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三人目続

まさかの二カ月ぶりの投稿orz

前のお話から読んでいただければ幸いです…(ていうか読まないとわからないです)

「げ、不知火(しらぬい)……!」


「………不知火さん」


渉が後ろを振り向くとそこに眼鏡をかけた女子生徒が立っていた。


「もう一度言うわ。その子から手を離しなさい科学」


今まではしゃいでいた居能いのうがぐぬぬ、と渉から手を離し下がる。


土岐野渉ときのわたる君、だっけ。さあそんな似非(えせ)でごっこ遊びのやつらは放っておいてついてきなさい」


「だれが似非でごっこ遊びだというんだ!」


「あなたたちよ」


「ぐお………だ、だがしかし、土岐野君は僕たちが先に勧誘したのだ。今更遅いぞ」


「半ば強制でしょ。土岐野君、あなた、何の部活に入りに来たのかしら」


「えっと、自己探索部を探しに…」


しらぬい、と呼ばれた女子に迫られ答えるのに詰まる。


「本人が自己探索部に入りたいって言ったの聞いた?これ以上の勧誘は必要ないわね、それじゃ」


と言って立ち去ろうとする。が、一度止まり、


「私が自己探索部部長代理の二年、不知火民(しらぬいたみ)。よろしく」




「何もあんな言い方しなくてもよかったんじゃないですか?」


去り際に居能の様子を見たが、すっかり元気をなくしうなだれていた。


「昔からああなのよ。気にしなくていいわ」


「昔から?」


「そう。あの二人と私は幼馴染み。今でも家が近いからよく顔を会わせるのよ。…二人は私について薄々感づいている部分があるみたい。だから『ESP研究会』なんてつまらないものを…」


最後の方はつぶやきになって渉にはあまり聞き取れなかった。



部室についたらしく、部屋の前でとまって扉に手をかけ、


「ここが部室だから。誰でも入れるよう一人ずつ鍵を渡しておくから。そういえば他に三人、全部で四人転校してきたって聞いていたけど?」


「一人は他の部活の見学に行って、もう一人はまだ教室にいると思います。後一人は二年生で、そうだ、風間さんはどうするんだろ?」


「風間さんは他に任せてるから大丈夫………なはず。じゃあ私はその教室にいる子を迎えに行ってくるわ。あなたは先に部室にいて」


渉は鍵を渡され、部室に一人残される。



部室はもとは保健室だったのだろうか隅はカーテンで覆われたスペースと視力検査で使われる機械などが置かれ、半ば物置部屋になっていた。渉がすることなくイスに座っていると、部室の扉が開いた。


