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序.

 それは遠い記憶。大きな手、優しい声。大きな手、ざわめく人波。華やかな街、小さな手。

 すべてを持って生まれた。すべてを失った。

 多くを望まれた。多くは望まなかった。


 記録にはない、誰も口にしない、それは消し去られたはずの事件の断片。

 小さな欠片が微かな傷を作り、それは徐々に大きくなって、腫れ上がる。そしてじわじわと膿んでいく。

 侵食されていく感覚に胸をかきむしりたくなる。築き上げてきた全てを崩される、そう考えただけで、言いようのない感情が込み上げてきて、どうしようもならない。


 けれどひとつだけ、確かなことがあった。

 希望をこの手から溢してはならない。光を誰かに奪われてはならない。

 そのために歩き続けてきた道なのだ。何があろうとも、成し遂げてみせなければ。


 たとえこの身が、罪に汚れようとも。

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