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君と終わりの世界で  作者: みかん
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花街研究所

目の前の可笑しな光景に目を見張る。


「どういうこと?」


花街研究所からたくさんの怪物が出てくるところをただ見ていることしかできなかった。

怪物が全員出終わったようで研究所の異様に大きな扉が閉められる。

明らかに人の手によるものだった。


「…研究所に行こう。」


連が一歩踏み出した。


「言われなくてもわかってるわよ。」


と、私も力強い返事を返した。

って…言ってもどこから侵入すればいいんだ?連に話したら、


「そりゃあ、天井をぶっ壊して入るだろ。」


と、すごいことを言い出した。


「いや、いや、いや!それはダメだって!!敵から、居場所がばれる!できるだけばれないように慎重に行動したいから!」


「はあ…。」連の馬鹿げた考えに思わずため息が漏れる。


「んじゃあ、どこから侵入すればいいんだよ?」


「……」


ドガン!!

私たちは天井をぶっ壊して中に入ることにした。

研究所の周りを一周してだいたいの見えるところだけの構造は理解できたので、比較的安全だと思われる、レントゲン室に侵入することにした。

できるだけ音をたてないようにしたのだが、少し大きな音が鳴ってしまったようだ。

気づかれてないか心配だ。

レントゲン室は結構小さな個室で、たくさんの機械がある。

レントゲン室から出て、探索開始だ。

私たちは、恐る恐るドアに手を伸ばし、

ガチャリ

と、ドアを開けた。警戒しながら、ドアから顔をのぞかせ、キョロキョロと見まわしたが特に人の気配がしなくて、ホッと胸をなでおろすのも束の間、


「すごい音が聞こえたぞ?どうかしたのか?」


と、いう男の人の声が奥の廊下から聞こえてきた。

ヤバい。どうしよう。

困り果てて、連を見ると、『もう倒すしかない』と、連の顔が言っていた。

私たちは目で合図を送り、飛び出す。


「わっ!?君たちは何なん…」


私たちは男が騒ぎ出す前に蹴り飛ばして気絶させた。


「この騒ぎで人が集まってくるかな?」


と、連は苦笑いをした。

奥の廊下から早速、「どうした?」と、言う声が聞こえてきた。

急いでどこかの部屋に入って隠れなければ!

私は急いで近くにあった部屋に連を引っ張って駆け込んだ。


「ッ……!!!!」


私は、目の前の光景に絶句した。

私たちが駆け込んだ場所は、血まみれの部屋で、壁も、棚も、何もかも血でまみれていた。部屋の中には、手術台があり、ベッドも血まみれだ。


「ここは…何…!?」


連も目の前の光景が信じられない、と、いう顔をしていた。本当にここはなんなんだ…。

この、研究所から明らかに人の手で出された怪物。血まみれの手術室…。

酷い匂いで吐きそうだ。


「うえ…。ここは居心地悪いな。奥の部屋に行こうぜ。」


と、連は奥の扉を指さした。私たちは慎重にドアノブに手をかけ、ドアを開けた。


「…え?」


そこは、檻が沢山あって、その中には 人間 が、捕らえられていた。

部屋は結構広く、奥まで檻が沢山続いている。

しかも、檻の中には子供しか、入っていないのだ。

私も、連も目の前の光景が信じられない。

近くの檻にいた、まだ、小学生くらいの女の子が「助けて」と、消え入りそうな声で、悲鳴を上げている。

奥のほうを見ると、腕や、足が怪物のように変形した、子供もいた。


「どういうことだよ…。」


どうやら、ここは監禁室のようだ。研究所から出てくる怪物。怪物のような手足の子供…。

まさか、ここは人間を怪物にする研究所なのだろうか。ここが、全ての元凶なのだろうか?


「…とりあえず、個々の子供たちを助けよう。」


檻はやけに縦に長く、大きい。子供一人には大きすぎるぐらいの檻だ。

多分、いつ怪物になってもいいようにこんな作りなのだろう。

鍵は持っていないけれど、このぐらいの檻だったら、鉄格子を曲げて壊せそうだ。

鉄格子に手をかけ、


グニャリ


と、檻の鉄格子を曲げた。そうして、子供たちをどんどん救出していく。

さらに奥のほうに行くと、ほぼ、怪物の体になっている子や、もう、怪物になってしまった子がいた。

もう、怪物になってしまった子は、いったいどんな気持ちで怪物になっていったのだろうか?

哀れみと、悲しみで胸が張り裂けそうだ。かろうじて、自我がある、子もいたが、時期に自我を失うだろう。

まだ、助かりそうな子を助け出し、私たちは、監禁室を出た。

こんなことをやったのは一体誰なんだ?怒りでおかしくなりそうだ。

私たちは、声をかけて、どこに黒幕がいるか、子供たちに教えてもらおうとしたが、子供たちは恐怖でおびえて、声がだせないようだ。困っていた時、一番年上だと思われる、10歳くらいの女の子が口を開いて、


「研究室に黒幕がいるわ。」


と、消え入りそうな声で言ってくれた。私たちは研究室に向かって歩くのだが、子供たちは、戦いに巻き込めない。誰が、子供たちの面倒を見るのか。

連と、話し合った結果、連が、黒幕を倒しに行って、私が、子供たちを見るということになった。

研究室に着き、連一人で大丈夫かと心配になる。


「大丈夫だって」


と、連はまぶしい笑顔を浮かべてドアに手をかけ中へ入っていった。

読んでくれてありがとうございます。これからは、週1や、週2投稿になると思います。そこはご了承ください。

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