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#9「育子、爆発!」

9話です。

 今日、防子は研究所の手伝いの日だ。研究所では主に新たなアリツフォンやアリツタブレットの開発。最近は超戦士の資格者を見つけ出す「アリツレーダー」の開発も進めている。

 開発は主に博士と研究員が、二人はその間の雑用である。一応、博士や未央理、防子の他にも研究員は何人かいる。

 以前は博士と旦那が開発しており、二人の研究員が手伝いをしていたが、カテラスの襲撃に遭い、旦那がその時に犠牲となってしまった。場所を移し現在に至る。


「二人共若いのに、分部博士の開発の手伝いさせてごめんよ。」


 中年の男性研究員が話しかける。それに防子は答える。


「いえ、私も仕事がもらえて助かってます!博士には感謝していますので、全然大丈夫です!」


「未央理ちゃんもオペレーター大変でしょ、拳也くんも研究所の手伝いはしないし。」


 今度は中年の女性研究員が、未央理に話しかける。


「でも、アリツフォンにカテラスのサーチ機能も搭載されましたし…最近のカテラスも不明な種類が多くなったのでオペレーターはほとんどやってませんよ。後、お兄ちゃんは一応仕事はしているので、あんまり悪く言わないで下さい。」


 そんな話をしている内に仕事は進んでいき、終業時刻になり、二人の研究員は帰宅した。防子は未央理に質問をした。


「未央理ちゃん、この研究所の資金はどこから来てるの?」


「お母さん、たまに企業の開発の手伝いをしているの。後は実家からの仕送りかな。」

 

「えっ、仕送りなんてあるんだ…でも博士って四十代だよね?」


「そうなんだよね~」


「でも、いいな~ウチの親とは全然違うよ~。」


「…比べるのはやめようよ。」


 翌日—

 由人と防子は、分部邸の警備をしている時、環助に質問をした。


「環助さん、育子から聞いたんですけど、屋敷から博士にお金を仕送りしてるって本当ですか?」


「はい、そのように聞いています。」


「なぜ、仕送りをしているんですか?」


「旦那様、つまり彩恵花さんのお兄様の命により仕送りをしています。きっと妹である彩恵花さんを心配しているのでしょう。」


 二人は話を聞いた後、外警備に就く。四十代、それに企業の手伝いがあるのなら仕送りは必要ないように思えるが、カテラス襲撃の件もあるので心配するのも無理はないだろう。旦那を失ったなら尚更だ。

 その時、アリツフォンから警告音が鳴る。カテラスの襲撃だ。二人は急いで現場に向かう。

 現場にはカテラスは見当たらず、そこには家が破壊された後があり、破壊された家の前には一人の少女が涙を流していた。

 その少女は文幸の幼馴染である、体山育子(ていざんいくこ)だった。


「君は確か、文幸君の幼馴染の育子ちゃん?」

 

「あっ…頼りなさそうなお兄ちゃん…」


「いや…まぁ、今はそんな事気にしてる場合じゃないか。」


「いったい何があったの?」


「わ、私の…家が…帰ってきたら…」


 育子の話によると、育子が学校から帰宅したら家はもう破壊されていたらしい。幸いにも家は不在で怪我人や死亡者は出なかった。二人は育子を分部邸に連れて行き、二人はカテラスの捜索を始めた。町中を探し回ってようやく見つけたが、そこには不在の家を爆破しているカテラスの姿が!

 二人は人気(ひとけ)のいない所に移動する。

 アリツフォンにアリツチップを装填する。


[Weapon IN]

[Defence IN]


待機音がなり、掛け声を口にする。


「「武着装!」」


[CERTIFICATION]


画面をタップし、二人の体に光が纏い、超戦士アリツウェッパーとアリツシーリアに武着装した!

