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死者の蠢く世界で  作者: 三木 靖也
烏合之衆
12/64

作戦

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

「…あ~よく寝た。」


次の日の朝。


悠斗は日が高く上ったころに起床した。


…麗香はあのまま寝たから!誓って手を出したりなんてしてないから!


「麗香は…寝てるな。」


本当に麗香は睡眠時間が長い。


まぁ、長ければ長いほど麗香の寝顔が楽しめるのだが。


いつも通り缶詰を食べ、たまには違うものも食べたいと思っていると、放送が入った。


『これより、物資調達の遠征のためのミーティングを行います。十分に動ける方、戦闘が行える方はイベントホールまでお越しください。』


「遠征…ねぇ。」


とりあえず麗香を起こして事情を説明する。


「で、悠斗君はどうするの?」


「ミーティングなんだし、行くだけ行ってみて無理そうだったら止めるよ。」


「解った。行ってらっしゃい!」














イベントホールは、本来この辺りの地域のイベントが行われており、悠斗もここで一度演奏したことがある。


中に入ると10名程の男が集まっていた。


どうやら自分で最後らしい。


「では皆さん。作戦会議といきましょうか。」


正面のスクリーン前に尾西がいた。尾西が司会のようだ。


「今回の作戦につきましては、大関が説明します。では、大関さん。」


はい。と返事をし、大関がスクリーンの前に出る。


スクリーンに地図が映し出され、ポインターを使って説明していく。


「今回の調達では、2班に分かれて行動したいと考えています。まず一班。」


と言い、ある建物をポインターで指す。


「このデパートの周辺で食糧調達をしたいと思っています。ここは日帰りで大丈夫でしょう。人員は3~4名です。続いて二班。二班は4~6名程で、私とともに武器の調達をしたいと思っております。」


そう言ってある建物を指す。


「ここは警察署です。ここの武器庫から可能な限りの武器と弾薬を手に入れます。そしてその後にここ。」


地図の端の方にある建物を指す。


「ここは鉄砲店になっています。ここでライフル系統の武器を手に入れたいと思っています。しかし、警察署からかなり離れているので、一泊する可能性があります。以上。」


大関は礼をし、壇上を下りる。そして尾西が上がる。


「今回の調達は強制参加ではありません。我々はあなた方の安全な生活を守りたいだけですので。武器はこちらで支給します。…それでは参加者を募りたいと思います。参加する方は挙手を。」


悠斗は躊躇うことなく手を挙げた。…あれ?俺一人だけ?


周りの人も驚いたような顔でこちらを見ている。


やばい。恥ずかしい。


「おぉ。あなたはやってくれますか。頼もしいですね。」


…やっぱり尾西は好きになれない。


「俺もやるぜ!」


手を挙げたのは山本さんだった。


「山本さん!良いんですか?」


思わず聞いてしまった。しかし山本は笑顔で、


「俺の家族はみんなあいつ等の仲間入りだからな。死んでも悲しむやつはいねぇよ。それに…。」


「それに?」


「学生が頑張るって言ってんならそれを支えるのが大人だろ?」


「…ありがとうございます。」


やはり人間らしい心を持っている人が残っているのは嬉しい。





















手を挙げたのは8人だった。


上げなかった人は少し気まずそうな、それでも安堵したような様子で部屋から出て行った。


「出発は明日です。今のうちに家族に顔見せをしておいてください。」


尾西はそう言うとホールの扉を開ける。


「…死んでしまうかもしれませんからね。では、班決めをするので皆さんついてきてください。」


案内されるまま歩く。


数分歩いて到着したのは武器庫を兼ねているおもちゃ屋だった。


皆その辺にあった椅子に腰かける。


「では、班決めをします。これも基本的に参加者の意思によります。また、さっきは説明しませんでしたが、班により選べる武器を制限します。一班は基本的に近接武器です。銃は班に一つだけ支給します。二班は班に二つ銃を支給しま


す。それと、班長は別に銃を支給します。」


(なるほど。遠くに行けばいくほど強い武器が手に入るってことか。)


「では、一班を希望する方は挙手を。」


三名が手を挙げる。


「では、一班は私を含めて四名ですね。」


「お、尾西さんも行くんですか?」


と手を挙げたものが問う。


「…有名な日本軍人、山本五十六の言葉にこういうものがあります。やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。ただ指図するだけでなく、自らも動かなければ人はついてこないものですよ。」


と言い笑みを浮かべる。


「では一班の方はこちらから武器を選んでください。武器はリストアップして明日、出発する前に支給します。選んだ人から解散です。」


それぞれがバットや鉄パイプを持って帰っていった。


次に大関が前に出る。


「残りの人は二班だな。俺が二班班長の大関陸男だ。銃を使ったことのある人はいるか?」


一人の学生が手を挙げる。中学生ぐらいか?


「君は銃を撃ったことが?」


「あります。スナイパーライフルなら。」


いやいや。スナイパーライフルを使える学生がこの日本のどこにいるんだよ!


「他にはいないか?」


一応悠斗も手を挙げる。


「君もかい?」


「はい。」


「では、君たち二人はこっちに来てくれ。残りの人は尾西さんのところへ。」


と言われてスタッフルームに連れて行かれる。


「君たちはここから武器を選んでくれ。」


「…なんだこりゃ?」


思わず声に出してしまった。それもそのはずである。


スタッフルームがハンドガンやショットガン、アサルトライフルやスナイパーライフルで埋め尽くされていたのだ。


「どうやってこんなに…。」


尾西への疑念が一層強まる。


隣の学生は黙々と銃を選んでいる。


自分もそれに習って銃を選ぶ。


銃を選んでいると、悠斗の物だったレミントンが横たわっているのを見つけた。


悠斗はレミントンを使うことにした。


威力がありそうだったし、自分のものを他人に使われるのが嫌だったからだ。


「じゃあ、俺はこれを。」


「そうか。…君は?」


「僕はこれにします。」


学生が選んだのはM24だった。


「解った。明日の作戦を成功させよう。」


「はい!」















部屋に帰ると、麗香が何やら調理していた。


「何を作ってるんだ?」


「最近缶詰ばかりだったからたまには作ろうと思って。許可もらえたの。」


「そうか。ありがとう。」


素っ気なく返したが、内心とても嬉しかった。


学年でもかなり美人の部類に入る麗香の手料理を食べれるのだから。


暫くして皿にのった料理が出てきた。


「おぉ~!うまそう!」


そこにあったのは、パンの上にツナを載せ、チーズを乗せて焼いたピザ風の物であった。


一口齧る。


「…どう?」


「うんまぁぁ~い!!!」


「良かった~!たくさんあるからいっぱい食べてね!」


この日は久々においしい食事が食べられた。


…あれ?これって死亡フラグ?

年末年始という事もあり、更新遅れました。

これからも遅れることがあると思いますが、応援よろしくお願いします。

感想待ってます。

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