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宇宙からのプリンス 共通① 態度のでかい居候

「地球に似た惑星が発見されたってよ」


父が新聞を読みながら何気なくいう。

―――プラネタリウムを観ていると懐かしくなるし、私たち人類は宇宙から来た。

やっぱり宇宙はロマンである。


「私って宇宙ものの特番めっちゃくちゃ好きなんだけど、実は地球じゃない星のお姫様で、したーとかあるとおもうの」


登校中、幼馴染みの友広<ともひろ>に言ってみた。


「いや、ないだろ」

「なきにしもあらず」

「ドヤ顔すんなし」


バカみたいなやり取りをしながら学校へ着く。


「あ、じゃあまた放課後」

「ああ」



「あの空の向こうにいるんだなあ……」

友広、クラスメイトの陽子との帰り道、ふと、空を見上げる。


「なに…身内に不幸でも?」



「もしかしたら空の向こうの遠い星に住んでるイケメン星人が空から降ってきて、イケメンが私の家に居候なんてことに!」

「ない。ならないから」


「諦めんなー!諦めたらそこでしぬぞー!」

ファサリ、私は髪をなびかせる。


「女優と雪山の遭難と暑い人と某スポーツ漫画の名言混ぜないでよ」


「ああ、なぜ宇宙からプリンスが墜ちてこないのだろうか…」

「あ」


「えっ、なに?」

マジで隕石、降ってきちゃったかも。私たちは逃げた。


―――今日は土曜、学校も休み。


どこにいこうか、とりあえず玄関を出た。



「おい、そこのテラネス星人」

「え!? 私?」


誰かが声をかけてきた。

怪しいローブの男が二人いる。


後ずさる私にずいずい迫ってきた。



「しばらく貴様の家に泊まってやる」

「は?」


「すみません。ここでは難ですので場所を変えてお話します」


なにがなんだかわからないまま、自宅に移動することになった。



まず彼等が何者か、答えてくれた。


偉そうなのは惑星“ウィラネス”の第二王子・アルスター、丁寧なほうはその仕えている人。


王位を継ぐはずだったアルスターは兄に殺されそうになり二人は逃げてきた。


「あーつまり二人は宇宙人、しかも王子様でおまけのソッキンとクーデタァから逃げてきたってわけ?」

「のみこみがが早いな、普通は『え!?宇宙人!?ナッサに電話しないと!!』と騒ぐ場面だろう」


「いつの時代? いまどき宇宙人くらい珍しくないし」



「アルスター様はお妃様の、首謀者である第一王子は側女〈ソバメ〉の子です」

そっき……従者のベルヴィットさんが言う。


「あーベタだね。ていうかアルスター王子、人望無いんだね」


「黙れ平民」

「もしもし~ウィラネスの第一王子さんいますか~」

「おいやめろ!」

◆◆


「まあ、少しの間なら住んでもいいよ困っている人を助けるのは人としてあたりまえのことだから」

「ではまず親に……」


「へー一応そういう常識はあるんだね」

「貴様……余をなんだと思っている」


「……両親、いないんだ」

「……」


写真を見た私。しんみりとした空気が流れる。



「仕事で海外赴任中なんだ」

「驚かせおって……!」


「たまに従兄が様子を見に来てくれるんだけど……」


メールが入った。


従兄の純〈じゅん〉さんからだ。

王子のことは黙っていたほうがいいよね。


【今からそっちに行こうと思うんだけど、家にいる?】


彼は小さいときに妹を無くしていて、そのせいか私を妹の代わりみたいに思ってくれている。――――過保護というくらい。


【いますよ】


「というわけだから二人は床下に隠れて」

「どういうわけだ」

「今から幼馴染が家にくるから」


「クローゼットではダメですか?」

「一番ダメです」


◆◆

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