神に見捨てられた星 共通①
―――惑星サニュ。神を奉るべく聳える祭壇の間。
ある時神リオスは惑星サニュを棄てる。神官が私服を凝らす様にほとほと飽いたのだ。
神が旅立ったことにより、残された星はかつての燃えたぎり、熱を放出していた頃とは違い、冷えて黒くなりかけている。
「犧が逃げました!!」
「それは……近い未来、この星が滅びますね」
一人の若き神官は漠然とした言葉を、民等に告げた。
「そんな!我々はどうすれば!?」
「探しなさい…太陽の神を二度降臨させる為に新たな“贄”となる者を」
―――――
「茂音さーん!」
「なに?」
「このノート先生に渡しておいてくれなーい?」
「…いいよ」
また断れなかった。
周りは皆、私をイイコかお人好しのどちらかで見ている。
私はイイコでもお人好しでもない。ただ、善良な人を装っているだけなのに。
「陽子、一緒に帰らないか?」
隣のクラスの幼馴染、佰戸紫射に声をかけられた。
「ごめん掃除当番だから」
「……昨日も当番だったんじゃないか?」
「うん。でも私はバイトとかしてないから暇だし、気にしないで。家の仕事あるでしょ?」
紫射の家は霊媒師をやっている。彼にも霊感があってその筋では有名らしい。
「なにもできなくてごめん。俺達同じクラスだったらよかったな」
「いいよクラスばっかりは仕方ないもん」
――掃除を終わらせた私が帰宅する頃には放課後になっており、あの人の姿が見えた。
「ケンさーん!」
名前を呼んで彼の元に駆け出すと、頭に強い衝撃がきた。
―――どうやら私は死んでしまうらしい。