暗い真実。
「あんたたち、覚えてなさいよ!」
しゅうなちゃんは、焦りながら走って行った。
すると、ゆなちゃんは、気が抜けたように、肩をがくんと落として、声をあげて泣いた。
「うっうっううう、うあああん!」
「ゆなちゃん、泣いちゃだめだよ。大丈夫、大丈夫、俺たちは、死ぬためだけに、生まれてきたんじゃない。誰かを、何かを見つけるために生まれてきたんだ。だから、笑って何かを見つけよう。」
「でも、私は見つけましたよ。何千万もいる人の中から、たった1人、かなめさんを見つけました。」
「俺も、ゆなちゃんを見つけた。だから俺、今とっても楽しいし、幸せなんだ。だから、笑えるんだ。」
「私も、幸せです。だからもう、泣きません。約束です。」
ゆなちゃんは、俺のおでこにゆなちゃんのおでこをくっつけた。
「これが指切りのかわりです。」
「うん、わかった、じゃあ約束。」
俺たちは、笑い合った、ずっと。
「でも、気になるのは、しゅうなちゃ・・・いや、しゅうなだ。何をしてくるかわからない。」
「はい、いったい、何をしてくるかですね。でも、知ってましたか?しゅうなちゃん、親がいないんですよ。」
「えっ?!親がいない?!どういう事?。」
「しゅうなちゃんの親は、しゅうなちゃんが5歳のとき、ある、ささいな事が原因で、殺し合ったんです。しゅうなちゃんはまだ、小さかったので、どうすることも出来なかったんです。だから、親の愛を受けずに生きてきたんです。」