「こんちゃーっス!って、一人だけ?ああ!」


入ってきた男子は渉を見て叫んだ。


「どうもお久しぶりっす!猿渡さるわたりっす!」


「確かこないだの金穂かなほの時の……」


「あの時はどうもっす」


「いや、俺の方こそあのときは助かった。猿渡がいてくれなかったらあそこに行けなかったからな」


「いやーそれほどでもあるっすか」


そう言われて猿渡はへへへ、と笑う。


「そう言えば渉さんはなんでここにいるっすか?鍵かかってませんでしたか?」


「それは私が鍵を渡したからよ」


猿渡が振り向けばそこに不知火が戻ってきていた。後ろには金穂と宗次がいて、宗次が手を挙げ、


「よ、何か集まるみたいだったから一緒に来たぜ」


「それと、この子が部室の前でおろおろしていたけど?」


金穂に隠れるようにして名加那(なかな)もいた。


「そうだったっす!渉さんがいたからつい忘れてたっす!ごめんっす名加那さん!」


「あ、いえ、別にいいです………」


名加那はわずかに聞き取れる程度の声で話した。


「はっきり忘れていた、なんて言うもんじゃないわ猿渡君」


「すんませんっす……」


「そう言えばなんで名加那さんもいるんだ?」


「この部活は中高共通なのよ。珍しいけどその方が何かと都合がいいでしょ?私たちには」


そう言って、不知火は携帯を取りだし、電話をかける。


「……安司あんじ君。ええ、こっちは揃ってきたからそろそろ戻ってきなさい。…………はあ、まぁいいわ。とりあえず急いでくること。はい、じゃあ」


携帯をしまいため息を一つ。


「待ってるのも退屈だから先に自己紹介を済ませておきましょ。わた…」


「だから僕は言ったろう!例え世界のどこにいようとも君が退屈を感じる前に君の前に現れると。そうだろ!愛しのた・み!」


そんなことを言いながらいきなり部室に飛び込んできたのは、風間をお姫様抱っこした男子生徒だった。抱っこされている風間は何が起きたか分かっていないかのようにきょとんとしている。生徒、と言うには大人びいていて、何より制服が白い。見た目はモテそうだがどこか軽いイメージを感じる男子だった。


「あなたってつくづくだめで役に立つに人ね」


「君の役にたつために生まれてきたといっても過言ではないよ!」


「はあ…まあいいわ、それより風間さんを降ろしてあげたら?」


不知火の言葉に今更ながら風間は顔を赤らめた。


「名残り惜しいけどここで降ろすね愛風嬢。疲れてはいないかい」


「いえ、こちらこそ校内の案内楽しかったです」


「それは良かった!まだ案内してないところもあるからぜひこの後にでも!その時は君もどうだい!い・と・しの…」


「では改めて自己紹介を始めるわ。自己探索部部長代理二年の不知火民。よろしく」


もはや普段のやり取りなのか、周りも突っ込まずに不知火が自己紹介を再開した。その後、知っている人もそうでない人も簡単に自己紹介した。次いで、不知火が自己探索部の説明をする。


「自己探索部、表向きは心理学なんかを独学している部として活動しているわ。といっても何をしているわけでもないから研究会とか愛好会とかと変わらない扱いね。」


「何もしていないって………」


それでは皆堂かいどうさんの話と違う。


「表向き、よ。実際この中で心理学を学んでる部員はいない。それに今いないのも兼部しててこっちにきていないくらいだし」


一度言葉を切り、部屋の奥を隠しているカーテンの前に移動する。


「私たちの本当の活動は“有事に備えて自身の能力を磨きその時に応じて正しく使えるようになるべし”。このために必要な場所を提供するのがこの自己探索部。…まあ、ある人の受け売りなんだけど」


