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#1 「単独戦闘」

1話です。

 今、この場は戦士と怪人が戦闘の真っ最中。そしてその戦士は初めての単独での戦闘。

 視線の先には、全身が石の形をした怪人が戦士を睨みつけている。

 戦士は攻撃を仕掛けてはいるが、攻撃が通っている通っている手ごたえは感じていない。

 戦士はアリツソードという名の剣を取り出した。その瞬間、怪人は戦士に突撃を仕掛けてきた。


「グゥアアアアアア!」


 怪人の唐突な行動に戸惑ってしまい、戦士は剣の先を怪人に向けた。

 そして剣は怪人の体に突き刺さり、勝機が訪れた。俺は、チップを取り出しアリツソードに装填し、剣に付いているトリガーを引いた。


[Weapon Break]


 音声と共に、俺は剣を押し込んだ。そして剣は怪人の体を貫き、全身にヒビが入り、怪人は爆散した。


「な、何とか勝てた…。」


 少しだけ勝利の余韻に浸り、戦士は青年へと姿を戻し、研究所に向かった。

 青年の名は武響 由人(むきょうよしと)。二十一歳の低身長で坊ちゃん刈りの冴えない見た目をしている青年だ。

 由人は|ALT's Warriorsアリツウォーリアーズの一員として日々戦っている。一員と言ってもまだメンバーは二名のみだ。

 ALT'sと言うのは、Action Let's Tryの略で複数人いるからALT'sと呼んでいる。

 由人は一年前にこの能野町(のうやちょう)にやってきて、その際にある人に突然スカウトされた。

 そしてこのスマートフォン型の武着装デバイス「アリツフォン」が渡された。これに「アリツチップ」を装填し、画面をタップする事によって姿を変える事ができ、その姿を超戦士と呼んでいる。

 由人の超戦士は赤色でフルフェイスの額に剣と銃が交差しているマークが入っている姿をしていて、名前は「アリツウェッパー」と言う。

 右腰にアリツフォン、左腰にアリツチップと技の威力…というより必殺技が出せる「アリツブレイクチップ」の二枚を収納できるホルダーが付いている。

 アリツウェッパーは武器の超戦士で色んな武器が使えるみたいだが、現時点では、剣のアリツソードと銃のアリツガンしか使えない。

 先程戦っていたのはカテラスと呼ばれる怪人だ。さっき倒したのは石の怪人ストーンカテラスだ。


 由人は研究所に着いていた。ここは、「分部(わけべ)研究所」。

 中には博士が作った色々な発明品や機械がある部屋や、自宅も兼ねているため、普通の部屋と大体半々くらいだ。

 報告は博士の部屋である所長室で行う。この部屋には博士の机と開発中の発明品等が置いてある部屋だ。 アリツフォンにも通信機能も搭載されているが、今回は初めて単独て怪人を倒したので、直接報告に訪れたのである。


「~と言う訳で間一髪の突きで何とか一人で倒す事ができたんですよ~。」


「それは本当に間一髪だったね~。」


 由人と話している女性がアリツフォンを作った分部 彩恵花(さえか)博士だ。ブロンドヘアーで穏やかな雰囲気の印象だが彼女の発明の腕は本物だ。年齢は四二歳。


「由人君は、拳也と二人で怪人を倒したから、一人で倒すと聞いた時は驚いて心配になったよ~。」


 拳也と言うのは博士の息子の分部 拳也(けんや)の事だ。


「そろそろ一人で怪人を倒せるようにならないとな!って急に言うんだからこっちも驚きですよ。そういえば今日は拳也さんいないんですね。」


「今、買い物に行ってもらってるの。拳也にも会っていく?」


「いえ、報告は終わったのでこのまま帰ります。」


 報告を終えて研究所を後にして由人が帰路に着こうとしたその時、突然アリツフォンから警告音がなり、通信が入る。


「カテラス出現!直ちに現場に急行してください!」


 どうやらカテラスが現れたらしい。一日に二回現れる事は初めてだ。

 通信をしているのはオペレーターをしているのが博士の娘の分部 未央理(みおり)だ。二十歳。アリツフォンにはカテラスの場所を表すマップが、表示される。


「名前はソードカテラス。人々を次々に斬り殺しています!」


「未央理!拳也さんは帰ってきたか!」


「お兄ちゃんはまだ帰ってきてないけど、通信は入れたので、現場に向かっていると思います。由人さんもすぐに現場に向かってください!」


 由人は急いで現場に向かった。

 現場に着いたら、そこには全身が剣になっているカテラスであるソードカテラスが人々を襲っている。その光景に由人に怒りが湧いてくる。由人はアリツフォンを取り出し、差し込み口にアリツチップを差し込んだ。


