#15「擬人態」
15話です。
分部博士が、アリツフォンから由人と防子に通信をしてきた。アリツタブレットに新機能を追加したとのこと。
防子はアパートの隣の由人の部屋に移動し、話を聞く。
「タブレットの右上にPERSONNIFICATIONの文字があるから、それをタップしてね。」
[PERSONNIFICATION]
博士に言われ二人は文字をタップすると、音声と共にタブレットが光り、人の姿に変化していく。
由人のタブレットは赤髪の大人びた長身な二十代風の女性、防子のタブレットは青髪の小柄だがしっかりした体つき二十代風の男性に姿を変えた。服装はどちらもパーソナルカラーの全身タイツだ。
「私はポアスです。よろしくお願いします。」
「えっ?名前あるの?」
「俺はバドルだ。よろしく。」
「あっ、よろしくお願いします…」
二体の擬人態は名乗り、名前は事前に決めてあるようだ。分部博士は二体に何かしらしてみせてねと言った後に通信を切った。
由人はポアスに対して、質問する。
「何が出来るの?」
「そうですね、人並みの事は出来ます。」
「そっか。じゃあもうすぐ昼食だからなんか作ってくれる?」
「承知しました。」
同時に防子はバドルに命じた。
「じゃあ、あなたは私の部屋を掃除してもらっていい?」
「おう!いいぜ!」
(なんか体育会系みたい…大丈夫かな?)
**
数分後ー
ポアスは由人の言いつけ通りに料理を用意した。白飯に豆腐とわかめの入った味噌汁、そして回鍋肉を防子も数に入れて、二人分を用意してみせた。
料理のも手際が良く、材料を切るのも、炒めるのも全てこなした。味の方も、主婦が作った物と遜色が無いくらいの美味であった。
バドルの方も防子の部屋を、隅々まで埃一つ無いくらい、完璧に掃除して見せた。
「驚いたな...本当に出来るとは...しかもどちらも完璧だし...」
「普通の人とそう変わらない...というか...こっちが負けた気分になるよ...」
その時、分部博士から再び通信が入る。
「お二人共、渡したい物があるから研究所に来てね!」
分部博士はそう言い残し、通信を切った。結局行かなくちゃなのかと思いながら二人は二体の擬人態をタブレットに戻して研究所に向かった。
**
研究所に着いて、研究所の前には拳也の姿があった。
「ようやく来たか、お二人さん。」
拳也の隣には、緑髪の脚線美が目立つ緑色のメイド服を着た十代風の女性がいた。防子は拳也に問う。
「もしかして、その人は!」
「その通り!俺のタブレットの擬人態だ!」
「初めまして!タブレット擬人体のルツアです!よろしくお願いします!由人さん!防子さん!」
「私達の事、もう知ってるんだ!」
由人も拳也に質問する。
「何でメイド服?」
「擬人態は服装を自由に変えられるからな!俺の個人的な趣向で選んだのさ!」
「あっ...そうですか...(擬人態だけども十代にこんな格好させるって...)」
そんな話をした後、二人は研究所の中に入り、分部博士の話を聞くために所長室に向かう。
所長室に入るなり、分部博士は早速ある物を渡した。それはアリツブレイクチップだった。なぜ、もう一枚渡すのかと聞いたら、必殺技が同時に出せたら、戦略の幅が広がるからとの事。特にアリツウエッパーは顕著だ。
二人は分部博士に質問した。
「何で擬人態の性別は、資格者の異性何ですか?」
「異性への耐性を付けるためですね〜。拳也は平気何ですけど、お二人はどうですか〜。」
「確かに、由ちゃん以外の男の人だと萎縮してしまうかもしれないですね。それに恋人もいた事ないですし//」
「でも、拳也さんとか環助さんとかには普通に話してなかった?」
「あれは...由ちゃんと関係ある人だったからだよ。」
「まぁ、俺は平気だけどな!」
突然、所長室に入ってきた拳也は聞いてもいない事を答えた。
「拳也さんは恋人がいた事あるんですか?」
「無いぜ!それよりも擬人態って大事なモンが付いてないんだぜ!」
「「大事な物?」」
「股間に付いているアレさ!」
拳也の言葉を聞き、二人はタブレットを擬人態にし、タイツのウエスト部分を引っ張り、その中身を確認する。
すると、普通の人間には存在するはずにソレは無かった。
「普通の人間とは違う所はあるかもしれないと思ってはいたけど...ココの部分とは...」