不知火が言い終わると、安司が意味ありげに肩をすくめる。


不知火がカーテンを開けた。本来ならベッドがあるはずの場所に怪しげな石が置いてあった。


「猿渡君、よろしく」


「はいっす」


猿渡はその石をつかみ、次の瞬間には消えた。と思いきやすぐ近くに現れた。


「実はその石、猿渡君の能力、位置交換(エクスチェンジ)しか動かせないのよ。ただ重いだけじゃなくて、何かしらの力で動かないようになっていたらしくて」


渉は前にも自分自身を運んでもらったが、能力の名前を聞いたのはこれが初めてだ。


「じゃあ今まではどうしてたんですか」


「今までは部長がどかしていたのよ」


「その部長さんは今日は来てないんですか?」


「……とりあえず今は先に説明を済ませましょう」


石をどかすとそこには穴が開いていて、先は白くてよく見えない。その穴に向かって不知火が歩き出す。


すると、不知火の姿が消えた。壁を通り抜けたとか穴に吸い込まれたというよりは猿渡の能力に近い。


「じゃ、お先っす」


と言って猿渡も穴に近づき消えた。


「君たちも入ったらどうだい?もちろん!愛風嬢は僕と一緒に!大丈夫怖くもないし痛くもないよ」


渉以下初めて来た五人がぽかんとしているとにうながされた。


穴に近づくと、というより近づいたと思った時には部室ではない場所にいた。


「これはまた、すごいな」


後に続いた宗次が思わずといった感じで呟く。


穴を通った(?)先は広い空間となっていた。一面白く、壁天井は見当たらない。昔話題になった映画に似たようなシーンがあったなと渉は思った。


「ここが本来の活動場所。ここではそれぞれに合った、望んだ形で能力の練習ができるようになっているの」


再び不知火の説明。


「じゃあもし武器が欲しいって言ったら武器の並んだ棚が一斉にでてくるとか」


「必要なら出てくるけど、何のために?」


つい気になったことを言ったら変な顔をされた。


「私はこの後すぐに行かなきゃならないけどあなたたちはどうする?今日は場所見せだけのつもりだったけど」


「できればさっそく訓練したいです」


渉が意思を伝えると、


「猿渡君は?」


「自分なら今日は最後まで居られるっすから平気っすよ」


「そ、なら説明とか後は任せるわ。いつも通り戸締まりだけはしっかりと。それじゃ」


と言って今度は黒い穴となっている場所で不知火が消えた。


「不知火さんは生徒会の会長さんでもあるっすから忙しいんっす」


「その通り!正に民こそ眉目秀麗、才色兼備ってやつさ」


さすが、愛しのた・み!となぜか無駄に決めポーズを取る。


「そ、それで自分に合った訓練って言ってたけど具体的にはどうするんだ?」


渉もなんとかスルーするのにも慣れてきて、猿渡に質問する。


「ああ、それなら簡単っす。ちょうどいいっす宗次先輩、金穂先輩、名加那さんにも教えとくっす」


猿渡が注目を集めるよう一歩前に出る。


「まずはって言っても一言いうだけっす。…『訓練開始』」


猿渡がそう言うと、白かっただけの床に赤、青、緑、の色が浮かび上がった。四角に区切られて並び、それぞれ真ん中だけ丸く切り取ったかのように違う色になっている。


「このパネルの色と真ん中の色を能力を使って揃えるのが自分の訓練っす」


説明しながらも猿渡は能力で移動を繰り返し次々と色を揃えっていった。全てのパネルの色が揃うと、レベルアップのような音が鳴り、枚数と色が増えた新たなパネルが現れた。


「これを繰り返していくとだんだん難しくなっていくっす。で、終えたいときは『訓練終了』って言えばいいっす」


すると、パネルが消え、もとの白いだけの床に戻った。


「他にも『修行開始』とかただ『終わり』って言っても平気っす。えと、何か質問とかあるっすか?」


「なんだかゲームみたいで面白そうだな!訓練って聞いたからもっと違うのを想像してたが」


宗次が一番に感想を言う。


「ふぇぇ…なんだか難しそうです……」


「その、これって実際訓練になってるのか?」


「もちろんっすよ渉先輩!これのおかげで能力の速さだけじゃなくてどうやったら最短距離で移動できるか、地形をおかしくせずに問題なく移動できるか、とかだいぶうまくなったんすよ。………まあ最初は確かに訳がわかんなかったすけどね」


猿渡は思い出したのか苦笑を浮かべる。


「あ、もちろんこれは自分ので、皆さん一人一人違うものになると思うっすよ。けど絶対役に立つ訓練になるはずっす!」


と力説する。


「よし!これなら俺もやってみようかな。どんな訓練になるか気になるな」


「私も先ほどの猿渡くんのような訓練でしたらしてみたいですわ」


どうやら今のをみて宗次と愛風がやる気になったらしい。


渉もやる気は変わらないが、ちょっと肩透かし食らった気分だった。


「名加那さんはどうするっすか」


「え!えと、じゃあ、その、……け、けん、見学、で」


「そうっすか……」


金穂は、と見るとどうやら疲れているらしくいつのまにか用意された白い机と椅子で船を漕いでいた。


読んでいただきありがとうございます、樹純我純じゅじゅんがじゅんです。

小説書くのをあきらめたわけじゃないです。ただとある検定に向けて勉強していたからです。

と、今のパートがあまり書きたくないっていうのもありました。

けれど今度こそ週一くらいで定期投稿できればなと思ってます。

気に入っていただけたらコメント、ご指摘お待ちしてます。


わざわざ最後まで読んでいただきあらがとうございました。では。

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