私はみーこ
ある日、車に轢かれた。
痛くて、動けなかった。
お友達が、私のために鳴いてくれた。
鳴き声に釣られて、男の子がボロボロの私を見つけた。
いつも学校の登下校の時、私を撫でてくれる男の子。
「みーこ、どうしたの、みーこ!」
男の子は私を抱き上げて駆け出した。
動物病院、というところに連れてきてくれた。
私は痛み止めとやらのおかげで、大分楽になった。
それから、色々な検査とやらを受けた。
それから、色々な予防接種とやらを受けた。
避妊手術なるものも受けた。
そして、男の子のお家にお邪魔することになった。
外には出してもらえなくなったけど、温かな寝床と美味しいご飯が毎日用意されていて。
お水も美味しいし、男の子は私のお兄ちゃんになってくれた。
お父さんとお母さんと、それから遅れて妹も出来た。
毎日が楽しくて、平和で。
いつのまにかお兄ちゃんがお母さんの背を越して。
いつのまにか妹も大きくなって。
いつのまにか、体が重くなって。
いつのまにか、みんなよりひと足先におばあちゃんになった。
「みーこ、みーこ」
「にゃあ」
「可愛いね、みーこ」
おばあちゃんになったけど。
みんなにとって、私はいつまでも「可愛いみーこ」。
だからね。
ひとつだけ約束。
最後までずっと、隣にいてね。
ここまでお付き合い頂きありがとうございました!
楽しんでいただけていれば幸いです!
お猫様は我々にとって、最上級の癒しであり家族ですね。
流れる時間の速さも同じになれば良いのに。
けれどその儚さまで含めて、お猫様は尊いのでしょうね。
ここからは宣伝になりますが、
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