 二人はカテラスの前に姿を現し、カテラスに言い放った。


「お前か!家を爆破させてるのは!」


「何で家を爆破させてるの!?」


「建物が崩壊する様や砕ける音が好きだからさ❤️」


「あなた、何カテラス!?」


「アタイはボンバーカテラスさ。それじゃ、ここも破壊したし、次の爆破に行くよ!」


「おい、待て!」


 ボンバーカテラスはその場を去って行った。二人は後を追った。ボンバーカテラスはその後も次々と不在の家を次々と爆破していき、追いついた先にはビルを爆破しているボンバーカテラスの姿があった!


「やめろ!人がいたらどうするんだ!」


「安心しな、人がいない建物を選んでるからね。生物を爆破するのは嫌いだからね。」


「誰もいないからって、住居やビルを爆破するのは許されないんだよ!」


「私達が、ここであなたを止めるわ!」


「人間を爆破するのは趣味じゃないけど、邪魔をするなら仕方ないね!」


 ボンバーカテラスは自前の爆弾を取り出す。ウェッパーもすかさずアリツボムを出す。

 二人は同時にそれぞれを標的にして爆弾を投げる。ボンバーカテラスの投げる速さはウェッパーより早く、ウェッパーには命中し、カテラスには命中しなかった。


「は、速い!」


「それだけじゃない、アタイは狙いも正確なのさ。」


 カテラスはもう一発ウェッパーに爆弾を投げる。そこにシーリアが目の前に立ち、アリツバリアーを発動させる。


「防いだとしても攻撃しなきゃ意味がない!お前達はアタイを倒す事はできないのさ!ボ~バッバッバッバ!」


 勝利を確信したボンバーカテラスにウェッパーは言う。


「投げる速さはお前には勝てない、だったら撃てばいいんだ!」


「あ~?」


 ウェッパーはアリツガンを取り出す。アリツガンを撃つと銃口からアリツボムが発射され、カテラスに命中した。


「ボバ!?銃から爆弾が!?」


「博士に機能を追加させてもらったんだよ。まだまだ行くぞ!」


 アリツガンを連射し、アリツボムをカテラスに全て命中させる。


「な、何故そんな正確に…?」


「アリツガンにはホーミング機能が搭載されてるんだよ!」


 ウェッパーはアリツガンにアリツブレイクチップを装填する。


[Break Standby]


「建物だけ爆破するのを好んだり、人々を斬ったり撃ったりするのを好んだり、カテラスっていうのはどうしてこんな極端なんだ!」


トリガーを引き、アリツガンのウェポンブレイクを発動させた。


[Weapon Break]


「ゼイヤーー!!」


 トリガーを引くと特大の爆弾が撃ち出された!


「ちょ、ぼ、ボバーーー!?」


 爆弾が命中し、ボンバーカテラスは爆散した。爆発が大きかったので、多少近辺が揺れ、ガラスに周囲の建物のガラスにヒビが入ってしまった。

 二人は急いで屋敷に戻る。幸いにも今回は誰も二人がいなくなった事には気づかれなかった。

 屋敷の中に入ると文幸と育子の姿があった。


「聞いたよ、育子ちゃんの家が爆破されて、それで二人がここに育子ちゃんを連れてきてくれた事も。」


「はい、そうです。」


「育子ちゃんはどうするの?」


「育子ちゃんとその家族は次の家が建てられる間、ここに住ませる事にしたよ。」


「ごめんね…文幸君…」


「いいんだよ。こんな時、いや、困った事があったらいつでも頼ってよ。」


「文幸君…ありがとう…。」


 その様子を二人は静かに見守る。


「いいね…こういうの…」


「俺達にもいつでも頼ってくれ!」


「いや、由人はちょっと…」


「でも、私を連れてきてもらった時は頼りになったから大丈夫だよ、文幸君。」


「ふ、ふぅん、育子ちゃんがそう言うならいいけど…」


「まぁ、育子ちゃんもこう言ってるから、文幸君もおれを頼ってよ!」


「わ、分かったよ。全く調子がいいんだから…」


 由人に呆れながらも文幸は、由人の事も頼りにするようにしていた。育子も最初は頼りなさそうだと思っていた由人を信用するようになっていた。

 育子とその家族はしばらくの間、分部邸にお世話になる事になったのだった。

研究員の名前決めてない…

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