準備している茉莉の背中にわざとらしくぶつかった。

「いったあ! なんなの!?」

「なんか、どつきたくなったから」

「はあ!?」

「ほら、ボサッとしてる暇があったら少しでも動けよな!」

「わ、わかってるよ!」

「わかってんなら、早く行けって!」

 颯に追い立てられ、茉莉はマットを抱えて小走りに戻る。

 その後も透子の的確な指示に従い、茉莉は入社以来初めて、文字通り目がまわるほどの忙しさを体験した。

「あー……そろそろ限界かも……」

 もう何度、脱衣所の床を拭いたかわからない。回収した足ふきマットを裏の洗濯カゴに放り込んだところで、茉莉はぐったりとしゃがみ込む。

 結局、閉店時間まで客足が途切れることはなかった。ようやく、いま入浴しているお客さんの対応だけに落ち着いたところだ。

 売店の方から、透子のよく通る声が聞こえてくる。まだまだやることは山積みだ。

「わたしも、働こ」

 よいせ、となけなしの気合いを入れて立ち上がり、茉莉は声のする方へと向かう。

 透子は売店で家族連れのお客さんの相手をしていた。

 お金のやり取りに商品の受け渡し、牛乳瓶のふたを開けてくれとせがむ子ども達に応えたりと、ゆっくり額の汗をぬぐう暇もないようだ。ぐい、と無造作にTシャツの肩口を額に当てる仕草を見た時、茉莉はハッとした。

 無我夢中で働く透子が、あまりに眩しかったから。

 今までに何度も、メイクや洋服のコーディネート、ネイルやアクセサリーなどで透子をキラキラさせたいと想像してきた。けれどそのどれもが、今の透子には敵わない。

 ひたむきな美しさに茉莉の心は奪われ、同時に、悔しさも感じていた。

 自分がどれだけやりたくてもできなかったことを、よりにもよってふくの湯という冴えない空間が実現したなんて。

「どうも、お世話さま。気持ちよかったよ」

 低い位置からまあるい声がして、茉莉は我に返る。小柄な老婦人が頭を下げて、出ていこうとするところだった。

「あ、おばあちゃん。靴、出しましょうか」

 茉莉は慌てて婦人を追いかけ、杖をついて塞がっている手の代わりをする。靴を揃えて出した後は、玄関の扉を開けて支えた。

「ご利用、ありがとうございましたっ」

 ぴょこんと頭を下げて見送ると、茉莉は営業中の看板をしまおうと振り返った。そこで、街灯の下の人影に気がつく。

「あ」

 工事現場で働く、あの女性だ。いつもならとっくにふくの湯に来ているはずだが、きっと断水の復旧作業にかり出されていたんだろう。

 無表情のなかにも疲労の色が見えて、相当消耗しているのがわかる。

 ところが女性は茉莉をじっと見た後、くるりと背を向けた。そのまま遠ざかっていこうとするから、茉莉は慌てて呼びかける。

「あ、あのっちょっと待ってください! お風呂、入っていかないんですか!?」

「いや、だってもう閉店でしょ」

 女性に指をさされ、茉莉は自分が看板をしまおうとしていたのを思い出した。

「え? あっ、そうか」

 女性は無言のまま再び立ち去ろうとする。

「あーっ待って! 待ってください!」

 茉莉は急いでふくの湯に取って返すと、透子の姿を探した。

「有馬さん! お風呂、あと一人入れてあげてもいい!?」

「え?」

「片づけが遅くなる分は、わたしが残ってやるから。お願い!」

 パンっと両手を合わせて目をつぶった茉莉は、なかなか聞こえてこない返事におそるおそる目を開ける。視線の先には、少し困ったような笑顔をたたえた透子が待っていた。

「ごめん、やっぱり迷惑――」

「構わないよ。片づけも、一緒にやる」

「ほ、本当!?」

 前のめりの茉莉に、透子は苦笑を深くして頷く。

「日比野さんのそういうところ、やっぱりすごいね」

「えっえっ? なに、なんの話……」

「ほら、お客さま、待ってるんじゃないの?」

「そうだった! ありがとう有馬さん! じゃあ、今呼んでくるねっ」

 玄関を飛び出した茉莉は、一目散に女性のもとへ駆ける。

 きまり悪そうに佇んでいた女性に歓迎の意を伝えると、驚いたようだ。

「やっぱり悪いよ。元はといえば、うちの工事現場が原因で混乱させたのに」

「いいんです! 確かに大変な混雑だったけど、その分売り上げは入社以来ダントツ間違いなしですし、それに……」

「それに?」

 茉莉は含み笑いを堪えきれず、嬉しそうに破顔する。

「忙しさにかこつけて、有馬さんと前みたく会話できるようになりました! むしろ感謝です!」

「そ、そう……なの?」

「はいっ」

 元気よく頷き、茉莉は女性を招き入れようと先に立ってふくの湯に向かう。そこで、ふと視線を感じて顔を上げた。

 唐破風の下、懸魚の鶴と目が合う。

 今までもずっとそこにいたはずなのに、初めて気がついた。

 静かにこちらを見下ろす眼差し。茉莉はそれを、まっすぐ見つめ返した。

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