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俺の居場所  作者:
10/18

大切な人を守る気持ち。



「あれー、二人とも、きぐうね。」


しゅうなちゃんはわざとらしく言った。


俺は勇気を出して言ってみた。


「うん、本当にきぐうだね。」


「ゆな、あんたは何か言うことないの!?」


「ご、ご、ごめんなさい。本当にきぐうですね、しゅうなちゃん。」


ゆなちゃんは、すごくビクビクしていた。汗もいっぱいかいていた。


「ねぇゆな、あんたリストカットまたしたの?バカよね。」



しゅうなちゃんがゆなちゃんのリストバンドをはずして、手首をみた。


ゆなちゃんは、泣いていた。リストバンドを取り返すそぶりもなく、何も出来ずに、ずっと泣いていた。

それなのに、俺は何も出来ない。ただ、じっと見てるだけ。

俺に、生きる楽しさを教えてくれた、大切な人がそばで泣いているのに。


しかし、突然ゆなちゃんが小さな声で



「ゃ、めてくだ、さぃ。」


と言った。俺は驚いた。


「はぁ?ゆな、誰に言ってると思ってるの?」


「しゅ、しゅうなちゃんです・・・リストバンド、返してください!お願いします。」


「なっ、ゆなが私にくちごたえするなんて、またリストカットしてほしいの!?」



俺は、押さえられなくなり、つい、口を出してしまった。


「しゅうなちゃん、もうやめなよ。」


「あんたまでっ!?」

「俺だって人間だ!くちごたえだってする。俺は・・・俺とゆなちゃんは、もう一人じゃないんだ!ちゃんと、ここに居場所があるんだ!」


しゅうなちゃんは、口を開けたまま、俺を驚いたようにじっと見ていた。

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