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#17「自分が嫌な事は人にしない方がいい」

17話です。

 今日も能野町の中心にある噴水が噴き出している。

 そんな町のシンボルである「能野噴水」は、待ち合わせの定番スポットになっており、今日も住人の待ち合わせ場所として使われるだろう。

 町にやってきて数ヶ月、すっかりこの町に馴染んだ壁玉防子もこの能野噴水をすっかり待ち合わせ場所と認識している。今日もその噴水で誰かと待ち合わせをしている。すると防子の元に一人の女性がー


「お待たせ〜防子ちゃん。」


「私も今来たばかりだから大丈夫だよ。未央理ちゃん。」


 待ち合わせ場所にやって来たのは、分部未央理だった。未央理とは一緒に仕事をするようになってから、気が合う関係になり、時間が合ったら一緒に出かけたいと前々から約束しており、そして今日がまさにその日なのだ。


「でも、防子ちゃん良かったの?カテラスとの戦いで疲れてるじゃない?」


「未央理ちゃんだって、開発の手伝いしてるでしょ。お互い様だよ。それに私、未央理ちゃんと遊びの楽しみだったし。」


「そんな事言ってくれるなんて、嬉しい//...じゃあ今日は楽しまなくちゃね!」


「そうだね!それじゃあ早速ー」


「あっ!防子じゃん!」


 突然、一人の女性が防子に声を掛けてきた。


「えっ?...ゲッ...烈火ちゃん...」


「へ〜こんな所で会うなんて、すごい偶然じゃ〜ん。...今、ゲッって声が聞こえたような気がするんだけど?」


「き、聞き間違いじゃない?」


「防子ちゃん、知り合い?」


「あ、うん...高校の時の同級生。」


 防子に話し掛けてきたのは、高校時代の同級生である川海 烈火(せんかいれっか)。防子より少し身長が高めだが、見た目は全体的にふっくらしていて、愛嬌のある顔をしている。服装も露出が多めであり、アクセサリーもかなりの数を身につけている。烈火は未央理に挨拶をする。


「どうも〜防子の親友の川海烈火で〜す。ヨロシク〜」


「よ、よろしく...」


(親友なの?)


(...いえ、烈火ちゃんが勝手に言ってるだけです...)


 烈火は、二人の事を巻き込んで、強引にある場所に連れていった。

 連れて来たのは、町のゲームセンターである「NOUYA GAME」。三人は中に入り、早速リズムゲームをプレイする。


「どっちが多くスコアをとるか勝負して、勝ったらなんか奢れよ!防子!」


「...すぐそうゆう事言うんだから...」


 防子の有無を聞かずリズムゲーム対決はスタートされた。そのリズムゲームも定番の太鼓を叩くリズムゲームだ。防子はこのゲームを昔、夢中になっていた時期があり、昔より腕は落ちているが一般的には十分に上手な部類だ。烈火も負けてはいないが、防子には一歩届かず、リズムゲームの対決は防子が勝利した。


「ふん!これで勝ったからっていい気になるなよ!次の対決で絶対負かすから!」


「やっぱり...何となくそうなると思ってたよ...」


 次に烈火はシューテングゲームで勝負を持ちかけた。ゾンビ物のゲームで、これもさっきと同様に多くスコアを取ったほうが勝ちというルールになった。といってもこれは二人で協力しなくてはいけないのである。

 烈火はシューテングは得意であり、防子は逆に苦手であった。


「ほら!そこにまだゾンビいるじゃん!ああ、もう!そこにもいるじゃねーか!早く撃ち殺せよ!ヘッタクソだな〜!」


(うるさい...)


