2-脳筋娘とキャラクタークリエイト
そして帰りに寄り道したり寧々の家に寄ったりして今、目の前にVR機器……といってもヘッドギアという頭に装着するだけの簡単なやつだ。
「確かこれを頭に着けて『ダイブ』って言うだけだったよね。」
そうして美咲は頭にヘッドギアを着けてベッドに仰向けになった。
「『ダイブ』」
すると真っ暗だった画面が急に光り輝いた。
*
『Astel・Online・Worldの世界へようこそ。既存のセーブデータがありません。新規作成しますか?』
仮想世界に入ると直ぐに女性と思わしき人から話しかけられた。
「誰?」
『お初にお目にかかります。プレイヤーサポートAIのアイと申します』
アイちゃんか~。
AIが自律的に言葉を理解し言葉を発しているのに対して美咲はなんともおもわなかった。流石は脳筋娘だ。
「アイちゃんアイちゃん」
『プレイヤーサポートAIのアイと申します』
「キャラクリって言うのはどうすれば出来るの?」
『キャラクタークリエイトは今から始めます。』
「お願いします!」
『ではお名前をお決め下さい。』
名前かあ…。面倒くさいから美咲の美を抜いてサキで良いよね!
「サキでお願いします!」
『サキ様ですね。では次に種族をきめます。種族は主に、人種・獣人種・エルフ種・ドワーフ種があります。ステータスは人間は全面的に小幅に上がり、獣人は攻撃力と俊敏力が大幅に上がり、エルフは知力と魔法力が大幅に上がり、ドワーフは器用と防御力が上がります。これ以外にはランダムという機能があるのですが、正直オススメはしません。一度きりなのでやり直しが効かないのです。ただ、今紹介した中の物にはないレア種族が居るのも確かです。』
私的には獣人が良いんだろうけどランダムって言うのに惹かれるな。まあ私、なんやかんや言って運は良いしランダムにしちゃうか!
「ランダムでお願いします!」
『宜しいのですか?』
「はい!」
『ではこのランダムにタッチして下さい。』
そう言われて種族を選ぶところからランダムを選択した。
選択すると………
ピロンッ
『武神』
武神?
『サキ様当たりですよ!まさかユニーク種族6神の1つを当てててしまうなんて…………』
驚きすぎじゃないかな……中に人がいたりしない?
「6神?何ですかそれは?」
『はい、6神にも種類がありまして。剣を司る剣神(人種)、魔法を司る魔法神(エルフ種)、武術を司る武神(獣人種)、回復を司る生命神(エルフ種)、生産を司る技能神(ドワーフ種)、商業を司る商業神(人種)の6つです。サキ様が当てられました武神(獣人種)は攻撃力と俊敏力、器用が上がりやすいですが他は上げることが出来ません。』
「それってデメリットしか無いんじゃ……」
『いえ、デメリットですがメリットの方が大きいですね。』
う~~ん………それならいっか!どうせもう変更できないんだし!
「それでいいです!」
『分かりました。次に職業をお選び下さい。』
そう言われると前にタブレットのような物が出てきた。そこには剣士、魔法使い、回復士…………と続いていた。
「何を選べば良いのか分からないのでアイちゃんが選んでくれませんか!」
『分かりました。ではこれはどうでしょうか?格闘家と言って武神との相性が良い職業ですよ。』
「じゃあそれで!」
『分かりました。』
トントン拍子に進んでいって自分で決めなくていいのは良いね!それに私は考えるよりも体を動かすほうがいいしね。
『それでは次に容姿を変えて下さい。』
「え?これじゃダメなの?」
『はい。realmoduleですと現実世界で身バレしてしまう恐れがあります。なので髪型や髪色、瞳の色などは変えることをオススメします。』
「アイちゃんがそんなに言うなら………」
そうして美咲は髪を黒から紺色、瞳は紅色にした。美咲は「取り敢えず好きな色で良いよね」という安直な考えで決めたのだった。ついでに猫耳や尻尾が生えていたが美咲はあえてスルーした。
『容姿の設定は終わりました。最後にステータスの設定をお決め下さい。初期のSPは100SPです。また、初期のSKPは10SKPです。』
────────────────────
【名前】サキ
【種族】武神(獣人種)
【職業】格闘家
【レベル】1
【HP】400
【MP】0
【攻撃力】120
【防御力】0(変更不可)
【魔法力】0(変更不可)
【知力】0(変更不可)
【器用】40
【敏捷値】120
【幸運】20
SP:100
【固有スキル】身体能力超上昇Lv1 攻撃力超上昇Lv1 敏捷値超上昇Lv1 爪術Lv1
【スキル】武術Lv1 快走Lv1
SKP:10
【称号】空欄
【装備】
【頭】空欄
【胴体】駆け出しの服
【右手】空欄
【左手】空欄
【足】駆け出しの靴
────────────────────
へ~これがステータスなんだね~。これにポイントを振るんだね。
そうして美咲はステータスを割り振り、スキルも手に入れた。
────────────────────
【名前】サキ
【種族】武神(獣人種)
【職業】格闘家
【レベル】1
【HP】400
【MP】0
【攻撃力】220(+100)
【防御力】0(変更不可)
【魔法力】0(変更不可)
【知力】0(変更不可)
【器用】40
【敏捷値】120
【幸運】20
SP:0
【固有スキル】身体能力超上昇Lv1 攻撃力超上昇Lv1 敏捷値超上昇Lv1 爪術Lv1
【スキル】武術Lv1 快走Lv1 攻撃は防御なりLv1
SKP:8
【称号】空欄
【装備】
【頭】空欄
【胴体】駆け出しの服
【右手】空欄
【左手】空欄
【足】駆け出しの靴
───────────────────
面白そうなスキル見つけたからこれにしようかな。どうせこっちにはメリットしかないし。
『……………。本当にこれでいいんですか?』
「はい!大丈夫です!」
『そ、そうですか………では最後の説明です。SPやSKP等はレベルが1つ上がるごとにSPは10、SKPは2つ手に入ります。』
「へ~。」
取り敢えずレベルを上げれば良いんだね!難しいことには分からないからね!
『説明は以上になります。これからサキ様には始まりの町『イースト』に転移して貰います。最後に何か質問などはありますか?』
「いいえ大丈夫です!」
難しい事なんて分かんないし、きっと寧々が分かりやすく教えてくれるよね!
『ではサキ様の旅に幸多からんことを。』
「ありがとう!またね、アイちゃん!」
そう言うと足下に魔方陣が浮かび上がり、サキはそこに吸い込まれた。
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