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死者の蠢く世界で  作者: 三木 靖也
同害報復
43/64

捕捉

少し短いです。

宇田の一件から数時間後。


『今日中にT県を超えるぞ。』


「了解です。んじゃ、麗香。道案内頼む。」


「OK!」


麗香が後部座席から地図を取り出す。


「このまま坂道を真っ直ぐ下って。」


「あいよ!」


アクセルを踏み、車が発進する。


車列を組んで動き出す。


その上空を一機のヘリコプターが飛んでいた。











『こちらガーゴイル1。目標を確認。HQ応答せよ。』


『こちらHQ。ガーゴイル1。目標の位置情報を伝えろ。』


『位置情報。T県S市の山間。道の駅があるところから北に山を下って行っている。』


『……OKだ。ご苦労だった。追跡してくれ。』


『了解。』


ザザッと音がし、交信が終了する。


交信用のマイクを外すと、位置情報の書かれた紙を持って立ち上がる。


大急ぎで社長室に入ると、目に飛び込んできたのは大きな国旗。


日章旗の中心の赤い丸の部分に、復活の象徴である不死鳥が白色でかたどられている。


そしてその大きな旗の数m前。


岸沢が大きなデスクに座っていた。


「位置が分かったか?」


「はい。この通りです。」


紙を岸沢に渡す。


「T県S市か……。この付近に拠点はいくつある?」


「2つ……いや、3つです。」


「3つか……。では、その3つの拠点にいる優秀なもので攻撃隊を編成せよ。その攻撃隊でもって奴らを叩きのめす。絶対に殺すなよ。捕まえて公開処刑にするんだからな。足りなくなった兵はこちらから捻出する。」


「ハッ!」


一礼をし、部屋を出る。


急いで自分のデスクに戻り、各拠点に命令を下す。


そして、その一時間後、3つの拠点から攻撃隊が発進したのである。






















疾風を運転する悠斗。


だが、その表情は曇っていた。


山道を降り、田園が広がる場所に来たのだが、異様にゾンビが多い。


そして、ゾンビの多い道を避けるようにしながら進んでいるため、中々進めない。


「チッ!なんでこんなにいるんだよ……。」


ため息交じりに言いながらハンドルを捌く。


だが、ここであることに気付いた。


ゾンビが追ってこないのだ。


ゾンビは道を塞ぐように立っているだけで、自分たちを追いかけてこない。


これはきわめて異様な事態だ。


「大関さん。変です。ゾンビが俺たちを追ってきません。」


『あぁ、確かにな。これは妙だ。』


引き返そうとするも、引き返す道は何処もゾンビで溢れかえっていた。


まるで、今進んでいる道から逃がすまいとするように。


不審に思いながらも進むと、大きな倉庫の前まで来た。


恐らくこの村で取れた作物や、農業機械を保管しておくための物であろう。


だが、今はここに寄っている時間はない。


バックして戻ろうとすると、今まで自分たちの来た道から大量のゾンビが群がってくるのが見えた。


「クソッ!あいつらいきなり元気になりやがって!」


『悠斗!車をその建物の中に止めろ。全員入ったら建物のかぎを閉めるんだ!』


「ですが、それじゃあ出られなくなりますよ!」


『どっちみちこのままじゃやられる。迂回する道も、曲り道も全部ゾンビが壁を作ってる。』


「……解りました。」


車を倉庫内に止める。


五号車が入ったところで、金属製の大きな扉を閉める。


倉庫は見かけどおりに大きく、窓からは日光が降り注いでいる。


また、2階は吹き抜けになっていて、梯子がかかっている。


「さて、これからどうするか考えねばな……。まずは建物の哨戒だ。」


大関が口を開く。


各々が武器を持つ。


悠斗はレミントンと専用拳銃とバール。


伊吹は89式小銃とボウガンとナイフ。


大関はAR-15とグレネードとナイフ。


宮本はニューナンブと鉄パイプ。


山本はSAKURAと鉄パイプ。


村下はニューナンブ。


宮本と村下と麗香と水咲と奈菜ちゃんは車待機という感じで捜索をすることになった。


だが、その建物自体が大きな狩場になっていたことを悠斗たちはまだ知らなかった。




次回もお楽しみに。

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