#7「二輪と四輪」
7話です。
アリツシーリアとなった壁玉防子は、分部研究所に来ていた。防子は分部博士に改めて挨拶をしていた。
防子はほぼ母親のせいで仕事を失ってしまい、そこで博士は由人と同じく、実家である分部邸の警備を紹介した。それと交互に研究所の手伝いをしてほしいと提案した。
「日によって交代でやって欲しいんだけど…お願いできる?」
「はい!任せて下さい!」
そのやり取りの様子を由人と拳也は見守っていた。
「良かったね。防子」
「ここの手伝いもしながらなんて大変だな~。」
「いや、拳也さんがやらないからじゃ…」
「じゃあ、明日からよろしくね~」
「はい!頑張ります!」
**
翌日—
防子は由人と共に、分部邸で働く事になり、分部邸の執事長に挨拶をしていた。
「初めまして、分部博士の紹介で警備を担当することになった壁玉防子でふ!」
(噛んだ…)
「…よろしくお願いします。」
「彩恵花さんからお聞きしました。私は執事長の大類環助です。」
環助はメイド長代理の大類桃江の弟で、姉同様に真剣な表情印象でロングパーマのオレンジカラーの執事長代理だ。普段は二人の父親が執事長をしている。年齢は三十五歳。
「仕事の方は、由人さん。防子さんにご教授して貰ってもよろしいでしょうか?」
「分かりました。」
「では、お願いします。」
「よろしく!由ちゃん!」
仕事に入る前に、文幸にも同様に挨拶に行った。すると文幸は防子に疑問を問いかける。
「…由人とはどんな関係で?」
「幼馴染です!」
「…二人はお、お付き合いとか…してたり…する?」
「い、いやいや//そ、そんなことない…です//」
「—?」
「そ、そうですか…まぁ由人よりは頼りになりそうだから、期待してるよ!」
「あ、ありがとう!文幸君!」
「ねぇ、文幸君…前から思ってたんだけど、俺、そんなに頼りないかな?」
「…まぁ最初の時より、ほんの少しは頼りになったかな。」
「…!そっか!」
「で、でも!まだまだだからね!もっとちゃんとしてよ!」
「あ、うん…ごめん…」
そして、文幸は学校へ登校していった。高級車で登校していく様を見て、防子は驚いていた。
「…文幸君に頼りなく思われてるんだ」
「拳也さんと比べられたらね…」
由人は防子に仕事の説明をした。一通り説明して防子は仕事内容を理解した。
「屋敷内外を警備すればいいんだね。不審者がいれば使用人の人を呼んで確認して、警察に引き渡すせばOKって事だね?」
「そんな感じ」
「不審な人物っているの?」
「少なからずね」
「そうなんだ~」
**
一方その頃—
町では、怪人が悪事を働いていた!
「二輪車と四輪車達よ!人間共を襲えー!」
怪人が特殊な音波を放つ。すると、周囲の車や自転車、バイクが人間に攻撃をし始めた!
「わ~~!」
「た、助けてー!」
「カ~カッカ!苦しめ!苦しめ!」
**
そして、屋敷では二人のアリツフォンからブザーが鳴り、画面に敵の居場所を示すマップが表示される。
「コレってカテラスが現れたってこと!?」
「ああ、そうみたいだ!行くぞ!」
「でも、仕事は!?」
「今、外警備してるだろ?カテラスが現れたら、いつもその隙に抜け出すんだ!」
「そ、それは…何とも…都合がいいね…。」
「そうじゃなきゃ、出動できないんだ!という訳で行くぞ!」
「わ、分かった!」
そして、怪人は文幸を乗せた高級車に目を付けていた!車には文幸の他に桃江、運転手が乗っている。そこに怪人は特殊な音波を放った!
「行け!町を破壊しろ!」
そして、車は勝手に動き始め、速度が上がり始める!
「運転手さん!急にスピードが!」
「勝手に動き始めて、操作が聞きません!」
「無効に人が!このままだとぶつかる!」
「「「うわーー!」」」
その時、二人の超戦士アリツウェッパーとアリツシーリアが現れる!
