妄想
ホームの列の先頭に立つと決まって考える事がある
「もしも誰かが自分を線路に落とそうとするなら」
暇つぶしに考える特に意味の無い妄想は楽しいものだ
俺の妄想はシチュエーションを考える所から始まる
情報が多ければ多い程リアリティが増すのだからな
まずは場所…俺が先頭に立ってその後ろに知らない一般人共が並ぶのだ。
本を読む人・ケータイをいじる人・電話で謝っているもの……
次に俺を突き落とそうとする「犯人」なるものを想像する。
そうだな…仮にそいつをAとしよう
Aはどのような動機で俺を落とすのか…金の貸し借り?恋愛?昔の恨み…そうだな恨みが一番想像しやすい
Aはどのように近付いて来る??
電車の来る時に俺を落とそうと近付いて来るのは周りの目に付く
そうなると俺の斜め後ろでだいぶ近いだろうな……
最後に俺は落とされる時どのような反応をするか…叫ぶ?それとも混乱して何も言えない?
どれも違うな……今回でこの妄想は止めることにした
『人身事故により電車が遅れております。ご迷惑をおかけします。』
アナウンスが響く
「チッ…だれが飛び込んだんだよ……」
「暇だから妄想でもするか」