 防子のプレイを見て、烈火はつい口出しをしてしまう。そして烈火の実力には及ばず、シューテング対決は圧倒的な点差で烈火の勝利となった。


「勝ったー!はい雑魚ー!というわけで昼飯奢れや!防子!」


「えっ...でも一勝一敗じゃ...」


「まぁまぁ、防子ちゃん。ここは私が奢ってあげるわよ。」


「うん...ごめんね...。未央理ちゃん...」


「マジっすか!?ゴチになりま〜す!」


 三人は外に出て、NOUYA GAMEから少し離れた所にあるファミリーレストラン「NOUYA RESTAURANT」にやって来た。テーブル席で未央理は一人、防子と烈火は隣同士で座った。防子はオムライス、未央理はパスタ、烈火はステーキとパフェ、そしてドリンクバーを注文した。


「烈火ちゃん、少しは遠慮したほうが...」


「いいのよ、防子ちゃん。せっかくの友人だし。」


「そうそう。ミオリッチも、こう言ってる訳だし〜」


(ミオリッチ...)


(勝手にあだ名まで付けてるし...)


 すると、防子の携帯から受信音が鳴った。


「おっ?メール来てんじゃん?見せろよ」


「あっ!ちょっと!?」


 防子の携帯を無理矢理奪い、メールの内容を確認する。


「送って来たのは、由ちゃん...って誰だっけ?」


「誰って、私の幼馴染だよ。烈火ちゃんとも同じクラスだったでしょ?」


「あ〜!あの陰キャそうな奴か〜!確か武響由人だっけ?あいつ学校終わったら、すぐ帰ってたから友達、防子以外いなそうだよな〜!」


 烈火の言葉を聞き、防子は嫌な気持ちになると同時に心の底から怒りが込み上げたが、防子はぐっと押さえ込んだ。


「え〜っと、「未央理との出掛けは楽しんでるか?」だってさ!」


「読み上げなくていいじゃん!」


 そんな会話をしていると注文した三人分の料理がテーブルに揃い、昼食を食べ始めた。三人共黙々と食べている。


(人の料理を無理矢理食べて来そうな感じするけど、そんなことはしないのね...)


 未央理が心の中で思っていると、今度は烈火の携帯から受信音が鳴った。


「あっ、メールだ!」


 烈火がメールを確認している横で、防子はチラッと烈火の携帯に視線を向けるとー


「おい!何勝手に見てんだよ!見んじゃねーよ!殺すぞ!」


(そっちは勝手に見た上に読み上げたくせに...)


 未央理の奢りで料理を食べ終えた三人は、再びNOUYA GAMEにやって来て、クレーンゲームをやることにした。防子が上手く商品が取れない様子を烈火は携帯で動画に残していた。


「烈火ちゃんまた勝手に動画撮ったの?」


「いいじゃねえか!防子のかわいい所を見返せるようにさ」


「二人共楽しそうだね!私まで楽しくなっちゃうかも!」


 未央理もそんな二人の微笑ましい様子を動画で撮っていた。


「もう...未央理ちゃんまで...恥ずかしいよ//」


「ごめんごめん、二人の楽しそうな所をつい残しておきたくてー」


 すると烈火は、未央理の元に駆け寄ってくる。


「ミオリッチさ〜勝手に動画撮るのやめてほしいんだけど...」


 未央理は烈火の言われた言葉にキョトンとしてしまう。


「アタシ、勝手に動画撮られるの嫌いなんだよね...だから今すぐ消してくんない?」


「えっ、でも烈火ちゃんも撮っー」


「消して」


「...はい」


 未央理は動画をすぐに削除した。


「削除したホルダーにもまだ残ってるっしょ?完全に消して。そして二度とアタシのコト勝手に撮らないで、分かった?」


「...はい...ごめんなさい」


 烈火に念を押されて、完全に動画を削除した未央理。

 三人は店を出た。


「なんか汗かいちゃったね。」


「じゃあ、銭湯に行ってさっぱりしよっか!」


「あぁ、それは...」


「嫌だよ!同性にアタシの裸なんか見せたくねぇ!」


 銭湯に行こうと提案すると烈火は強く否定した。


(裸を見せたくないなんて、恥ずかしがり屋な面があるんだね)


 すると、町の向こうから悲鳴が聞こえた。それと同時にアリツフォンから警告音が鳴る。


(未央理ちゃん...)


(カテラスね...)


