作り笑顔・なぐさめ。
「うん・・・。」
「でも、本当に私と同じですね。だから、かなめさんの辛さは、私が一番わかります。なので、胸をはって、生きてください。笑ってください。私みたいに、バカみたいに生きましょう。」
その時、ゆなちゃんになぐさめられた俺は、心が少しだけ、軽くなった気がした。
「ゆなちゃん、ありがとう。ゆなちゃんはすごいよ。」
「そうですか?私は、ずるい人間ですから。」
「えっ?ずるい人間?どういう意味?」
「私はわがままで、神様にばっかり、お願いしてますから。神様がいなきゃ何もできないんです。」
ゆなちゃんは無理して笑った。
「ねぇ、無理ばっかしなくていいんじゃない?
それとさ、ゆなちゃんはずるくないし、わがままでもないと思うよ。
神様がいてもいなくても、ゆなちゃんは今と同じ生活、今と同じ事をしてたでしょ?」
「かなめさん・・・、ありがとうございます・・・。」
「無理ばっかしてると、神様、助けてくれなくなっちゃうよ?」
「はいっ。」
ゆなちゃんはおもいっきり笑ったみたいに見えた。
それから、俺とゆなちゃんはぶらぶら歩いた。
何かを見つけたりしたわけでもなかった。
ただ、ゆなちゃんのおもいっきりの笑顔が何回も見れた。
ゆなちゃんの笑顔は、懐かしい感じがした。
しばらくすると、突然、ゆなちゃんが、ガクガク震えだした。
「えっ?ゆなちゃん?どしたの?」
ゆなちゃんの見ている方向を見て、そこにいたのは、しゅうなちゃんだった。