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アイガラテ 共通①話


「異世界?」


恋愛小説が好きな友達いわく主人公が異世界に行き王子と恋に落ちるのが最近のラノベの流行りらしい。


好きな作家の新刊がイマイチという話から始まり、今にいたるのだが異世界など言われてもピンとこない。

違う世界とか神様とか魔法とかありえないだろう。

機械は科学で人間が作ったり、仏は人間が修行して成るものだから信じる。

けれど幽霊や宇宙人は目に見えないので信じられない。

見たら信じられるかもしれないが、宇宙にいってもナントカ星人はいない。

あくまでフィクションだから楽しめる人は好きにすればいいと思う。

私はあまりファンタジーにのめり込めないタイプなので現代が舞台の青春もののほうが好きだ。


「でもさ、星はたくさんあるのに地球だけ人間いるってそっちのが変しゃん?」

「たしか水があって太陽に近すぎず遠すぎないのが宇宙では地球のあるところで奇跡の星って呼ばれてるんだよね。太陽に近いと金星みたいに干上がり遠いと海王星みたいに氷るとかで」


■■


イトコが格闘ゲーム好きで私もよくやるのだが、新作CMを見て近くの店へ買いにきた。

ついでに恋愛ゲームコーナーがあり、見てみると新作がずらっとあった。

買ったことがないけど選り取りみどりのイケメンイラストは好きだったりする。


(まさかヴァンパイアやら神様を攻略できるゲームまであったなんて

……あ、なんか有名なカルシウム!新作でるんだなあ……)


アイドル和風やタイムスリップものが主流のイメージしかなかったからパッケージ裏を見て衝撃を受けた。


「また今度にしよ……」


メーカーの機種変で新しい本体と格闘ゲームのソフトでお年玉が消えてしまった。初恋愛ゲームはバイトして買おうかな。


「お買いあげありがとうございました~」



――もう夕方で、帰り道が暗くなっている。


「……明日にすればよかったかも」


帰宅中も暗かったのにCMを見て衝動的に買いにきたのかいけなかった。


「すき焼き、すき焼き」


夕飯は多分すき焼き、だと思えば帰り道が怖くなくなる!!


「……?」


なんだか背後に気配を感じて早歩きをする。

気のせいか、足音までこちらに近づきながら速くなる。


「……みつけた」


男の声がして、そのまま意識が遠退いてくる。

倒れた私を人間離れしたほど美しい容姿の見知らぬ誰かが抱えたところで―――――



「あれ?」


目が覚めると自分の部屋のベッドで、枕元にはバッグがあった。

中身を確認すると、買ったゲーム機はちゃんとある。


「よかった」


はじめは声を聞いてから意識を無くしたのかと思ったが、倒れた私を通行人が助けたのだろう。


「でも、あのイケメンは夢なのかな?」


出来ることならもう一度見たい。


《夢ではないわ》


聞いたことのない女の声が背後からして、ぞわっとした。


「ああ貴女は?」


姿が見えないので幻聴だと思いたい。


《我は女神アイディディ……》


「いきなり神様とか言われても私は目に見えないと信じられないんですけど」


するとジラジラとハッキリしないが美しい女性の姿が現れた。


「……あまり鮮明に見えないんですが私に神通力がないからですか?」


《いいえ、それは私が力を無くしかけているから》


「現代人の信仰心が薄いとかですか?」


《貴女のいた宇宙と、ここは違う宇宙。だから信仰心は足りているわ》


「は、はあ……」


《私は各惑星の繁栄のために宝玉を与えた。そのせいで力が衰えた。同時に人間は宝玉をめぐり争っている。だから取り戻したいの》


「それを私に言われても……なにかすごい力とかがあるわけでもなくただの一般学生ですし」


《もう力が出せない……あとは兄に話を聞いてちょうだい》


肝心な話の最中に女神は消えてしまった。


「愛賀ラテだな」

「そうですけど……」


――どこかで見たような気がする。


「私はトゥルーヴ、この宇宙の管理をする男神の一人だ」

「もしかして倒れた私を運んだ方ですか?」


こくりと頷く。彼が女神の兄だったなんて、まさかこんな形でこんなに早い再会をするとは思わなかった。


「というかここ、私の部屋ですよね?」

「そう思うなら、外を見てみたらどうだ?」


カーテンを開けると、まるでプラネタリウムだった。近くにでっかい星がスレスレにあって、なんだ夢かと目を閉じる。


「えええ!?」


もしかして私、ロケットに乗ってる!?

それともコンセプトが宇宙のVRとか?


「ここはお前の宇宙とは分断されている宇宙の星の一つでお前の地球と似せたテラネスだ。信じられないなら、手始めに向こうのアテラスにでも行くがいい」


神様から促されて、家から出てすぐの近くにある球体に飛びうつる。

ていうか重力とか、酸素とか大気圏とか完全無視!


「あの、地球にかえしてもらえませんか?」


ここには家族やすき焼きがないし、ゲームしたいのに充電できない。

というかそういう問題じゃなくて、借りてきた猫みたいな気分だ。


「一つ条件がある」

「どうしたら?」


もしかして宝玉を集めて自分で願いを叶えようぜ!!とか言わないよね?


「8ある宝玉をこの中のどれか一つの星から回収することだ」

「え!?」


やっぱり宝玉回収やらなきゃだめなんだ。でも全部じゃなくて一つでいいなんて意外だ。


「というか帰るには力がいる。玉一つで行きと帰りの二回分の力だ」

「つまり私が帰って、新しい人に同様の取引をするんですね?」


図星なのか、神様はため息をつく。


「でも宝玉の力を星の人が使ったりしてたらどうなるんですか?」

「あれは女神にしか扱えない」


じゃあなんの為に争いが起きるんだろう。


「……ところでこのコンセントって電気使えます?」

「なんの為にあると思うんだ」


悩んでもしかたがない。これは悪夢であり、終わらせる為にもやらなくちゃ。


◆まずはエリアを選ぼう。

○〈月のワコク〉

○〈火のチャイカ〉

○〈水のヨウコク〉

×〈木のジュグ〉

○〈金のインダ〉

×〈土のトロカピアン〉

×〈日のアラビン〉

×〈無のエルジプス〉

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