「おいおい!事件か!行こうぜ!」


「え?...あっ!烈火ちゃん!?」


 烈火に付いていくように、二人も悲鳴の現場に向かう。現場は町の銭湯である「能野銭湯」だ。そこから、巨大な石鹸から手足が付いているカテラスとルオマーが銭湯の中から姿を現す。姿を現した瞬間、周囲の人々は逃げ出した。


「よし、カテラストーンは回収した。後は任せるぞ、ソープカテラス!」


「ええ、お任せ下さい、ルオマー様。」


 ルオマーはワープを使い、その場から姿を消した。

 カテラスの姿を見て、烈火はソープカテラスに近づいていく。


「おい、そこの石鹸!口調からしてメスか〜!」


「ちょ!烈火ちゃん!?」


 その姿を見て驚く未央理。すると、ソープカテラスは自身の手から石鹸を飛ばす。石鹸は烈火の右頬に当たり、烈火は気を失ってしまった。


「未央理ちゃん!烈火ちゃんを連れて遠くへ!」


「...頑張ってね、防子ちゃん...」


 未央理は烈火をおんぶして、逃げていった。

 防子は、アリツフォンにアリツチップを装填する。


[Defence IN]


待機音が流れ、掛け声を掛ける。


「武着装!」


[CERTIFICATION]


画面をタップすると、防子に光が纏い、アリツシーリアに武着装させた!

 ソープカテラスは、両手で石鹸を飛ばして先手必勝を仕掛ける。シーリアはアリツバリアを発動して防ぐ。


「まぁ、防がれると思いましたよ。ならこれはどう!」


 ソープカテラスは自身を擦り始め、泡を出し、それをシーリアに向けて飛ばす。するとシーリアは滑ってしまい、地面に倒れてしまう。


「体がぬるぬるして立てない...」


「これで、満足に立つことは出来ない!...これでトドメよ!」


 ソープカテラスは自分の体を滑らせ、そのままシーリアに垂直に滑って、突進してくる。

 シーリアが思わず目を瞑ってしまったその時!何者かがシーリアの目の前で倒れ込んで待ち伏せし、自身の頭をソープカテラスに衝突させた。


「イったあい!」


「大丈夫かい?防子ちゃん?」


「拳也さん!」


 現れたのは、拳也ことアリツシャーマだった。アリツヘッドで自身の頭部を強化し、マーシャルアーツブレイクを発動し、滑って突進してくるソープカテラスに衝突させたのだ。


「未央理に呼ばれてな、よし、弱っている!行け!シーリア!」


「はい!」


 シーリアはアリツハンドを発動し、アリツフォンにアリツブレイクチップを装填する。


[Break Standby]


待機音が流れ、画面をタップする。


[Defence Break]


 ディフェンスブレイクを発動し、自身の手が最大限まで強化され、右手を一旦引き、力一杯前に出しソープカテラスの身体に渾身のパンチが入る。


「ソパァァァァァ!?」


 ソープカテラスにの身体に拳一個分の穴が空き、ソープかテラスは爆散した。


 **


 拳也はいつの間にか、いなくなっており、防子は未央理の元に駆け寄った。


「あれ?アタシいつの間に寝てたんだ?」


「あ、起きた。」


 気を失っていた烈火が目を覚ます。


「もうこんな時間だ。じゃあ、アタシ帰るわ。じゃあな、二人共!後、時々電話かけるからな、防子!」


「えっ?...うわ!いつの間にかLINEが追加されてる...」


「何だか、勝手な面が多いけど、恥ずかしがり屋な一面もあって、可愛い所もあるんじゃないあの子。」


「でも、烈火ちゃん、彼氏いるんですよ。四年くらい付き合ってる。」


「あ、そうなの...」


「それに、彼氏出来る前は、その、エッチな事を何人かの人と//」


「えぇ...何で同性に裸見られるのが恥ずかしいの...」


 その話を聞いた未央理とそれを話した防子は、烈火の事について理解に苦しむのであった。

誠に勝手ながら、ここで連載を終了します。

設定等をそのままにストーリーを作り直します。

タイトルも変えるかもしれません。

新たに、書いたものをまた見ていただけると幸いです。

ここまで読んで下さった皆様、本当にすいません!

そして、本当にありがとうございました!

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