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死者の蠢く世界で  作者: 三木 靖也
死中求活
27/64

情報

短いです。

ビル内の哨戒を終え、20体程のゾンビを駆逐して安全を確保した。


入口を完全に封鎖し、窓にもバリケードを加えた頃には7時を回っていた。


明かりは点かなくなっているため、懐中電灯の明かりで周囲を照らす。


「全員夕食にするぞ。大事な話もあるから集まってくれ。」


大関が声をかけ、会議室に全員が集まる。


「大事な話ってなんなんだろうな?」


「う~ん…なんだろうね?」


首を捻るが、見当もつかない。






















全員が缶詰の簡素な食事を終えると、大関が口を開いた。


「皆に聞いて欲しい事がある。村下。」


「は~い!」


嬉々とした、そして間延びした素っ頓狂な声を上げながら立ち上がる。


「ゴホン。え~っと、情報班から報告するよ。尾西は日本が瓦解したと言っていたけど、国防大臣は生きてたみたい。東北の方にある自衛隊の基地にいるらしいよ。」


ここF県は北陸に位置するため、かなり遠い。


「で、そこからの情報曰く、人類は82%が感染してるらしいんだ。パンデミックにしてもすごいと思わないかい?どうしてだと思う?」


研究者…いや、マッドサイエンティストのような顔をしながら尋ねる。


「どうやら、ゾンビの中にも上位種のようなものがいるらしくてね。駐車場で襲ってきた奴なんかもそれに当たる。あと、鳥は感染するらしいから、カラスとかには注意だってさ。」


「その上位種がある程度の知性を持っている…。という事ですか?」


「その通り!国務大臣は、生き残りの自衛隊を出来る限り派遣するから自力でここまで逃げて来いって言ってたから、その自衛隊基地に向かうならどうしても戦闘は避けられなくなってくるね。以上で~す!」


村下が座り、大関が口を開く。


「ありがとう。この情報は十分に信頼できると思われる。よって、我々の最終到達目標を東北の自衛隊基地とする。異論はあるか?」


誰も口を開かない。この期に及んで文句を言うものはいまい。


「無いようだな。当面の目標は近くの自衛隊駐屯地だ。では明日の八時に出発する。部屋割りは基本自由だが、あまり離れないように。」


「了解!」
























部屋割りは以下の通りとなった。


悠斗、麗香。


伊吹、奈菜ちゃん。


宮本、大関、永森。


山本、村下である。


悠斗の部屋はスタッフの仮眠室をあてがわれた。


そして。


中には二人の男女。


(あわわ…悠斗君と二人っきりだ…!どうしよう!)


麗香は未だに悠斗に気持ちを聞けていないのだ。


一体彼がどう思っているのか。


人間なら一度は感じる思いだろう。


そしてその相手と二人きりともなれば、あらぬ想像が膨らむのも最早自然の摂理。


顔を真っ赤にして俯く。


「麗香~?」


「ひゃぁいっ!」


「うわっ!脅かすなよ…。」


「ご、ごめん。脅かしたわけじゃなくて…。」


「あぁ~…まぁいいや。早く寝ないと明日がつらいぞ?」


「うん。おやすみ悠斗君。」


「あぁ、おやすみ。」


同じベッドではないが、少しドキドキしてしまう。


そんな感覚を楽しみながら麗香は眠りについた。


窓に設置されたバリケードの隙間に初雪が顔を覗かせた…。



活動報告にも書きましたが、筆者は受験を控えているため、3月中旬まで連載を休止します。ではまた次回で。

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