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再会で再開?1

裕太視点


 俺とミーコさんの様子を見て、堤下と仁藤も"この"気配に気付いたようだ。


「チッ……来やがったか……」


「もしかしてこのことを予測していてコーヒー飲ませてくれたんスか?」


 二人とも立ち上がり気配の元へと目を向ける。


 俺たちの視線の先では、一つの気配と底冷えする冷気が漏れ出してきていた。


 仁藤は懐から独鈷鈴どっこりんと呼ばれる法具を取り出し、堤下は風の精霊に呼びかる。


 んで、我が愛しのミーコさんは……未だにのんびりコーヒーを飲んでいた。


「ミーコさん?」


「あたしがコーヒー飲み終わるまで持ちこたえてね」


 にこやかな笑顔を浮かべながら、幸せそうにコーヒーをすすってる姿を見ていると何も言えなくなってくる。


「はいはい、了解いたしました」


 俺はそう答えると、敵に備えるべく懐から符を取り出した。


 洞窟の奥から姿を現したのは、予想通りの雪女で、幾体もの土人形を引き連れてやって来る。


「……オン……堤下! フォロー!」


「任せるッス! 風よ! 行く手を阻む者共を切り裂けッス!」


 仁藤が独鈷鈴に念を込めながら雪女に向かって駆け出すと、堤下が土人形達に風の刃を放って道を作る。


「大地漂いて水止まう……土剋水どこくすい!」


 堤下が通した道に向かって、仁藤は土気を纏った独鈷鈴を投げ放つ。


 するとの雪女を庇うように、今度は石人形が立ちはだかり、独鈷鈴を受け止め砕け散った。


 しかし、直ぐさま次の石人形が生み出される。洞窟の中だけに土やら岩やら材料には事欠かないようだ。


「土人形に石人形……魔族の得意技だな」


「魔族の厄介なところがこれッスよね。無尽蔵の魔力で物量戦術取られると、うつわ的に劣る人間(自分達)は不利にならざるを得ないッス」


 時とともに人形が生み出され、洞窟内が埋め尽くされていく。中には普通の人形だけでなく、複雑な紋様で表面が覆われた特殊な人形もチラホラと見受けられる。あれ、なんの素材で出来てんだろ?


「天井が開いてるなら……風の精霊よ……畏怖を纏いて敵と踊れッス!慈流降氷土シルフィード!」


 暴走族の夜露死苦的な昭和の匂い漂う堤下の詠唱に応えるように、キラキラと淡い光を含んだ澄んだ風が渦を巻いて雪女の周辺に吹き荒れ、微細な振動と共に人形達を包んでその振動で土人形達を塵へと返す。


水気みずき満ち足りてかざ薙ぐる……水生木すいしょうもく!」


 次いで、仁藤がそう唱えながら独鈷鈴をチリンと鳴らすと、堤下が起した風が更に活性化し、石人形達も先端から塵となっていく。


 そのまま雪女も巻き込むが……次の瞬間、立ち込める塵の中から雷撃が、俺たちに向かって伸びてくる!


