拝啓、あなた様
拝啓、あなた様
お久しぶりでごさいます。お変わりはありませんでしょうか。
私は相変わらず、可もなく不可もなく過ごしております。
最近のあなたのご活躍、目を見張るものがあります。流石ですね。
昔からあなたは何か"違う"と感じておりました。
あなたは覚えておりますでしょうか?
文化祭の前日、クラスメイトの誰かが壊した展示物を前に
「今から壊れた全てを繋げて"大きなオブジェ"を作ろう!」と発案しましたね。壊したクラスメイトを責めず、士気が下がりかけた空気を一新しましたね。その時は感服致しました。
ちなみに、あなたの隣で一緒に作業していたのが、私です。思い出しましたか?
お忙しいとは思いますが、積る話もありますので、一度会って思い出話に花を咲かせませんか?楽しみにしています。
突然の話で驚かれているとは思います。
ですが、私はこれでも会社を経営している身ですので、あなたを困らせる様な事はありません。
ただただ、あなたとの懐かしい思い出話がしたいだけです。
合唱コンクールの話や運動会、思い出は尽きませんよね。
同じクラスメイトなら、分かるはずです。
決して、あなたに悪い話は致しません。それどころか、あなたのプラスになる事でしょう。
あなたの才能を真っ先に見抜いた私です。
楽しみですね。連絡、いつまでも待っています。
それでは。
益々のご活躍を期待しております。
敬具
廣田はこの手紙に返事を書いた。
わざわさ手紙をありがとう。
話の続きは来週の同窓会で聞く事にするよ。
ところで君は誰なんだい?