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攻め来る罠にご用心3

ミーコ視点


 "こと"が終わると満足したのか、磯姫は塵となって消えてしまった。


 童貞だった手下Aに、それほどのテクニックがあったとは考えられないので、よっぽど溜まってたんだろうな、彼女。最期がマグロな童貞の上だなんて同情しちゃうわ。


 がっくりとうだなれている手下Aに、裕太はトコトコと歩み寄り、その肩をポンと叩き、グッとサムアップしながらニッコリ笑顔で声を掛ける。


「堤下……童貞卒業おめでとう。これで君も大人の仲間入りだ」


「何が『おめでとう』ッスかぁぁぁ!!助けろッスよあんたらぁぁぁ!!」


 涙をチョチョ切らせて裕太に掴みかかる手下A。気持ちは分かるけど所詮チミは手下Aだ。


「まぁまぁ。あんな美人相手に童貞とおさらば出来るだなんて滅多にないんだよ?かえって良かったじゃんか」


「よかないッスよぉ……俺は言わばレイプされたも同然なんスよ?!」


「とか何とか言って、実は『よかった』って思ってんだろ?顔見りゃわかるって。男としてその気持ち分かるぞ~。出来れば代わってもらいたかったくらいだよ」


「……」


 裕太の言葉にぐうの音も出せない手下Aは、こめかみに汗を滴らせて視線を逸らした。


 男ってやつぁ……取りあえず裕太の処刑決定。


「確かに気持ち……でも……だけど巧かっ……でも……」


「そもそもな話、お前さん、全然嫌がってるようには見えんかったよ」


「っ!!ななななな何を言って……」


「そうよね。どこかの誰か以上に鼻の下が伸び切ってたし……って、今頃手で抑えても意味ないと思うわよ?」


「どこの誰かってのは俺には分からんけど堤下の鼻の下が人間とは思えない程にが伸び切ってたのは確かだね」

「逃げ惑ってるように見えて、本気で逃げてなかったように見えましたね」

「あの巨乳から一瞬足りとも目を離さなかったじゃねーかオメー」

「コクコク」

「ガウ」


「……シクシクシク……」


「そもそもな話、本気で逃げ惑うようなら、さすがの俺でも止めに入ってたよ……コンプライアンス的に」

「そうよね。昨今のネット社会において、コンプライアンス遵守ってのは大前提みたいだしね」

「そりゃ、コンプライアンスは大事だ」

「そうですね。何よりコンプライアンスを大事にしないと」

「コクコク」

「ガウ」


「みんな鬼ッスぅぅぅ!コンプライアンスより俺の身を心配しろッスよ!!」


「いや、だからあんたを心配してたからこそ、みんな温かく見守ってたんじゃない」


「……どういう事っすか?」


「……童貞卒業おめでとう。堤下」

「おめでとー」

「こんな機会でもなけりゃー、オメーはなかなか童貞卒業出来なかっただろうしな」

「おめでとう御座います」

「コクコク」

「ガウ」


「……シクシクシク……」


「まぁまぁ堤下。取りあえず……」


「……グスン……何すか?」


「ズボン履いたら?」


 そう言ってズボンを差し出す裕太。


「キャァッスぅぅぅ!!」


 自分の格好に気付いた手下Aは、慌てて前を抑えると、裕太からズボンを奪い取り、そそくさとそれに足を通し引き上げた。


 そんなことをやってると、小部屋の方からリーダー達がぞろぞろと出てきた。


「開封の儀式は滞りなく済んだ……と言うか勝手に終わった。さっきの磯姫が突然魔方陣に出てきて、妙に満足げな顔で消えていったんだが何かあったのか?」


「何もないッ……」

「手下Aが犯されたのよ」


 手下Aの言葉を遮り答えたあたしの言葉を聞くと、岸本は、ポンと手下Aの肩を叩いて大人の微笑を浮かべながらサムアップし……


「……童貞卒業おめでとう」


「あんたもかいぃぃ!!」


「よっぽど欲求不満だったんだろうな。普通だったら何人もの犠牲者覚悟で戦わなければいけなかったところだ。それが堤下一人の犠牲で済んだんだからお手柄だ」


 またまた手下Aの肩をポンと叩きながら、真面目な顔でそんなことを言い出す岸本。止めだな。


 案の定、手下Aは四つん這いでうなだれてピクリとも動かなくなった。


 まぁこいつはほっとこう。


「リーダー、開封は出来たんでしょ?なんでまだ開かないの?」


 私は、隠し部屋の入り口となるはずの壁を指差しながらそう訊ねた。


「今、開けるからそうぐな」


 岸本は苦笑しながらそう答えると、岩肌に手を掛け、ぶつぶつと呟いた。


 ギィィっと音がして、壁にポッカリ穴が開く。これでようやく先に進めるぞー。


 また、鉤内のおいちゃんを先頭にして、先に進……もうとしたら、あたしの視界に四つん這いのまま微動だにしない哀れな手下Aの姿が飛び込んでくる。


「あれどうすんの?」


「んー……俺がなんとかするよ。ミーコさんは先に行ってて」


「はいよー」


 そう言って、裕太は後頭部を掻きながら、白蘭を伴い手下Aの元まで歩み寄り、その傍らで膝をついた。


 そして、手下Aの耳元でコソッと何かを呟くの見ながらあたし達は先へと進んだのだった。





「堤下……今度一緒に合コン行こうか」


 ピクッ--


「女、紹介してやるよ」


 ガバ--


「童貞だったお前じゃ、安心して任せられなかったけど、今のお前なら紹介したい女がいるんだ」


「……ま、マジッスか?」


「……皆んなには内緒だぜ?」


「う……うおぉぉぉぉぉ水無づ……いや、兄貴!!俺、目が覚めたッス!!一生兄貴について行くッス!!」


「ついてくるのは勝手だが、足手まといは必要ないぜ?」


「俺も風使いの端くれッス!全力で兄貴の後ろをついていくッスぅぅぅ!」




 実は今回のやり取りの最中に、物語的に重要な出来事が手下Aの身に降り掛かってます。


 次は、短いですがその手下Aに降り掛かったお話しになります。


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