[Weapon IN]


アリツチップを装填し、画面にCERTIFICATIONの文字が表示され、由人はは掛け声を発する。


武着装(ぶちゃくそう)!」


掛け声を発し、CERTIFICATIONの文字をタップする。


[CERTIFICATION]


アリツフォンから発声と共に俺の周りに光が身にまとい、由人はアリツウェッパーへと姿を変えた。

 そしてウェッパーはソードカテラスの元に向かった。人々を襲っている最中の背後からアリツソードを振り、不意打ちを狙った。しかしそれは見事に防がれてしまった。その隙に人々を逃す。


「今の内に逃げろ!」


「後ろから…その上不意打ちとは!卑怯な奴め!」


 今回のカテラスは意思疎通が可能だ。さっきのカテラスは出来なかったが、意思疎通ができるのもそれなりにはいたりする。


「人々を襲っている奴に言われたくないね!だったらなぜ罪のない人々を襲っている?」


「それは、ある物を探しているからだ。だが人間が邪魔だったから襲った。」


「ある物だと?何だそれは!」


「そんな事、貴様に話す必要はない…まずは貴様をわが剣の錆にしてから、じっくり探すとしよう!」


 そう言うと、ソードカテラスは襲いかかってきた。ソードカテラスは両手が剣になっている。そして、お互いの剣が鍔迫り合った。


「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 お互い鍔迫り合うが、ウェッパーは競り負けてしまい、相手から少し身を引いた。

 そこでアリツフォンを取り出し、ウェッパーはアリツガンを出現させる。ソードカテラスに向けて銃を撃つが、見事に弾かれしまう。


「ダメか…」


「かなり苦戦しているな!」


 振り返ると一人の男がその戦闘を見学していた。


「何だ貴様は!?」


 そこには、ウェッパーの先輩であり兄貴分の分部拳也が立っていた。由人よりも一歳年上の二十二歳で高身長で髪型も七三分けのモカブラウンと由人とはイケてる印象だ。


「俺はそいつの師匠みたいなもんだ。」


「貴様も我が剣の錆になりたいか?」


「い~や、今日は戦闘には参加しねぇ。そいつがお前をちゃんと一人で倒せるか見学に来たのさ。」


「えぇ……」


「なら、そこで弟子が死ぬのを見届けるがいい!」


 そう言うとソードカテラスはウェッパーをめった切りにした。


「うっ!」


 やられそうになったその時、拳也は口を開いた。


「そういや、母さんに伝えるように言われた事があったんだった。」


「な、何ですか…もう結構やばいですけど…。」


「共有機能を追加したと言っていた。」


「共有機能?」


「だから俺の能力がお前にも一つ使える筈だ。」


 そしてウェッパーはアリツフォンで確認し、拳也の能力であるアリツハンドを発動させた。


「すごい!腕に力が漲ってくる!」


「腕が強くなったから何だ!」


 そう言って、ソードカテラスはウェッパーに突きを放つ。俺はその剣を掴んだ。そして俺はその剣に手刀を放ち刃を切った。


「なっ!?バカな!?」


もう片方の剣も同じように切る。


「これで、お前はもう何も切れない。お前に斬り殺された人々の痛み、お前自身でその身をもって味わって倒されろ!」


 ウェッパーはアリツソードにアリツブレイクチップを装填する。


[Break Standby]

待機音が流れ、アリツソードのトリガーを引く。


[Weapon Break]


「はぁーー!!ゼイアーー!!」


ソードカテラスに一閃を放つ。


「うぐ!む、無念…」


 ソードカテラスは腰から崩れ落ち、爆散した。


「やはり、俺が見込んだだけの事はあるな!」


「はぁ~…さすがに連戦は勘弁してほしいな…。」


 こうして、由人は一日の内に二回目の単独勝利を果たしたのだった。

初めて書いたので上手く書けたか心配です。

感想や意見を頂けたら嬉しいです。

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