初任務!
数日後、無事、本部は工事をして完璧に治ったのである。
「では~。リンには、初任務をしてもらいたいと思いま~す。」
「初任務…?」
男は、私をホールに来るようにと、言って来てみれば、初任務の知らせだったらしい。そして、
隣には、赤髪の私と同じくらいの年の男の子がいる。背は、私より小さくて、いつも笑っている。タイプではない。
任務なんてあるの?ただそこら辺の怪物を倒していくだけでは?
「人にもランクがあるからね。そのランクに見合った怪物を倒させるんだ。」
どうやら私の心の中を読んだらしく説明してくれた。
「そういや、あんた名前は?」
私は男の名前を一回も聞いてないことに気づいた。
「あれ?言ってなかったっけ?俺は「清一」だよ。」
せーいち?っていうんだ。
「改めまして!リンの初任務一緒に行く人は連です!」
「連ってだれ…?」
「ハイハ~イ。俺で~す。リンよろしくね~!」
と、隣の少年が手を挙げて大声で言った。
「この子が連ね。じゃ、初任務は隣町で超大きい怪物が急にたくさん出てるって話だから、それ、倒してきてね。」
隣町といえば…花街町だ。花街町といえば、大きい研究所があったな。
その中にも怪物がいるのだろうか?
「リンの初任務は明日の四時からね。それまで休んでおいで。あっちに個人の部屋があるから、そこを好きに使っていーよ。」
と、清一は奥に部屋がたくさん並んでいる廊下のほうを指さした。
一人、一人、個人の部屋があるようで、ドアの横のプレートに人の名前が書いてある。
「えーっと…私の部屋は…。」
1分くらい、奥に歩き、リン様と書かれたプレートを見つけた。
たぶんここが私の部屋だろう。隣人が誰か確認してみることにした。
「え~と。右隣が……ゆかりだ!左隣が……連!?」
連が隣だと騒がしそうだ。げんなりする。でも、ゆかりが隣だからうれしい。
スタッ、スタッと右側から足音が聞こえ右側を向いてみると連がこちらに歩いてきていた。
「お~。俺の部屋は怪力化け物の隣か。」
「は?誰が怪力化け物だ。」
怪力化け物とは私のことだろう。
「明日、4時から任務だろ~?俺、起きれるかなあ?お前は起きれる?」
「私はだいたい、いつも寝てないし、起きれる。」
「おっ!じゃあ、お前、起きたら俺、起こしてね。よく、寝坊するんだ。」
と、彼は憎めない顔で笑う。私は彼を無視して自分の部屋へ入る。
部屋は結構広めでトイレとお風呂もしっかりついている。なかなか、快適に過ごせそうだ。
この地下は超広いからこのぐらいの、広さでも大丈夫なのだろう。
「ふわあ~…。」
なんだか疲れて眠くなってきた…。私はパタリとベッドに倒れこむ。
今日はもう寝ちゃおうかな…。だんだん瞼が重くなってきた。
「…おやすみ。」私は誰もいない部屋に、ポツリとつぶやいた。
★★★
「…い。おーい!!」
「ンガッ!?」
私は連の大きな声で起こされた。女のことは思えないような言葉を発してしまった。
「ん~。何よ??」
目をこすりながら要件を聞く。
「お前、今三時半だぞ?」
「え……?え!?今もう三時半なの!?」
私はガバッと布団から起き上がる。時計を見ると、時計も三時半をさしている。
もうこんな時間!?
急いで立ち上がり、顔を洗い、着替え、行く準備をする。
「お前なぁ~。朝早いって言ったのに、俺よりか起きるの遅いじゃんか~。」
私のベッドに座りながら呆れた声を発する。ムカつくけどその通りで言い返せない。
「連はもうしたく終わったの?」
「俺?後、荷物まとめるだけ。」
おっとりした声で、焦っている様子ではない。
「じゃあ、私の部屋なんかにいないでさっさと支度してきなさい!!」
「え~。」といいつつ連は立ち上がった。
ヒュン!と、音がしたと思うと、そこにもう連はいなかった。目を大きく見開く。
どこいったんだ?そしてまた、
ヒュン!と音が鳴ると私のベッドの上にバッグを持った連がいた。
「荷物まとめるの終わった~。」
と、いい彼は背伸びをする。早すぎないか?
いや、連がまさかここまで、速く動けるとは思わなかった。
私はあと少しの荷物をバッグに詰め、バッグを持つ。
「お?リン、荷物まとめるの終わった?じゃ、行こっか。」
と言い、連は立ち上がるなり、ヒュン!と音がして、その場所からもう消えていた。
お得意の瞬間移動を使ったのだろう。いや、速すぎて瞬間移動に見えるだけだろう。
もう隣町へついているところかな?私も連の後を追うために外の道路に出る。
足に力を籠める。
おっと、ここの道路はあんま壊さないほうがいかな?と、思い、少し、調整する。
私の踏み込みだけで簡単に道路に穴が開いてしまうのだ。
ダンッ!
と、飛び、地面に降りるときはバク宙をして、衝撃を和らげて、着地する。
そして、10メートル先ぐらいに連を見つけた。
「連ー。」
と、呼びかけても、全く反応しない。固まっている。
私は、連に近づき、もう一回呼びかけてみる。
「おーい。連~?連く~ん?」
連の顔を見ると信じられないものを見たという顔をしている。一体どうしたのだろう?
「あれ…。」
連は言葉を発したと、思えば研究所のほうを指さした。
「研究所がどうしたの…よ…。」
私は研究所のほうを見て、言葉を失う。
なぜなら、研究所の大きな扉から、異様に大きい怪物が沢山放出されていたからだ。