国崎さん用の短編小説
Twitter仲間の国崎さんから許諾をうけてオリジナル二次で作成しました。国崎さんのTwitter名は現在☺になります。もし本人様の意見がありましたら削除いたしますのでよろしくお願いいたします
[ひとみとまな]
二十月家に嫁いで二年がすぎた。父の親友であるひとみさんは昔から知っている間で。元々父母は体が丈夫ではなく、元々名家であったはずの私の生家は商才のない親類に乗っ取られて見事に没落をした。
16の時に見事に庶民に成り下がった私はそのまま生きるために夜の世界へと降った。一応悪い仲間もいて、身分詐称は案外なんとかなった。
艶やかな黒髪と長身で発育のよかった私はなんだかんだ超うれっこになり、そのまま体を売る商売に手をのばそうとした時にあの男がきた。
二十月ひとみ。長身で細身、体調はいつもわるそうな寡黙な中年男。父とは幼少時からの親友でもあり、私の初恋のひと。初恋なんて六歳のときだし、ギリギリおにいさんだったし。
そして店側にいつのまにやら身請け金を渡し、私はいつのまにやら彼の妻に。
そうそう私の名前はまな、肩までかかる黒髪に生まれつき赤い目、身長は160くらいはあるかしらね。体重はいわない。
料理は得意よ。一応ね。
二十月家は整頓された一軒家で二階建て、木造建築だけどしっかりしてる。掃除と洗濯は旦那様の仕事で。私は料理だけ。仕事は何をしてるかわからないけど、曰く付きの同僚はいる。
養ってもらってるわけだし、なんもいわないけど、日課は旦那さまのあぐらに一回はすわること。何気なく愛しくてこの時間がすき。父のようであり兄のようなひとだったから。余計かもね。
「・・マナ、幸せか?」
稀にこんな風なことをきくけど、私には愚問よね。
「当たり前。なんども言わないでよ、あたしはおじさまがすきなのよ」
多少は強引だったけれど、没落した家の娘にしたらとても良いかたに巡りあえた。寡黙で体調があまりよろしくないのが心配だけれど、うちの旦那さますごくつよいのよ。