表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/30

17話 日本の将来を憂いて李斯(中国始皇帝:戦略家)と弘法大師が論争したら

日本の経済停滞をもたらす主な原因(優先度順・解説つき)

1.人口構造の変化に社会がついて行けていない(医療費が大赤字)

 高齢化が急速に進み、働く世代が減る一方で、医療・介護など社会保障費が膨らみ続けている。

 その結果、国家の財政は赤字が拡大し、社会の仕組みが時代の変化に追いつけていない。


2.イノベーションの停滞・新産業の不発

 世界水準の新産業(AI・IT・バイオ・EVなど)で主導権を握れず、製造業依存体質から脱却できていない。


3.既得権・規制の多重構造

 業界団体・役所・地方自治体による旧来型の規制や利権が改革を阻み、産業の新陳代謝を妨げている。


4.企業経営の保守性・意思決定の遅さ

 終身雇用・年功序列・合議制によるリスク回避型経営が、スピードや柔軟性、変革意志を大きく損なっている。


5.デジタル化の遅れ・IT人材不足

 社会全体のデジタル化が他国に比べて大きく遅れ、IT人材の育成・登用・待遇も世界水準に届いていない。


6.中小企業の多すぎる維持政策

 産業淘汰を避けるために零細・非効率な企業も維持され続け、全体の生産性が上がらない(いわゆるゾンビ企業問題)。


7.労働市場の硬直性・流動性の低さ

 転職・副業・解雇規制の厳しさが新陳代謝を阻み、「失敗しても再挑戦できる社会」が作れていない。


8.教育改革の遅れと英語・デジタル格差

 クリエイティブ人材や国際人材の育成が不十分で、国際競争力を損なっている。


9.都市と地方の格差・過疎化

 東京一極集中と地方衰退が共存し、国内での需要や人材分布が最適化されていない。


10.政治の長期的戦略不足・世代間対立

 選挙対策優先で将来世代への投資や抜本改革が遅れ、財政悪化と社会分断も進行。


異次元カフェ:李斯と空海が日本の将来を憂いて白熱でかたりあった。

李斯りし

「この国が停滞しているのは、ルールが甘く、責任もはっきりしないからだ。

“みんなで仲良く”なんて言ってるから、やる気もない者がのさばる。

本当に変えたければ、できる人間を抜てきし、失敗には容赦なくペナルティ。

そうすれば、無駄な甘えも消え、必ず前に進む。」


空海くうかい

「あなたは“できる人”しか見ていない。

みんなの気持ちやつながりを切り捨てて、ほんとうに大きなことが動くでしょうか。

ルールばかりで縛れば、人は恐れて黙ってしまう。

“心が響き合う場”を作らなければ、どんなに器を磨いても、中に光は生まれませんよ。」


李斯:

「きれいごとだな。

“心が大事”なんて言っても、結局誰も責任を取らず、結果も出ない。

夢や思いに頼るのは、現実から逃げているだけだ。

俺なら、才能を見抜き、すぐ行動できる仕組みを作る。

それができなければ、国も会社も滅びる。」


空海:

「あなたの“仕組み”は、すぐれた人だけの国を作るでしょう。

でも、残された多くの人の心は、冷たく固まってしまう。

どんな才能も、まわりの支えがあってこそ伸びるのです。

“誰もが思いを語れる場所”がなければ、新しい火はつきません。」


李斯:

「火をつけるには、まず薪を集め、ルールを決めて一気に燃やすことだ。

“思い”にこだわって何も変わらないまま、時間だけが過ぎるのは無駄だ。

お前のやり方では、日本はますます沈む。」


空海:

「あなたの火は、たしかに燃えるのが速いでしょう。

でも、すぐに燃え尽きてしまう。

私が作りたいのは、ゆっくりでも絶えずあたためる“炉”のような場です。

みんなが集い、語り合い、次の知恵を生む――

そういう“ぬくもり”が、時代を変える根っこになります。」


李斯:

「ぬるい炉で世界に勝てるか?現実はそんなに甘くない。

やる気のない奴を切り捨ててこそ、本物のイノベーションが生まれる。」


空海:

「あなたが切り捨てる“弱さ”の中にも、未来を照らす種が眠っています。

強さだけを追い求めて、本当に大切なものを見失わないでくださいね。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