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蝕む黒の霧  作者: 栗木下
1:魔王降誕
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第40話

「さて、まずは第4階層の作成と新しくできるようになったことの確認だな。」

 俺はいつも通りに≪迷宮創生≫の画面を開く。

 さて、今回作成する第4階層は以前言った通り迷宮というよりは居住区として作る。作成理由としては外で暮らしづらくなった霧人たちや、『白霧と黒沼の森』に突入したのを返り討ちにして眷族化した奴らを駐留させる場所が欲しかったというのが主な理由だ。

 で、作成場所は今俺がいる第1階層の真上で、床や壁は子供向けアクションゲームの空のステージに出てくるような何故か乗ったり触ったりできる雲のような物体『雲の箱(クラウドキューブ)』を利用する。

 次に、『雲の箱』を使って小規模な街を作ったところで視界制限50m程の霧を街全体にかける。この際この霧は電化製品などに影響を与えたりしないように『集合しない』という特性を持たせる。なんでかって?いやだって四六時中全身に霧が纏わり付いてるとか俺みたいに慣れた奴ならいいけど、慣れてないと辛いよ?服は重くなるし、電化製品は壊れやすいしで、

 ちなみに内部の気候は霧によって常時適温化されると同時にそれ相応の湿度を保っているので乾燥肌の人も安心…って何言ってるんだ俺は。まあとにかく霧人だけでなく人間も過ごしやすいようになっている。ついでに第4階層全体を休憩所扱いにしてあらゆる殺傷行為が人も魔性も出来ないようにしておく。これでまあ大丈夫だろう。


 さて、上に第4階層を作って、第1階層の日照とか正直大丈夫なの?と言われそうだが問題ない。元々第1階層は霧が濃すぎてほとんど日照がないし、第4階層で日照を軽減するついでに軽減した分を第1階層に飛ばすようにしてあるから大丈夫である。

 素晴らしきはスキルの力である。


 で、レベル4になって新たに出来るようになったことは色々あるのだが、特筆すべきはやはりこれ、『長距離転移陣』であろう。効果としてはこんな感じ


・長距離転移陣

直径0.2m~10mの長距離転移用魔法陣 

二つ一組になっていて片方の陣を発動させると、発動させた陣に触れているものを対になっている陣に飛ばせる。

設置可能数は魔王のレベルと同じ数の組だけ(レベル4なら4組設置可能)

設置の際、片方は迷宮内に設置し、もう片方は迷宮内のそれから半径1km~1000kmに設置すること

陣を発動出来るのは設置者の魔王及びその魔王を主とする眷族と魔性のみ(発動1回につきMP10)

生物の体に陣を設置する場合、設置される生物は転移系スキルを有していなければいけない。なお、この場合設置時に1000km内にいればいいだけで発動そのものは消費魔力を増やすことで問題なく行える(1000kmを超過した分(km)×1追加でMP消費)

創生コスト:1組につきMP1500、二つの魔法陣間の距離1kmにつきSP1消費


 うん。この上なく素晴らしいね。というわけで早速4組全部設置(1つ設置するたびに全力休憩です)しよう。

 迷宮側のは全て第4階層に設置するとして、外側は…こんな感じか?

1、近場用 首都の雑踏に紛れ込ませる感じで設置

2、訪問用 『戦獣達の狐都』近くに設置

3、人攫い用 時々暇を見ては設置場所を変える予定。とりあえず北に500km程行ったあたりに設置

4、緊急避難及び呼び出し用 イチコの右胸に設置(もちろん全力で抵抗されたが主権限でそこは黙らせる)


 ちなみに1に関しては全霧人に設置場所を通達してあるので、イザとなったらそこに逃げ込むようにも言ってある。


 さて、次は新規モンスターだけど、特に目ぼしいのが居ないんだよね。ああでも、この2種がいたか。


・ミステス

身長1.6m程の精霊系人型魔性 スモークの上位種。

霧のような魔力で構成された体をもつ女性型精霊。一体毎に自立した意志を持ち、フォッグやスモークとは比較にならないほどステータスが高い。

フォッグやスモークを指揮して大規模な悪戯というには被害が大きすぎる事件を起こすこともある。

召喚コスト:1体につきMP2000、HP,SP各1000


・靄大狼

体長4m程の獣系狼型魔性 薄靄狼の上位種。

全身が靄で覆われた巨大狼。薄靄狼たちのリーダーであり、彼らを指揮して効率よく獲物を狩れるだけの獣らしからぬ量の知識を持つ。

召喚コスト:1体につきHP,MP,SP各1000

個人的な備考:薄靄狼より数倍素晴らしいモフモフっぷり


 うん。即決で創生した。でもしょうがないよね。女の子にモフモフ何だもん。召喚するしかないよね。モフモフは正義!女の子は正義!


 …。ハッ!俺はいったい何を…。



--------------



 と、ここまでの作業を完遂するのにかかった時間およそ一月。理由?どれもこれもコストが重いからだよ!後、こっちが作業しててもお構いなしに軍の人間は来るからね!

 まあ、おかげで眷属の数は今100人ほどにまで増えたけどさ。


 えーと、後言っておくことと言えばそうだな。今の世界情勢か。

 ぶっちゃけどこも戦争状態だね。

 人間対魔王はもちろん、人間対人間もだいぶ増えてる。原因は強力なスキルを持った人間を国とかテロ組織辺りが囲って利用し始めたからかな。

 恐らくだけど、もうしばらくしたら人間の国と言う枠組みは基本的に無くなって、街や村単位でしか人間の集合体がなくなる気がするんだよね。で、残るのは魔王が治める国のみ。と、

 まあ、しょうがないと言えばしょうがないかな。なにせ人間たちは欲深くて嫉妬深い。それに…


制海権と制空権を魔王に奪われたからね。

いつも感想・指摘・評価・登録ありがとうございます。


05/02 誤字訂正

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