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蝕む黒の霧  作者: 栗木下
2:10年

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第68話

2話投稿ですが実は12時と13時に分けて投稿しています。

「失礼します。」

 私は基地の正面から出てボブさんたちの近くまで歩いて接近します。

 テレポート?使いませんよ。能力概要がバレているなら、これ以上バレるのはさすがに不味いですから。


「アンタがこの惨状を引き起こした張本人か…。何者でどこから来た?南極は全方位くまなく極妃様の魔性が防衛線を張っているはずだぞ。」

 ボブさんが警戒心を露わにし、恐怖を隠しつつ問いかけてきます。

 というか、ボブさん近くで見ると大きいですね。2m近くありそうです。


「私の名前はイチコと言います。ここにはとある者に転移系スキルで飛ばされました。」

「イチコね…。日本人か。飛ばされたと言ったがどこからだ?」

 ボブさんの警戒が強くなります。まあ、警戒した所でボブさんの実力でこの状況をどうこうするのは厳しいと思いますが。

 ひとまず質問に答えましょうか。言った後の反応は予想が付きますけど、


「朝鮮半島からです。」

「は?」

 ああ、やっぱりこういう反応ですよね。誰だってこういう反応をしますよね。私だって何も知らなければこういう反応をします。


「えーと、それは冗談か?」

「いいえ、事実です。」

「んなバカな!どれだけ離れていると思っていやがる!魔王にだってそんな真似ができるとは思えねえぞ!」

「ですが、事実です。」

「ありえねーから!!」

「悲しい事に事実なんです…。」

 私は額に手を当てつつ頭が痛そうな様子をボブさんに見せますが、ボブさんも先程までは信じられるかと言った表情を見せていましたが今は私と同じような表情をしています。

 でも、気持ちは分かりますね。私も自分で事実だと伝えていて悲しくなってきましたから。


「一体何者だよ。その魔王は……。」

「それは…、」

 何となくですがこの質問には素直に答えない方が良さそうです。


「…分かりません。」

「そうかい…。」

 ボブさんには怪しまれなかったようですね。極妃は…もしかしたらボブさんを通じて覗き見をしているかもしれませんね。


「と、極妃様からアンタに質問だ。『それで、貴殿の種族は何だ?』だそうだ。悪いが、これに答えなかったり、誤魔化したりした日にはアンタを敵とみなすそうだ。」

「そのぐらいなら構いません。私の種族は『定まらぬ剣の刃姫』です。」

 私の種族を告げた途端ボブさんの表情が完全に固まります。

 あの顔は多分あれですね。えっ、マジで?ネタじゃなくて本気で言ってるの?頭大丈夫か?そういう明らかな固有種族は魔王限定なんだぞ。ぶっちゃけ理解が追い付かないから思考止めますね。的な表情です。


「は?え?ちょっと待て、俺じゃあ頭が追い付かねえ。極妃様が直接出るそうだ。代わるぞ。」

「構いません。」

 あっ、素直に認めました。こういうのは好感が持てますね。と、極妃が直接出るなら気構えを新たにしておかなければ。


「『イチコと言ったな。今の話は全て事実か?』」

「はい。」

 もちろん事実なので肯定します。


「『聞いたのか?』」

 聞いたのか…魔神の事ですね。恐らくは。


「聞きました。必要ならその時の状況を詳細に話しましょうか?」

「『いや、そこはボブには聞かせたくない。だから来い。朕の…『永遠なる南の極妃』の居城、『永遠極光宮殿エターナルオーロラパレス』に!』」

 …。ダンジョンの名については聞かなかったことにしましょう。

 入ったら死にそうですごく不安になるダンジョン名ですけど。


 と、若干の思考停止をしていたら、ボブさんが連れてきた魔性に何かの指示を出した後に手招きをしつつどこかに歩いていきますので、私はそれを追いかけました。


 なんだかとても先行きが怪しい気がしますね…。



------------------



 数日後、吹雪を抜けた私の前には今まで見たことも無いような壮麗な建物が建っていました。

 え、道中ですか?寒さで死にかけただけで、何もありませんでした。どうやら半魔王も眷属や魔王と同じで食事や睡眠が不必要なようです。


 さて、肝心の建物ですが、白い雪の様なもので出来た中世の西洋風のお城です。ただ、その頃の宮殿を従順に模しているわけではなく、窓は透明度の高い氷で、屋根はオーロラの様なグラデーションがかかっています。

 また、城の上空には夜でもないのにオーロラが何重にもかかっており、幻想的な雰囲気を醸し出しています。


「ふふん。驚いたか?」

「ええ、驚きました。道中にボブさんから聞いていましたが、まさかこれほどのものだとは思わなかったので。」

 ボブさんが話しかけてきますので、素直な感想を返します。


「そりゃあ良かった。と言っても今回アンタにはダンジョンの中には入らないでもらうけどな。」

「そうなのですか?」

 疑問に思う私をよそにボブさんは門と思しき場所のすぐ横を指差します。

 そこには小さな小屋の様な建物が建っています。周りの景観と合っているかどうかを見るにどうやら、急遽建てられた建物のようです。


「あの中に極妃が?」

 私は小屋に目を向けつつボブさんに聞きます。


「ああそうだ。じゃ、後は極妃様とアンタとの間での話だから俺は失礼させてもらうぜ。」

 そう言ってボブさんは門を開け、ダンジョンの中に去っていきました。


「では、私も行きますか。」

 そして私はダンジョン入口横の小屋に入りました。

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