表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死者の蠢く世界で  作者: 三木 靖也
烏合之衆
14/64

探索

今回は警察署の探索です。

公民館を後にした後の雰囲気は最悪だった。


仲間を失った悲しみと、警察署に着く前に仲間を失って作戦の成功率が下がったことだ。


『皆。すまなかった。私の責任だ。私がもっと先に止めていれば…!』


「大関さんのせいじゃないですよ。」


宮本が通信機越しに慰める。


「宮本、警察署に着いた。大関さんに伝えてくれ。」


「解った!大関さん。警察署に着きましたよ!」


『こちらからも確認できた。調査を開始する。槇原に替わってくれ』


「解りました。悠斗、大関さんが呼んでるよ。」


と通信機を渡してくる。


それを受け取りながら答える。


「こちら槇原。何かありましたか?」


『内藤が死んでしまったから、回収班が一人足りない。君が代わりに入ってくれるか?』


「解りました。」


通信を切り、宮本にその旨を話す。


「解った。じゃあ、僕はここで見張ってるから。気を付けてね。」


「解ってるって。」


そして悠斗は車を止め、レミントンを持って車から降りた。























警察署の前に悠斗、大関、山本、新田が集まった。


「皆。これより警察署の探索を始める。私が先頭。その後ろに山本。その後ろに悠斗。最後に新田だ。」


「俺が一番後ろかよ!」


「そういう取り決めだっただろう。」


「へぇへぇ。流石、内藤を見殺しにした奴の言うことは違いますねぇ。」


「てめぇ!」


山本が殴りかかろうとするが、大関が制した。


「やめろ。事実は事実だ。」


「へっ!解りゃあいいんだよ。」


「…行くぞ。」


列を作って歩き出す。


玄関を開けると、…いや、すでに玄関とは呼べないか。


自動ドアのガラスは破られており、戸としての意味を成していない。


中に足を踏み入れた一行はエントランスに出る。


「…ひでぇな。」


山本が呟いたのも無理はない。


受付カウンターにもたれかかるようにして倒れている性別すらわからぬ警官の残骸。


どこからか逃げてきたのだろう親子と思しき肉塊。


足元に転がるのは、食べ尽されて何もついていない頭蓋骨や骨の欠片。


所々に落ちている金属は薬莢か。


「警官の死体を中心に調べろ。銃を持っている可能性がある。」


「げぇ!こいつ等を調べんのかよ!」


「文句ばかり言うな、新田。」


「はぁ~い。」


悠斗たちは手当たり次第に死体を漁った。


悠斗は受付の前の警官の死体まで行く。


ボディーチェックの要領で調べていると、固い感触があった。


取り出すとそれはニューナンブだった。


弾は三発しか入っていなかった。


(…隠し持っておくか。必要になるかもしれないし。見つかったら誤ればいいだろ。)


と思い、それをカーゴパンツの太ももの辺りにあるポケットに捻じ込んだ。


「どうだ?何かあったか?」


大関が声をかける。


「銃があったぜ。」


山本がニューナンブを2丁大関に渡す。


「新田は?」


「あいよ。」


といい、弾丸を4発渡す。


「銃はぶっ壊れてたが、弾は大丈夫そうだったから取っといた。」


「そうか。槇原は?」


「こっちは収穫無しッス。警棒ぐらいですかね。」


「よし、警棒も一応持っておけ。さっきカウンターから地図を入手した。武器庫に向かうぞ。」


「了解。」


一行は武器庫のある地下に向けての階段を歩きだした。























「ここだ。」


立ち止まった一行の前には


『武器庫』


の三文字。


武器庫は開いており、いろんな装備が乱雑している。


きっと混乱していたのだろう。


「よし、銃と弾薬を片っ端から持っていくぞ。防弾ベストやマグライトがあったらそれも持っていく。」


「了解。」


それぞれが別れて銃を取りに行く。


かなりの銃が持ち出されていたらしく、5丁ほどしか手に入らなかった。


弾丸はそれなりの数はあったのだが。


「押収品…。」


ボソッと山本が呟く。


「押収品?」


大関が聞き返す。


「いや、つい最近ここらの暴力団が根こそぎ捕まったッつう事件あったろ?その押収品とかねぇかな~と。」


「…なるほど。いいアイディアだ。押収品を管理してるところに行ってみるか!」


しかし。


この判断が間違いであったことを悠斗達はまだ知らなかった…。



























次回もお楽しみに。

感想、ご意見待ってます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