「「「な!?」」」


 驚きの声をハモらせる俺たち。


「ぐぁっ!」


 雷撃に正確性は無く手当たり次第にといった感じだったが、俺と堤下はともかく足場の悪い位置にいた仁藤は雷撃が生み出した衝撃に瓦礫共々吹き飛ばされる。


「仁藤さん!」


「直撃はしてないから大丈夫じゃね? アイツ、優男風な風貌に似合わず、ミーコさんの右フックをまともに喰らっても無傷でいられるくらい丈夫なんだし」


「それもそうッスね」


「テメーら後で絶対ぜってー〆てやるからなぁぁぁ……」


 やっぱ、吹き飛ばされてんのに悪態つけるくらいに余裕があるじゃん。


「あれ? 風が……って!! 何スかあれ!?」


「風と塵が吸い込まれたかと思ったら、なんか格好良さ気な石人形出て来たね。あの体中に書き巡らされた模様ってなんか若き日の中二心を燻ぶられね?」


「よ、余裕ッスね兄貴は……流石ッス!」


 高さ2mくらいのずんぐりした体型で、体の中心に大きな魔法石が埋め込まれ、全身にルーン文字が刻まれている石人形が、三体ほどさっきの攻撃を凌いで残っていた。


「ありゃ、術の類は効き辛そうだなぁ……」


「ここは兄貴がてやーって殴りつけて、叩き割るのが得策ッスね」


「いや、ここは手下Aロケットバスターを試すべきじゃね?」


「なんか聞いただけでも体中に痛みが走るッス! 兄貴の心に人としての心が残っているならそんな事しない筈ッス!」


「そんな物は未だかつて持った覚えは無いけど?」


「だだだだダメッスよ! 強い心を持って欲望に抗うッスよ! だ、だから……」

「両手背負いからのー……手下Aロケットバスタースペシャル!」


「だだだだだダメダメダメダメダメッスよぉぉぉ……」


 音速を超え、雪女に向かって一直線の手下Aロケットバスタースペシャル。


「あ」

「ウゴベシブヒょぉぉぉ……」


 たどり着く前に不可視の障壁に遮られて、あらぬ方へと吹き飛ばされちった。


「堤下……お前の事は忘れない……3分くらいは……」


「……ぁ……ゎ…………ぅ…………」


 遠くから何か訴えが聞こえた気がしたが聞こえなーい。


「しゃーない。ソロソロ御大の出番じゃね?」


 そう言いながら振り返るが、その肝心の御大が四つん這いでがっくりとうなだれているのが目に入った。


「ミーコさん?」


 呼びかけたが、反応が無い。うなだれたミーコさんの前には、倒れた紙コップが落ちている。


「兄貴!」


 堤下の呼びかけに、とっさに後ろに跳び退くと、その場にストーンゴーレムの無骨な拳が突き刺さった。


「あれだけの理不尽を受けたのに付いて来てくれるのか手下Aよ」


「合コン会場に辿り着ける迄は何があっても付いて行くッス!」


「その意気込みがキモい」


「酷いッス!!」


「符よ……汝は何者にも縛られぬ時の流れなり……風刃!」


 風刃と言いつつ実は霊気で出来たその刃は、石人形に当たった瞬間パシュっと音を立てて只のそよ風となってその場を通り過ぎていってしまった。


「ありゃりゃ……やっぱり魔力吸引の呪が施されている……うわ!?」


 着地した途端、地面から突き出てきた氷の錐に思わず焦りの声を上げる俺。それを仰け反りながらも、なんとかもう一方の手に持っていた符を構え霊気を通す。すると、符は氷の錐に触れる寸前激しく燃え上がり、不可視の障壁となって氷の錐をガッチリと防いだ。


 俺は雪女に対する備えにするため、何枚もの符を地面にまき散らした。これで地面から今みたいな攻撃がきても障壁が遮ってくれるだろう。


 それよりミーコさんだ。ミーコさんは依然うなだれたまま……あれ?


「あたしの……あたしのコーヒー……」


 あ……いつの間に雪女の背後に。


「あたしのコーヒーを返せぇぇぇぇぇ!!」


 ミーコさんは叫び声を上げながら、右ストレートを放つ。


 雪女はそれを、振り向き飛び退きつつ、氷の壁を張り巡らして受け止める。しかしミーコさんの右ストレートは氷の壁なんぞものともせず見事それを粉々に打ち砕いた。


 更に間合いを詰めたミーコさんが、今度は回し蹴りを見舞う。しかしそれは割り込んできた石人形に防がれ……あ! 石人形の片腕が粉々に!!


 そのまま石人形を雪女の方に蹴り飛ばすと、一旦間合いを取って妖気を膨れ上がらせる。


「集え我が妖気……うりゃ!!」


 巨大な妖気の塊が拳の形をなし、雪女と石人形に向かって突き進む。しかしその一撃は、石人形の胸にある魔法石で無効化、吸引されてしまう。


 どうやら人間の魔力であろうと、妖怪の妖気であろうと、無関係に無効化して吸引されてしまうようだ。


 するとシャキン、シャキン、シャキンと、続けざまに氷の錐がミーコさんに襲いかかる。


「ハアァっ!!」



 ドッゴーン!



「……うっそー……地団駄踏んで術を無効化しちゃったよミーコさん」


「地団駄ちゃうわ!」


《生けとし生けるもの全てを永遠の眠りへと誘う青き炎の欠片をここに……》


 雪女の青白い唇が初めて動き、美しい歌声のような呪文が紡ぎ出される。


青炎柩あおひつぎ


 地面から吹き出す青い炎がミーコさんを襲う!


 両足が瞬時に凍り付き、頬や額が軽く裂けて血が滲み出るが、その血液もすぐに凍り付く。


「それが……どうしたぁぁぁぁぁ!!」


 ミーコさんはそう叫びながら、妖気を込めた右ストレートを地面に叩きつけた。


 青い炎と妖気がぶつかり合うが、右ストレートが地面に叩きつけられる衝撃で青い炎は一瞬でかき消され、ブワリと土煙が巻上がった。


「ふしゅー……」


 そして土煙が治まると、中からその姿を一変させたミーコさんが現れたのだった。


元の話しとくらべ


堤下が五精使い→風使い

仁藤が火使い→法力僧


と能力が変わったので、辻褄を合わせるのが大変でした。


この辺は1から作り直せばよかったかな?

でも、前の名残りを完全に無くすとこの先もっと大変になりそうなのでこれで良かったのかも(^_^;)


ブクマ&☆ポチお願い致しますm(_ _)m

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