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代表作 エッセイ

憎しみがあるから愛もある

「愛が大事」

「愛こそすべて」

「人は愛がなくては生きられない」


 ↑よく聞きますよね。


 でも、愛って何なの?


 私はよくわかりません。


 わからないから問い続けるだけです。





 それはそれとして。


「愛と憎しみは表裏一体」


 これもよく聞きますよね。


 これはよくわかります。


 愛している人だからこそ、憎悪した時には他の人にはやらないことをしてしまう。


 他人の高額ノートパソコンを2階の窓から投げ捨てたりはしないけど、愛する人のだったら、する(←個人的な実話)


 他人にいくらムカついても傘の先っちょで突きまくったりはしないけど、愛する人にだったら、してしまう(←個人的な実話)


 愛が大きければ、憎悪した時も発狂レベルになるんです。


 どーでもよくはない。無関心ではいられない


 睨みつけるまなざしも魔物のようになる。





 それはそれとして。


 ここで私は日頃感じていることがあります。


 今の風潮って、『愛だけが必要なもので、憎しみは排除すべきものだ』みたいな感じ、しませんか?


 私は日頃、そんな感じがしています。


 単なる個人的印象ですけど。


 でも。


 憎しみがなければ愛もないよ?


 どうして裏をなくしても表は残るって思うの?


 1枚の紙の表に『愛』と書いて裏に『憎悪』と書く。


 裏を燃やしたら、表も燃えちゃうよ?


 セットでしょ?


 なんだか1枚の紙の裏面を燃やしても表面だけが綺麗に残せるものだと思われてしまってるような気がします。


 まぁ、人間の誇る科学力でもしかしたらそんなことが可能なのかもしれませんが


 でも、そんな不自然なことをして、表面に残ったものは果たして本当に『愛』なのか?


 そんな心配してしまいます。






 以前に交通エッセイでも書きましたが、私は車の運転に『愛』とか『優しさ』は不要だと考えています。


 それらは簡単に裏返って『憎悪』や『攻撃性』に化けるからです。


 けしからん車を見た時に「そこに愛はあるんかァア〜ッ!?」と発狂するのは危険です。


 発狂してもそれを運転には表さない立派な人もいるとは思いますが、一握りだと思います。


 安全運転に務めましょう。


 運転に必要なのは平常心、それだけです。


 あってもいい感情は朗らかな笑いぐらいではないでしょうか。『愛』や『優しさ』とは違う、『楽しい』『気分がいい』みたいな、笑い。

 もちろん『ハイに』なったり『ラリ』ったりするのは行き過ぎですが。





 それはそれとして。





 憎しみがあるから愛もあるんです。


 愛があれば憎しみもあります。


 でもたとえば愛だけを大きくすることは出来るように思います。


 自分の子供を溺愛して、ひたすら愛して、憎悪なんてするわけないと思えるような、そんな愛はあると思います。


 でも愛しているものを壊されれば、壊した相手に対して激しい憎悪が燃え上がります。


 大きくしたぶんだけ激しい憎悪が、轟々と。


 また愛する者が自分の思い通りにならず、たとえば愛を注いで育てて来た娘が気に入らないバカみたいな男と反対を押し切って結婚したりすれば、憎悪はバカ男だけじゃなく、娘にも向くかもしれません。


 可愛がる一方で育てて来たその笑顔が、裏返ればどんな冷たい顔になるのでしょう。



 私はうちのペットに玄関でうんちされても甘噛み失敗で流血させられても憎むことなんて出来ませんが、


 もし彼が私の大嫌いな人に道端で出会って『おれ、コイツに飼われるほうがいい』と私を捨てて行ってしまったら、


 きっと泣きながら憎むことでしょう。


 恨むことでしょう。






 それはそれとして。


 愛、欲しいなぁ……。


 憎しみもセットでいいから。


 とりあえずは恋から始めたい。

(『恋』の反対はもちろん『無関心』)


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― 新着の感想 ―
[一言] タイトル逆じゃ無いかなあと思いました。 愛があるから憎しみもある あるいは 憎しみがあるから愛を実感できる 嫌いは無くても好きなものはあると思うんですよ。 ただ嫌いなものが無いとそれ…
[一言] 愛も憎しみも、心に波風を立てると言う意味では、脳的には似たような刺激なのでしょうね。  自分的は、愛憎なんか含めた人間の喜怒哀楽の感情は、動物から人間へ進化しても、未だ消しきれないサルだった…
[良い点]  なんかわかります。  愛って難しいですよね。  愛が大きくなるほど、失ったときの悲しみも大きくなりますし。  でも、少しでも愛されたいですね。  どうすればいいのでしょう。
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