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25 労働時間

 ミドル・ゴーレム作成の際は自動で3パターンの大きさにばらつくようにプログラミングされている。

 理由は消費者毎に身長は異なるためだ。

 商品管理に困らないよう、鎧の後ろに『S』『M』『L』とマークをつけて精製している。それ以外のサイズについては特注品として、2倍の値段で受け付ける事にしている。(その場合、首の後ろに刻印されるのは依頼者名だ)


 ゴーレム達は庭の端に設置された倉庫前に辿り着くと、種類毎に整列した。


「よし、整列したね。それでは、『ゴーレム、土へ還れ』」


 ゴーレム達は剣と盾を頭上に掲げる。砂となる自らをクッションとして、装備品に傷をつけないようにするためだ。


 ……いつもこの瞬間は少し侘しいものがある。


 今日まで24時間連続勤務を行っていたゴーレム達は、何の文句も言わずに砂へ還っていった。

 ……見廻り、ごくろうさまでした。


「それでは、皆さん。倉庫へ格納お願いします。何度も言いますが、怪我だけはしないように注意してくださいね」

「はいよ、若ダンナも怪我しないように後ろに下がっといてくれよ」

「そうだ、若ダンナに怪我をさせたとなれば、皆にどやされちまう」

「ははは、分かりました、僕も気を付けます」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 倉庫へ装備品運び入れるのは10人の村民さん達だ。作業は30分程で終了した。


 その後、10時になるのを待ち今日のノルマである装備品をクリエイト・ゴーレムで生み出す。


 新しく精製されたゴーレム達は、見廻りのためそれぞれプログラミングで指示されている持ち場へ向かって歩き出した。


 今日生成したゴーレムは以下だ。


 ・ミドル・ゴーレム(農具)150体

 ・ミドル・ゴーレム(鋼)30体

 ・サムライ・ゴーレム 2体


 農具用のゴーレムは盾を装備していない。

 軽装なくさび帷子(かたびら)身に纏う他、鎌、鍬、スコップ等の様々な農具を、両手、腰、背中に装着している。


 武器を装備したゴーレムに比べると頼りないように思われがちだが、侮る事なかれ、実はこのゴーレムは見回り中に部外者の明らかな敵対行為を見つけると装備している農具を次々に投げつける仕様になっている。


 ある意味、見廻り組のゴーレム達の中では一番恐ろしい存在だ。


「これで本日の仕入れはお終いです。お疲れ様でした。明日も当番の方は、また明日もよろしくお願いします」

「お疲れさま!」「つかれーッス若ダンナ!」


 作業を終えた村民さんたちはそれぞれ休憩に入っていった。


 次の村民さん達の作業は12時から。行商人の受付や販売対応だ。


 因みに営業時間は12時~15時、最終受付は14時迄としている。朝の仕入れは当番制の為、通常の労働時間は1日3時間と

なっている。


 ……前の世界では毎日10時間以上働いていたが、本来の労働時間はこの程度であるべきだと思っている。

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