プロローグ
いよいよ始まります。
遅筆と文章力の無さに呆れるかもしれませんが、長い目で見てやってください。
アメリカロサンゼルス郊外。
そこに一つの家族があった。父と母と子と三人で暮らしていた。
父はある日熱を出した。暫くして気を失った。
母が気づいた時にはすでに脈がなかった。
母は驚き病院にに連絡した。
ガタッ。
音がしたので振り向くと、そこには、死んだはずの父が立っていた。
受話機を置き、泣きながら抱き着く。
心配したのよ。と安堵交じりの声で言う。
が。
そこで異変に気付いた。
心臓の音が聞こえないのだ。
しかし時すでに遅く、父の口はその無防備にさらけ出された首元に迫っていた━━━━━。
数日後、ロサンゼルスの郊外の町で大規模な暴動が起きた。
ロサンゼルス警察は緊急出動をした。
「ったく、このクソ寒い中暴動なんてご苦労なこって。」
この警察署の配属されて2年のアランはぼやいた。
「ま、そうぼやきなさんな。上に聞かれたら大目玉だぜ?」
と同期のカーターが言う。その手にはM92F。
ベレッタと呼ばれる銃が握られていた。
自分もベレッタを持つとマガジンを確認し、パトカーに飛び乗った。
町はすでに地獄と化していた。
飛び散る血。千切れた肉片。そして。
「なんなんだよ・・・。これは!」
暴徒と化した民衆が警官を喰っているのだ。
警官だってただ黙って喰われている訳じゃない。発砲している。
しかし効かないのだ。当たっているのに平然と歩いてくるのだ。
「これじゃあまるで…。」
ゾンビ。
喉元まで出かかった言葉を必死に飲み込む。
そんなものいるはずがない。
(だが、目の前にいるこいつは…。こいつらは!)
明らかに人間ではない。
飛び出た内蔵。無くなった手足。そして白濁した目。
三拍子そろって人間ではないことを警告してくる。
気が付けば、道はゾンビと思しき生物で埋め尽くされていた。
目の前にも一人。いや、一匹というべきか。
緩慢とした足取りで一歩一歩確実に近づいてきた。
咄嗟に銃を構える。射撃の腕には自信があったので狙いは心臓である。
パン。
乾いた音がして、その音の陳腐さに見合わない凶弾が近づいてきた男の心臓にあたった。
しかし。
「なんで動けるんだよ!?」
銃弾で心臓を貫いても動き続ける。まさにゾンビだった。
恐れおののき、後ろに逃げようとする。が。
アランは呆然とした。後ろの道もゾンビで埋め尽くされていたからだ。
「こっこっちに来んじゃねぇ!!やめ・・・ッギャアアアアアアアアアア!!!」
カーターも腕に噛みつかれている。噛みついているのはさっき喰われていた警官。
(ゾンビと一緒じゃあねぇか…。)
立ち尽くすアラン。最早警官は自分だけになっていた。
(死ぬのか…。俺。呆気ない人生だったなぁ…。)
アランは自嘲気味に少し笑うと、パトカーに駆け出した。
そして、ガソリンタンクを閉めている蓋を開けた。
「生憎と俺はさびしがり屋でね、一人だとさびしくて死んじまうんだよ。だから・・・。」
胸元に手をやると、そこには一本の煙草とライター。そして写真があった。
その写真にはアランとその家族が笑顔で笑っていた。
その写真にそっとキスをすると、タバコにライターで火をつける。
ゆっくりと息を吐き、煙草の味を楽しむ。
「お前ら全員道連れだぁ!!!」
ガソリンタンクにライターを投げ入れた。
この世界のゾンビの説明的なものとして書きました。
次の話から本編が始まります。