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蝕む黒の霧  作者: 栗木下
1:魔王降誕

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第38話

今回は特にグロ・拷問・残酷な描写ありです。苦手な方はご注意ください。

「ご無事でしたかお嬢様?肝心な時に居なくて申し訳ございません。」

 イチコがリョウにかけられた札と手錠を外しつつ頭を下げる。


「別に構わないわよ。今の貴方は私の護衛ではないのだから。」

 リョウは枷を解かれた両腕の様子を確認しつつ、イチコに声をかける。


「私の姿を見ても驚かないのですね。」

「あれだけの騒ぎがあったのよ。それならその姿にも納得するわ。」

 イチコはリョウの手を引いて立ち上がらせる。


「イチコ。貴方にいくつか質問がありますの。」

「何なりと。リョウお嬢様。」

 二人は多少の距離をとって相対する。それは今までありえなかった光景でもある。


「貴方が何故クロキリのスキル≪魔性創生≫を使えるの?」

「≪主は我を道に力を行使す≫というスキルがあり、そのスキルの効果です。」

「習得理由は?」

「イズミを助けるためです。」

「イズミ…。その子ね。」

 リョウの目が部屋の入口に立っているイズミに向けられる。


「(イズミです。9才です。声が出ないのでひつだんです。)」

「イズミは全身をバラバラにされていたところを私が発見し、助けるためにはあのスキルを得るしかありませんでした。」

「そう。なら次の質問ね。」

「はい。」

 リョウが一歩イチコに近づく。


「習得の経緯はわかったわ。でも何故余命幾ばくもない患者の元に行ってそのスキルを使っていたの?」

「そうするしかあの人たちの命を助けられなかったからです。」

 さらに一歩近づき、手を伸ばせば届く距離になる。


「そう。確かにあの人たちの命は助かったわね。でも、代わりにあの人たちは『霧人』になったのよ?それに対して何か言うことは無いの?」

「ありません。あの人たちは皆納得した上で人を辞めました。リョウお嬢様。はっきり言わせてもらいます。“あの人たちは自分の意思で霧人になり、私は自分の意思でその手助けをしました”。」


パンッ!


 リョウの平手がイチコの顔に当たり破裂音を辺りにまき散らす。

 

 リョウは涙声で語る。

「イチコ…私は貴方に裏切られたのね…。一緒に成長してクロキリを倒す。と言ったはずなのに…。」

「リョウお嬢様…。私は……、」

「何も言わないで…、今はただ、私の前から居なくなって…。」

「…。分かりました。イズミ。行きましょう。」


 イチコはイズミを連れて部屋の外に出る。既に下の階では周囲からの通報で大量の警察車両と救急車が集まっている。

 そして、去り際にイチコは語る。


「リョウお嬢様。私は今でもクロキリを倒そうと思っていますよ。けれど、今は力がなくて誰かを救うためにも、倒すためにもクロキリの力を借りるしかない。それだけの話です。そしてクロキリはきっと…」

「…。」


「こんな私をも肯定します。」


 その言葉の後には泣きわめくリョウだけが残される事になった。



■■■■■



「随分と大人数で来たものですね。」

 私の前にはたくさんの警察に機動隊。それに軍と報道陣がいます。

 そして、私の後ろには誘拐の実行犯たちが縛られた状態で転がされています。


「『霧人』久野イチコに『霧人』茲炉イズミだな!お前たち二人を殺人、不法侵入及び監禁の現行犯で…」

「黙りなさい。こいつ等を見逃していた人間風情が、」

 私は吐き捨てるように言います。


「今から私たちのような人に害する眷属ではなく、ただ人間のように日常を過ごしていた眷属に手を出した者の末路を見せてあげます。乱し蜻蛉!」


キイイイイイイイィィィィィィン!


「「「ガアッ!」」」

 私の声に応じて、乱し蜻蛉がその羽音で周囲の人間を動けなくします。

 そして、私は縛り上げた男の一人の後ろに立ち


 首を刎ねます。


 当然のように刎ねた首からは噴水のように血が出てきて、その光景にある者は顔を真っ青にし、またある者は絶句します。一番幸せだったのは泡を吹いて倒れた人たちでしょうか。苦しみつつも立っている人間は数人だけです。

「この男は眷属を誘拐する際に車を運転していました。故にこうなりました。」


 二人目は四肢を潰してから胸を刺して殺します。

「この男は気絶した眷属を車に連れ込みました。」


 淡々と私は処刑を進めていきます。既に見ている人間の半数は意識を飛ばしているようです。


 三人目は腰の部分で真っ二つにし苦しみながら死ぬようにします。

「こいつは眷属を気絶させた張本人。」


 私は最後の一人を睨み付けつつ口を開きます。


「そしてこの屑は誘拐計画を立てた張本人。今回の事件の元凶とも言うべき存在。」

「ヒッ!お、お願いだから助け…」

「故に貴様は生きながら食われて死ね!」

「あああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」


ゴリッ、ゴリュ、ブチュ


 そして、乱し蜻蛉によって生きたまま食われて死にます。もちろん容易には死なない様に手足からゆっくりと咀嚼させます。


 私は周囲の人間の方に向き直ります。周囲の人間たちは既に数人しか意識を保っていません。

「これが罪も無き眷属に手を出した者の末路です。さあ行きましょう。」


 私の言葉にイズミが頷き、乱し蜻蛉が足を私の近くに持って来てくれます。そこで私は右腕にイズミを抱え、左手で乱し蜻蛉の足を掴み浮かび上がります。


「では失礼します。」

 そう言い残して私とイズミは夜空へと消え去っていきました。

リョウとイチコの仲直りは当分先です。ごめんね。


04/29 最後を少しだけ改訂

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