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#13「母の教えとその想い」

13話です。

 由人は墓参りをするために、故郷である万部町(ばんぶちょう)の墓地に訪れていた。墓地には線香の匂いが漂っており、それでいてどこか懐かしい匂いも漂っていた。


「母さん...俺は元気にやっているよ。何だか使命を背負われたけど...」


 母である美緒(みお)は癌で亡くなった。美緒は由人のことを常に大事に思っており、自分の事より由人の事を気に掛ける程に由人の事を思っていた。


 **


 二年前ー


『由人...ごめんね...お母さんが病気で、由人に迷惑かけちゃって...仕事も忙しいのに...。』


 美緒は病院のベットに寝ながら申し訳なさそうに答える。自分のせいで、自由な時間がなくなっている事に。


『いいんだよ。母さんが元気ないと、俺も嫌だからさ。』


 そんな美緒の心配を由人は苦にも感じさせないように、爽やかに答えた。

 しかし、美緒にはそれと同時に由人に対して不安も感じていた。


『あなたは周りを頼りにするのは得意じゃないから、私がいなくなったらちゃんと生きていけるか、心配なのよ。それに泣き虫な方だし。


『た、確かに周りに頼るのは今も得意じゃないかもだけど、泣き虫は改善されたよ!』


『だって、あなたってば、学校から家に帰ってくる途中で道端でウンコ漏らして泣いてたじゃない。家の近くだから私が迎えに来て何とかなったけど...』


『それ、小一の時の話でしょ!その時よりは改善されてるに決まってるでしょ!』


『そうかしら?それからも泣いてる事が多い気がするんだけど...』


 美緒は心配そうに言われると、由人は胸がソワソワして不安になる。

 そんな由人を見て、美緒は答える。


『でもね、由人。不安になった時こそ周りに頼ってみなさい。そうすれば、きっと、周りの人達はあなたを助けられると思うわ。当たり前だけど、大事なことだから、それを忘れないでちょうだいね。』


『母さん...』


『不安になったら、防子ちゃんに頼ったりするのよ。』


『いや、防子は頼られる方だと思うんだけど...』


 **


 その一年後に美緒は亡くなってしまった。そんな思い出を由人は母の墓の前で思い出しながら、拝んでいた。


「母さんに言われたこと、これからも胸に刻むよ。じゃあね。母さん。また一年後に。」


 墓の前でそう言い残し、由人はその場を後にした。


 **


 墓参りをした翌日ー

 由人は仕事でいつものように、分部邸の警備をしていた。由人は平和とはこうゆうことを言うのだろうと思うくらい今のところ異常はなかった。屋敷内の警備をしていると、文幸と育子が談笑しながら歩いている姿を目撃し、由人は話しかけた。


「やあ、二人共。ずいぶん楽しそうだね。」


「由人さん!今ね、私達が読んでる小説の話をしてたの!」


「へぇ〜、なんの小説?」


「「床屋の俺が異世界転生!?〜美少女達のヘアスタイルを散髪したら、種族問わずモテモテになった件。〜」だよ!」


「へ、へぇ〜...(確か拳也さんが読んでるやつだ...)」


「僕も環助に薦められて読んでみたんだけど、なかなか面白くてね。」


(意外と流行っているのか...?)


「私も環助さんに薦められたの!散髪をするだけかと思ったら、床屋道具を使って戦ったりー」


(どんな話なんだ...)


 育子が小説の内容を語っている時に、ふと、窓の外を見ると、大勢のメイドや執事達が屋外でなんらかの稽古をしている様子が見受けられた。


「使用人達は外で何をしているのかな?」


「ああ、護身術の稽古だよ。前に怪人が屋敷に侵入した事があるからね。屋敷から追い払えるように、桃江と環助がさすまたを使った護身術を使用人達に教えてるのさ。」


「確かに、覚えていた方が心強いよね!」


「由人も習っといたら?」


「...気が向いたらね。(それでどうにかなるとは思えないけど...)」


 すると突然、アリツフォンから警告音が鳴り響く。


「ごめん!トイレ!」


「あっ!由人さん!」


 由人はすぐさま現場に向かう。


 **


 現場である、とある能野町の空き地に向かうと幹部であるノイターがゴリークと共にカテラストーンを捜索していた。


「ノイター!それ以上、カテラストーンを探すのはやめろ!」


「アリツウェッパー...やはり邪魔しに来たか...スピアーカテラス!」


「...拙者の出番か。」


 ノイターは同行していた、落武者の風貌で槍を持っているスピアーカテラスを由人の前に差し向けた。

 由人はアリツフォンにアリツチップを装填する。


[Weapon IN]


待機音が鳴り響き、画面に表示されているCERTIFICATIONの文字をタップする。


[CERTIFICATION]


タップすると、由人の全身に光が纏い、由人はアリツウェッパーに武着装した。


「では、いざ参る!」


 ウェッパーはアリツフォンを取り出し、アリツスピアーを出現させ、手に取る。

 お互いの槍同士がぶつかり合う。しかし、スピアーカテラスの方が槍捌きは上であった。

 このままではまずい!そう思った由人は、相手の隙を見計らって、渾身の突きを放った。

 しかし、スピアーカテラスはウエッパーの突きを躱し、逆に隙を作ってしまい、スピアーカテラスに突きを放たれてしまい、反撃されてしまう。

 やはり、実力が違う。そう思ったウエッパーは体が震え始め、恐怖心に襲われる。そう思っていると、ノイターが自身の武器であるノイターソードでウエッパーを斬りつける。

 斬りつけられたウエッパーは倒れ込んでしまう。


「ノイター様!これは拙者の真剣勝負!手を出さないで頂きたい!」


「おっと、すまない。隙が出来ていたんでな。」


 スピアーカテラスがそう言うと、ノイターは引き下がる。

 倒れ込んでいるウエッパーにスピアーカテラスは目の前に槍を突き付ける。


「さっきから体が震えているぞ?おとなしくしっぽを巻いて逃げるべきではないのか?」


「そんなことは...できない...!」


「その心意気だけは褒めて信ぜよう...では、その首、もらった!」


 倒れ込んでいるウエッパーにスピアーカテラスはトドメの突きを放った!


防子の母とは大違い...

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