トレーニング
8か月になったぼく、まだな~んにもできない。
姉たんの通ってるアジリティのレッスンに一緒に同行した。
それは遠い遠い、車ではるばる8時間、日本を横断した反対側
そして、ぼくのママの居る所。
ママに会いたかった。
ママに近づくと、睨まれて、唸られた。
『えっ?なんで・・ママでしょ、
匂いは確かにママなのに・・・もう忘れちゃったの?』
ママに触ることもできなかった。
『ぼくが、大きくなったから、わからなかったのかな?』
なんだか寂しかった。
姉たんがハードルやトンネル、スラロームや歩道橋をママさんの指示でどんどんこなしていく。とってもと~っても楽しそうだ・・
ぼくは、姉たんにくぎ付けだった。
いよいよ、ぼくの番がやってきた。
先生が・・「リードを外せますか?」「呼んだら戻ってきますか?」
ママさん・・「家では来るけど、ここではどうかしら???」
そんな会話が聞こえた次の瞬間「カチッ」ってリードが外された。
わ~い、姉たんがやってたのやりたかったんだ~・・
ぼくは、トンネルやハードルの周りを飛び跳ねて走り回った。
ママさんが呼んだのも聞こえなかった。
先生・・「アジリティは犬を放してトレーニングするものです。呼んで戻ってこないとトレーニングできませんよ。」
「外ではロングリードは必ずつけて、トレーニングしてください。」
この会話の後、家に帰ってから、グランドでも公園でもぼくには、リードがくっついていた。
最初、ママさんが呼ぶと、ちょっと待ってって前みたいに思っていた。
でも、思い出して戻ると、と~っても誉めてもらえて、おやつももらえて、ボールで遊んでもらえた。
ぼく、だんだん、戻ることが楽しくなってきた。
待つことや、ハウスも覚えたよ。
ハウスなんて、おやつの為なら、すぐに、ぼくは飛びこむのさ。
なんたって、育ち盛り、いつでもお腹がすいてるんだもの・・・。