プロローグ
俺は現在進行形で追い詰められている。
「ちょっとヒカル!営業妨害になるからかえって!」
「目を覚ましてくれカエデ!君の居場所はこんな大衆食堂じゃない、俺ら勇者パーティーの仲間としてみんなの助ける旅をすることなんだ!だって俺達幼馴染じゃないか」
「えぇヒカルとは幼馴染だし以前は恋焦がれたこともあるわ。でもね、気づいてしまったのよ・・・」
カエデは幼馴染が勇者召喚された時にに巻き込まれたおまけ召喚者で、俗に言う召喚勇者パーティの元メンバーだ。そしてご多分に漏れず幼馴染に恋していたのだがいろいろあった末に、俺の大衆食堂の従業員になった。
「さすがにハーレムはないわ。それも12人とか、日本人の感覚からして百年の恋もさめるわ!」
そういってカエデが周りを見渡すと、そこにはヒカルのハーレムメンバーが所狭しと佇んでいた。
まぁ当然でもあるのだが、いくら恋に恋する高校生でもさすがに自分以外の女に、それも二桁に手を出せば真っ当な日本人女子高生では恋も冷めるだろう。
ちなみに俺としてはハーレム勇者に思うことはない、がここで選択を間違えると社会の敵になりかねない状況なのでこまっている。
そんな俺の葛藤も知らずにカエデとヒカルは今も平行線な言い会いを続けているわけだ。
とりあえずこうなった経緯を思い出してみる事にしよう・・・