私の婚約者は○○○でした。
思い付いてすぐに仕上げてしまったので読みにくかったらすみません。。
突然ですが私、リディーナは今日婚約者が出来ました。
婚約者様は見目麗しく中性的な顔立ちをしていて貴族の間では知らないものはいない程の有名人なのです。
ですが、有名なのは顔立ちが美しいからだけではございません。もう1つ有名な理由がございます。
それは...
「ヴィ、私は幼馴染の貴方が婚約者になってくれるのは凄く有難いんだけど貴方は良いの?」
「ふふ、えぇもちろんよ。貴女なら気心も知れているしお互いの両親もそれを願ってたのよ?」
「まぁそれはそうだけど...でも、貴方は私と違って美しい顔立ちをしているのよ、選び放題じゃない。」
「私は貴女が良いの。」
と、まぁ会話からもお察しできるかと思いますが“ヴィ”改め“ヴィーノ”はオネエなのです。少し低めの声色から出る言葉は淑女のような言葉遣い。腰まである黒髪は手入れがちゃんと行き渡っていて艶々である。
オネエ口調ではあるけれど伯爵家次男であり19歳でありながら騎士団の副長も務めていて、この見た目である。貴族のご令嬢達が目を付けないわけが無い。
選り取りみどりなはずなのに彼は私に婚約話を持ってきて今日から彼は私の婚約者となったのだ。
「これで良かったのかしら...。もしかしたらヴィは男性が好きだからカモフラージュとして最適な幼馴染の私を選んだとか?昔から2人で良く遊んでいたし今でも会うけどヴィの好みとか聞いた事無かったもの。もしかしたら、言い難い事情なのかもしれないわね。」
彼が帰ってから1人部屋で何故彼が私に婚約話を持ってきたのか考えた。
自分だけで出した結論はオネエであるヴィは同じ騎士団に恋人がいて世間体的に男性同士ではよろしくないと考えて都合が良い幼馴染の私に話を持ってきたのだと解釈した。
____もし、ヴィが男性を好きならちゃんと理解してあげて彼らと話し合って私はお飾りの妻として彼を支えてあげないといけないわね!愛人となる人ともちゃんと仲良くしなければ。
私と彼の婚約はすぐにまわりに知れ渡りお茶会では私達の話で持ち切りだった。
「リディ婚約おめでとう」
「おめでとう。やっぱりヴィーノ様でしたのね。」
「良かったわね。リディ貴女凄く愛されていたものね。やっとだわ!」
仲の良い彼女達は何を言っているのだろう?お祝いの言葉以外は良く意味が分からず“ありがとう”という言葉以外出て来ず微笑むしかなかった。
婚約してからヴィーノは毎日我が家を訪れるようになった。訪れる度に人気のお菓子や花束を持ってきてくれるのだ。
「またこんなに!ヴィ、気を使わなくて良いのよ?」
____やっぱり後ろめたい事があるからここまでするのかしら?そんな事しなくても私はちゃんと理解するつもりなのに。
「私がやりたいのよ。」
「ねぇヴィ。私に何か話す事無い?...貴方が私を選んでくれたのは婚約者候補がゼロだった私的には凄く有難い話だけれど...貴方は違うんじゃない?」
「...どういう事?」
◇◆◇◆◇◆◇◆
彼女は何を疑っているのだろう?それとも僕が幼少時代から色々と立ち回っていたことがバレたのか?
そうあれは彼女と初めて再会した時だ。
「初めまして、リディーナっていうの。リディって呼んでね。」
「...ヴィーノ。ヴィって、...呼んで」
僕は彼女をひと目見た時から心を奪われた。艶のある栗色の髪に小さい顔に反して空のような綺麗な水色の瞳はとても大きくてぽってりとした赤い唇、ほんのり色付く頬、全てが魅力的で心を鷲掴みにされたんだ。
それからは僕だけを見て欲しくて近寄ってくる男達を牽制したし、彼女のまわりも把握しておきたかったから彼女の女友達とも仲良くするようにして来た。けれど成長するにつれてどんなに牽制した所でアホな男達は彼女に近寄ろうとする。
だから僕は髪を伸ばし淑女のような言葉遣いを使って、リディに近寄る男達に色っぽく迫ってみせた。するとアホな男達は僕に釣られてくれる。そして僕は日々鍛えているのだから、2度と彼女に近寄ろうと思わないように痛め付けていたのだ。
――――こんな事、彼女にバレたら嫌われるだろうか...。
「ねぇヴィ、隠す必要は無いのよ?...騎士団に恋人がいるんでしょ?だから、それを隠すために私と婚約したんじゃない?...大丈夫よ!私、そういうのも理解できるわ。貴方と恋人との為にお飾りの妻にだってなれる。出来れば恋人の方とも仲良くしたいし良好な関係が築ければと思っているのよ。」
―――――彼女は一体何の話をしている?
「...ちょちょっと待って。リディ、どういう事なの?恋人って?」
「どういう事ってそういう事じゃないの?だって貴方、オネエなんでしょ?」
「...え!?ち、違うよ!」
「え?そうなの?...だってある時期からオネエ口調になっていったし、貴方が男性の方と仲良くしている噂話とか夜会で聞いていたから私てっきり騎士団に恋人がいるものだとばかり...」
「...この口調はカモフラージュであり牽制でもあるんだ。だけど、君にそこまで思われていたなんて...と、いうかリディ気付いてなかったの?」
「...何を?」
「...改めて言おう。
僕は君をひと目見た時から好きだ。
だから僕と結婚して下さい。」
顔を真っ赤にした彼女は「ヴィが私を好きだなんて知らなかった」と俯きがちに呟いたので、自分の気持ちが彼女に伝わってなかったと肩を落とした。
「ならこれから僕がどれだけ君を好きなのか教えていくから覚悟してくれ」
真っ赤になった彼女の頬に口付けをした。
これからどんどん僕に溺れて行けば良いんだ。
―――――覚悟してね。僕の大事なお姫様
終
ここまで読んで下さりありがとうございます。
この話を膨らめられたら連載とかしてみたいなぁと考えていますが...どうなりますかね?( 笑 )