ウェッパーは轢かれそうな人を避難させ、シーリアは車を正面から抑え、高級車を止める。そして、スピードが徐々に減速し、高級車は止まった。
「大丈夫ですか!」
「あ、ありがとうございます(涙)」
「た、助かった~…」
「あ、あの、もしかして緑の御方のお仲間の方ですか?」
「えっ?」
「シーリア!車は!?」
「由…じゃなくて、ウェッパー!車も中の人達も無事だよ!」
「良かった!みなさん、今の内に安全な所へ!」
「ありがとう!赤と青のヒーロー!桃江、運転手さん、行こう!」
「行きましょう!」
「あっ…」
文幸達は、安全な場所に避難した。
「車やバイクを人々に襲わせてるのはあなた?」
「俺はカーバイカテラス!二輪と四輪車を暴走させ、人間共を轢き殺しているのさ!」
「また探し物か?それとも、ただ破壊衝動を抑えられないだけか?」
「どっちもだぁ!」
カーバイカテラスはそこら辺に止めてある複数のバイクに二人を襲わせる。
「アリツハンドが使えれば、両手で二台止められるんだけどなぁ…」
二人は二台のバイクを止める。ウェッパーはアリツボムを出し、カテラスに当てる。
「バッ!?てめぇ!よくも俺様に爆弾なんて当てやがったな!」
カーバイカテラスは四台の車を操り、二人を交差に挟み撃ちに轢かせようとする。
「これなら止める事も、避ける事もできん!二人まとめて轢かれ死ね!」
四台の車が二人を襲う。
「カッカッカ!これが交通事故と言う奴だ…少々過激だったかな~?」
しかし、シーリアとウェッパーは、球体上のバリアーに包まれていた!
「なっ!?バリアー!?」
「これもシーリアの能力の一つ、アリツバリアーよ。」
「そして、喰らえ!」
ウェッパーはアリツガンを連射し、カテラスを弱らせる。ウェッパーはシーリアにトドメを指すように指示し、シーリアはアリツフォンにアリツブレイクチップを装填する。
[Break Standby]
待機音がなり、画面をタップする。
[Defence Break]
アリツバリアのディフェンスブレイクを発動させた。しかしなにも起こらない。
「カーッカッカッカ!何も起きないじゃないか!」
大笑いをしているカーバイカテラスに指を指す。するとバリアはカテラスに向かっていき、バリアはカテラスに命中した!
「カー!?バリアが突然俺に向かって!?これが衝突事故って奴かーーーーーーー!?」
カーバイカテラスは爆散した。
町はめちゃくちゃにされたが、町の事は国に任せる事にして、二人は急いで屋敷に戻る。
すると、文幸達が帰ってきていた。
由人達はさっき起こった事は知らないフリをして、文幸達に話しかける。
「おかえり~文幸君…ってどうしたの?」
「あっ、由人。今日は大変な目にあってさ、車が急に動いて事故になりそうでさ。」
「そ、そうでしたか」
「でも、赤色と青色のヒーローっぽい人達に、助けられて間一髪だったよ~。」
「緑の御方について聞きたかった…。」
「次会ったらお礼言わないとね!」
「そうですね!すごく喜ぶと思います!✨」
防子はさっきの事を褒められて、調子を良くした。
(調子に乗らない!)
(だってぇ~嬉しいもん❤️)
「おかえりなさいませ。坊ちゃん、姉さん。」
そこに環助がやって来た。環助は文幸から今日会った事を聞き、環助は二人の安否を確認した。
「そんな事が、お二人共ご無事ですか?」
「大丈夫よ。環助。緑の御方の仲間の方が助けてくれたので。」
「お仲間がいたのですか、一度会ってみたいですね。」
「えぇ…本当に…」
「それにしてもお二方、しばらく姿が見えませんでしたが、何かありましたか?」
すると防子は、次のように答える。
「そ、それは由ちゃんが急にお腹の調子が悪くなっちゃって!」
「ヴェ!?」
「それで、私はその面倒を見てました!」
「由人、またぁ~?鍛えた方がいいって言ったでしょ!そんなにお腹を壊すなら、病死行くよ!」
「いえ!大丈夫です!」
二人は怪人を倒したが、文幸は由人をますます頼りなく思うのであった…。
敵が過激になりがち…
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次回は来週の日曜日更新です。