「何か...変な感じがするね//...。」
すると、アリツフォンから警告音が鳴り響く。
「カテラスか...行くぞ!」
「擬人態は戦闘でも役に立ちますから試してみて下さいね〜。」
三人は現場へと向かった。
**
現場の町中では、岩石が降り注いでいた。近くには山は見当たらないにも関わらず、岩石は降ってくる。
「わぁぁぁぁ!」
「助けて!」
人々は逃げ惑っている。
「ウオォォォォォ!」
町中の中央には、岩石に手足が付いたカテラスが立っている。
「あいつか...前のストーンカテラスよりでかいな...。」
「じゃあ、あいつはストーンカテラスか?」
「とにかくやっつけるよ!」
三人はアリツフォンにアリツチップを装填する。
[Weapon IN]
[Defence IN]
[Martial Arts IN]
待機音が鳴り、三人は掛け声を掛ける。
「「「武着装!」」」
[[[CERTIFICATION]]]
画面をタップすると、三人に光が纏い、アリツウェッパー、アリツシーリア、アリツシャーマにそれぞれ武着装した。
ロックカテラスは、三人を狙い岩石を降らせる。
シャーマはアリツハンドを発動し、岩石を次々にパンチで粉砕していく。
その間にウェッパーはアリツガンを出し、ウェポンブレイクを発動し、針弾を発射する。しかし、手足に命中したが、ロックカテラスの力が上回って、針弾が破壊されてしまう。針弾で相手を固定しなければ、エネルギー弾が撃てない。
シーリアとシャーマはロックカテラスに応戦していく中、ウエッパーは二人と距離を離して、後ろの方に移動する。博士の言葉に従い、アリツタブレットを出した。
[PERSONNIFICATION]
タブレットを擬人化させ、ポアスに姿を変えさせた。
「博士が戦闘でも役に立つって言ってたけど、もしかして戦えるの!?」
「いえ、擬人態は普通の人間の身体とは変わらないので、カテラスと戦えるほどの力はありません。」
「じゃあ、何ができるの?」
「タブレットでも、フォン同様の事ができるのは知ってますよね?私達は同一の道具を出して、他の超戦士に渡したり、能力を他の超戦士に移植させる事が出来ます。」
「移植はすごいけど、道具出すのは...」
「道具は同じ物は一つしか出せないんですよ(一部の物を除く)。でもタブレットがあれば、もう一つ出せるんですけど、由人様はタブレットを戦闘の時はお持ちにならないので、知らなかったんですよ。」
「...まぁ戦闘にタブレットはデカいし、持って行かないよ...。」
シャーマとシーリアはロックカテラスに苦戦の強いられていた。
ポアスはアリツガンを出現させる。
「シーリア!来い!」
「えっ!?分かった!」
ウエッパーはシーリアを呼び、ポアスが出したアリツガンを渡す。
ロックカテラスは再び岩石を降らせる。しかし、シャーマがアリツレッグを発動して、キックで次々と岩石を粉砕した。
二人はその間に、アリツガンにアリツブレイクチップを装填する。
[Break Standby]
音声の後に待機音が鳴り、トリガーを引き、二人は四発の針弾...合計八発のエネルギー状の針弾が発射される。
「グゥオ!?」
両手足に二発ずつ命中し、ロックカテラスは破壊することが出来ず、岩壁に貼り付けられる。
エネルギー弾が銃口で溜まって大きくなる。
[Weapon Break]
[Defence Break]
「ゼイアァァァァ!」
「ハイヤァァァァ!」
二発の大きく溜まったエネルギー弾が発射される。
「グウオアァァァァァ!?」
ロックカテラスは二発のエネルギー弾が命中して、爆散した。
**
カテラスを撃破した三人は研究所に戻り、博士に報告した。
「倒しましたけど、擬人態が武器持って戦うことは出来ないんですか?」
「ううん...一般の人と同じなので難しいかもしれませんね〜。」
擬人態は戦闘支援や日常生活に特化しているのだろう。しかし、日常生活は自分が出来ない時やどうしようもない時に頼ろう...と由人は思ったのであった。
擬人態を出したけど、うまく扱える気がしない...
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次回は来週の日曜日更新です。




