初めての怒り、酷いおどし。
そして俺はやっと、しゅうなちゃんの家の前についた。
「何?しゅうなちゃん。」
「あー。その態度むかつく。前まではびくびく、びびってたくせにさ。」
俺はその時すごく怖くなった。
「まぁいいわ。あんた、リストカットしたでしょ?」
俺は驚いた。なぜしゅうなちゃんがそれを知っているのかと。
「な、なんで、しゅ、しゅうなちゃんが!?」
「別になんだって、いいじゃない。」
しゅうなちゃんは俺をあざ笑うようにこう言った。
「そんなの、リストバンドを見れば分かるし、それ、ゆなにもらったんでしょ?」
「なんで、ゆなちゃんを知ってるんだ!?」
「なんでって、一番最初にゆなをいじめたのは、私だし、あいつにリストカットしてやったのも私だから。」
俺は、何かおさえきれない感情がこみあげてきていた。
「そんなの・・・、酷すぎる。」
「は?私はあいつの手伝いしただけだし、『これ以上、私が苦しむだけなら殺して』とか言うから、リストカットしてやった。それだけ。」
「それは、しゅうなちゃんがいじめたから。」
「かなめくん、あんた、あんま調子にのんなよ。今度私に口だし、したら、あんたも、ゆなとおんなじめにあわすから。」
俺は、おどされた。
自分より背が小さい、しかも女の子に。なんて、俺は弱いのだろう。自分も他人も守れない。
ああ、俺はなんて、ちっぽけな男なのだろう。
そんな俺がなさけなく見えた。