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ぼく吸血鬼×サキュバスになる  作者: ぴよーこ
第一章 ゲームとリアル 男心と女心
10/68

10話

狩りを始めて2時間が経とうとした。相変わらずここにはポチしか沸かない。このゲームの運営って結構手抜きなのかな?それとも初心者の街だからそういう設定にしているだけなのだろうか。タイチとマールも疲れたようで大きな岩に3人して腰を掛ける。

「少し休憩するか。正直俺ここまで狩るとは思ってなかった」

タイチが歳のとったおっさんみたいにぐったりしている。

「私も疲れました。もこさんは平気そうですね。さすがです!」

マールのセリフにぼくは、さすがってことにどういう意味があるのか。痴女としての体力作りをなされているみたいで・・・さすがです!って意味じゃないですよね・・・

ぼくもそろそろ痴女という単語をひとまず胸にしまっておこう。

「いったんログアウトするために街に戻るか」

ログアウトするのは街の中がいいと言われているため、タイチはそのように意見する。

もちろんpvpが起こる可能性があるこのMAPでのログアウトはログイン時に危険となるだろう。

「そうだねー。ぼくも少し休憩しようかな」

始まったばかりのゲーム。そんな急ぐこともないと思う。のんびり育成していけばいい。

「そうですね。私も昼ごはん食べてないのでぺこぺこです」

今は3時。もうこんな時間になっていたなんて。ぼくは相変わらずおなかが空かない。まあいいことなんだけどね。


みんなでログアウトし、VRヘッドを外す。そのままベッドで横になり、少しの間仮眠をとることにした。

ぼくは夢を見た。人を襲う夢。ぼくが若い男たちを吸血していき精気を奪い取る。今まで15年間犯罪的行為をしたことがなかったぼくは罪悪感を始めて味わった。しかし、パニックになるほど罪悪感はない。だって人が動物を殺すのに罪悪感を抱きますか?そんな問いをぼくの悪魔的存在が言ってくる。答えはNO。吸血はぼくにとって必要な行為なのだからそれはしかたのないことだ。


起きたら18時になっていた。ぼくは自分のルールを新しく見つけた。


その4:むやみに人の血と精気を奪ってはいけない。必要最低限だけいただく


と。あの血と精気の味が今でも忘れられない。だってすごくおいしいのだもの♪

ぼくという人間がぼくではなくなっていくのだけど、ぼくは人間ではないし、今は悪魔の部類だ。

(なんだかお腹がすいてきたなー)

別に、おいしいのもっと食べたい!だからおなかすいたな~(うそぴょーん)ってわけじゃなくて、自然現象ですからね!

 そして、ぼくはカモ、じゃなかった、協力者を探しにいくのでした。


 協力者はすぐに見つかった。というよりナンパされた。今は成長スキル使ってないのだけどこのお兄さんちょっと危ないんじゃない?だって見た目15歳の少女をナンパって・・・。まあたしかにぼくの外見はかわいいとは思うけど・・・。あ、ナルシストじゃないからね?君も女の子にいきなり変わったらそれが自分の姿だって認識はできないと思うよ!!

 と、まあ、とりあいず・・・

(誘惑)

そう念じて、男を虜に。そのまま人のいないところでがぶり。この誘惑スキル、何気に使えたのだ。誘惑をかけて、男たちが無意識によってくる。そして吸血する。問題はその後、吸血鬼に噛まれたーー!と騒がれたら困る。しかし、誘惑の効果によってスキル効果が切れたときには自分が何をされていたのか覚えていないのだ。

(んぅまー。ちゅーちゅー)

いつもより多めに吸っているような気がするけど気のせいだろう。だって自分ルールは絶対だからね!その5:ただしナンパ男は例外である。だから・・・。そんなルール知らないって?今決めました☆

夜ごはんも協力者が現れたことによってなんとかなりそう。そういえばこの身体って人間食はいらないのかな?そもそもぼくは人間って言葉をよく使うようになってしまったのだけど、ぼくも元人間で・・・まあいいや。とにかく気にしちゃダメ。

どんどん人間離れしていっているようだけどもう人間ではないので。帰宅してゲームでもやろうとしたとき、携帯の着信音が聞こえた。

(誰だろ?)

今のぼくは見た目も心も変わってしまって(男という魂まではまだ染まってないよ?)リアルの知り合いと干渉したくない。

放置も良くないだろうと思いそのメールを見たら、由里子さんからでした。ほっとしてます。


10話投稿。今日のノルマは達成しました。

まだ書き足りないのですが、1日10話が上限ということに。自分ルールその100!

夜中に更新してしまうかもしれないですけどね。ふふ。

でもとりあいずここまで読んでくださった方々、ありがとうございます。

※次回更新日予定は8月31日7時です。

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