8-脳筋娘と寧々の日常①
配信が終わりログアウトした美咲は直ぐに寧々と通話をした。
『どうだったAstel・Online・Worldで配信した感じは?』
「う~ん……楽しかったかな。」
『でしょでしょ!』
「う、うん。」
『私はいろんな人と触れ合えて楽しめる配信が好きなんだ。だから美咲にも配信の楽しさを知って欲しいんだ!』
「私も初めての配信で緊張したけどさ、楽しかったよ!ただ……」
『だだ?』
「…視聴者のノリが怖い。」
『ああ、美咲にゴリラって言ったりした人とか?』
「うん。」
『まああれは冗談みたいなものだよ。』
「そうなの?」
『そうだよ。だから美咲もすぐに慣れるよ。』
「分かった!」
『それじゃあ今日のところはもう終わり。明日また配信してね。』
「え?一緒じゃないの?」
『本当は美咲が配信するために私はちょっと手伝っただけだよ?だから明日からは美咲ご頑張ってやるんだよ。もちろん私も美咲とやれるときは一緒にやるけど美咲のチャンネルの視聴者は美咲一人の配信も見たいと思うからね。』
「う~~ん………分かった。じゃあ明日の配信寧々も見てね。」
『もちのろんじゃない!見るにきまっているでしょ。』
「ありがとう!それじゃあ明日は一人でやってみるよ!」
そうして美咲はお母さんの用意してくれたご飯を食べてお風呂に浸かり、明日は何をしようか考えながら就寝した。
*
美咲との通話を終えた寧々は美咲のチャンネルを開いた。
『サキチャンネル』
登録者数:11.6万人 【登録済み】
「まさか初日でここまで行くとは……それは誘って正解だったかな。これで合法的に美咲とのイチャイチャを………ぐへへ」
寧々は美咲のことが好きだ。何故なら彼女は同性愛者だからだ。しかしそれは同性愛者だからという理由だけじゃない。
寧々は人生が楽しくなかった。家では親が勉強だのレッスンだのと口をうるさくし、学校では天才だからと言われて周りから遠ざけられていた。そのせいか、寧々は人生がどうでも良いとさえ思っていた。
そんな時だった。
「君が寧々ちゃん?」
「そうだけど何か用?」
「私とお友達になって?」
「……どうして?」
「寂しそうだから。」
「寂しそう?私が?」
「うん。だから私とお友達になろ!」
そこからが私と美咲との出会いだった。
最初はうるさいと思っていたけど少しずつ美咲の性格を知っていき、今では美咲が光のようにみえて惹かれていっていた。だから私は美咲から元気を貰って人生が楽しくなったように、世界のみんなで人生を諦めている人を一人でも人生が楽しくなるような配信をしてみようと思った。
そして今では美咲にも配信者になって貰えた。これからは美咲にも救っていって欲しいな。ついでに私とイチャイチャして付き合って欲しいな。
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